リスペクト | 私が仕事を辞めた理由(わけ)

リスペクト

 2月20付けでようやく退職の運びとなりました。7年半。思えば長かったですよ。


 仕事は3年ごとに変えるをモットーとしていた私にとっては、本当に長い7年半でした。決して綺麗な幕引きではなかったですが、今までと同じ幕引きだったのであまりなんとも思ってません。来るべき時が来たのかな、と。


 勤務最終日は店舗でお世話になった方々へ挨拶まわりをしてきました。オープン当初からの私の働きっぷりを見ていた他の売場の人たちは、みな私に「お疲れ様でした」とか、「とりあえずゆっくり休んでね」とか、労いの言葉をかけてくれました。総務のマネージャなんて「ここまでがんばってきたのに、もったいないね。他の売場でどう?」とまで言ってくれて。一瞬、心が揺らいでしまったのですが(笑)そのマネージャは前の店舗で私を採用してくれたマネージャだったんで、本当に長い間お世話になった方でした。


 また私が退職するいきさつを話したとき、私の代わりに「それはおかしな話だね、信じられない」って言ってくれたり。こういうとき、人の温かさが身に染みます。


 中でも、隣のマネージャーにはオープン当初から本当に良くしてもらって。どこに行っても他の売場とは中が悪いと言われているこの事業部にしては、本当に仲良くしてもらって良かったです。困ったときとか本当に助けてもらったり、試験勉強見てもらったり、部下の契約面談に一緒に立ち会ってもらったり。最後には私に「お疲れ様でした」って。


 直属の上司に「長い間お世話になりました」って言っても「あぁ」で終わっていたっていうのに。長い間直属だった元上司に「お世話になりました」って言っても「あぁ」で終わったっていうのに。

 その「お疲れ様でした」っていう一言が、私の中のすべてを洗い流してくれました。そして、思った。

きっと、この人が上司だったら、私も違っていただろう。と。


 私はきっと、「売場の実務なんて何一つ出来ないくせに偉そうな事ばかり言っている」上司をリスペクトしてなかったんだと思う。だから上司からもリスペクトされず、部下からもリスペクトしてもらえなかった。やはり自分が信用しなくては相手も信用してくれないって事なんですね。


 さほど歳が変わらない隣のマネージャ。でも、器の大きさはすごいと思った。売場でも何度もそう思ったことがあったし、面談に立ち会ってもらったときも、私の部下にイロイロと教えてくれつつ、私にもいろいろと教えてくれた。きっとあのマネージャの下だったら、私は学ぶ事がいっぱいあったんだんだろうな。


 最後の直属の上司は、今思ってみると本当に自分とよく似たタイプの人間だったんだと。だからどれだけ何を言われても、私の中に上司の言葉は響いてこなかったのでしょう。私が手こずってた元部下の男に私の言葉が通じなかったのと同様に。


 5年ほど前、私は一度上司に辞表を提出した事があった。その時、自分の予定を変更してまで私を引き止めに来てくれたのが、前々地区マネージャだった。その時、マネージャは私の気持ちを理解してくれた上で、将来、私をどんな位置にして働いてもらいたいかという事を明確に提示してくれた上で「部下の働きやすい環境を守ってやるのが上司の仕事だ」と、当時の上司に言ってくれた。

 だから私はそうなろうとがんばってきた。転勤の際、売場長として連れてきた女の子が「派遣の男の子がいう事を聞いてくれない」って言ってきたときだって、結局、派遣の男の子の契約を更新しないことに決めた。私のいう事は素直に聞いていても、売場長の女の子の言う事を聞かないんじゃ意味がないから。

 だけどそうやって「守らなきゃ」って思っていた事自体が実はとてもおこがましい事だったのかもしれない。実は彼女は立派に一人で歩いていける子に育っていたというのに、私にはまだまだ子供というイメージがあった。だから彼女が私の配下から巣立っていくときは、娘を嫁に出す親の気分で送り出してあげた。

・・・・まぁ、その時の私の気持ちを、私の上司は理解していないと思いますけどね。


 上司は私の部下の事を「上司に恵まれなかった可哀相な人たち」とか思っているとようけど、私だってそれは一緒。

 取引先の女の子が間違えた事を「それは相手を脅すいいネタだ」とか平気で言える上司を、私はリスペクトできなかった。休むまもなくキャンペーン、キャンペーンと言って販売ノルマを店舗に与えてきた。売場の人たちは疲れ果ててて、「別に達成しなくてもいいや。どうせすぐ次があるんでしょ」と私にこぼしていた。

 土日の忙しい時に売場に来て、売場作りがちゃんと出来てなかった時、売場スタッフに向かってすごい勢いで怒ったらしい。私が出勤したとき、売場スタッフは半泣き状態で私にそう訴えてきた。本来ならお客さまの座るべきカウンターに座り、巡回報告書を書いて売場スタッフを注意している姿は、他の売場のマネージャから注意された。


 ただ、そんな上司を反面教師として見れなかったのは、私が未熟だったから。だから、同じような事をやってしまったんだと、私は思う。

 こう書いたことを、上司は「責任転嫁だ」というかもしれない。恐らく言うでしょう。だって絶対に自分の非を認めようとしない人だから。


 「それは俺らが悪かったのか?」


 最後に上司は私に対してそう問いかけてきた。心理学上、そういう否定的なことを相手に問いかけるときって言うのは、相手にそれを否定してほしいから言うそうです。その問いかけの答えに何を期待したか知りませんが、私は答えませんでした。

 だって「そんな事ないです」と言ったら自業自得だという事になってしまうし、「はい、そうです」と言ったら「責任転嫁する」と言われるのが目に見えて分かってましたから。だから答えなかった。

 「それは俺らが悪かったのか?」と言ってくる辺り、自分が悪かった、もしくは自分にも悪いところがあったとは全く思っていない証拠なのです。少しでもそう思っているのなら、問いかけではなく「そういうことを気づいてやれなかった俺らも悪かったな」と言ってくるでしょう。


 「応援を寄越さない」

 実際にそうだったじゃないですか。なら、なぜ私は200時間近くも働かなければならなかったんですか?

 「人員を増やさない」

 結局、派遣の追加の許可がおりたのは、本当に売場が回らなくなるっていうシフトを出したからですよね?

 こういう状況になって、そういう愚痴が出るのは「被害妄想」なのですか?


 ・・・・まぁ、退職した今更、こんなこと言っても意味は無いんですけどね。


 最後だから、その問いかけに答えてあげますよ。

 あなたたちは悪くないです。でも、私も悪くはありません。しいて悪いものがあるとすれば、それはあなたたちも悪いし、私も悪い。どちらかだけが悪いなんてことはありえないんですよ。それはいつも、あなたが言っていたじゃないですか。


 もう、上司はこのブログを見ていないかもしれないし、もしかしたらまだ見ているかもしれない。

 でももう、そんな事はどうでもいいんです。ブログというものは、やはり書きたい事を書くところだと私は思っていますから。そうでなければ言論の自由も表現の自由もないと思います。

 私がブログ中に書いた愚痴をプリントアウトして、わざわざ赤線を引っ張ってきてそれを糾弾した上司。なんの権利があってそんな事をするのでしょうか?私が開店から閉店まで働いていた間も暇だったんですね。うらやましい。


 私は実名であなたや会社の名前を書きましたか?

 私の勝手な被害妄想で書いていたとでも思っているんですか?

 「見る人が見れば分かる」って。日記なんてそんなものじゃないですか?

 アメブロでトップクラスのアクセスのあるブログだってそうじゃないですか?

 ブログを開設している人たちは、常にネタをさがしているんじゃないんですか?


 まぁ、ブログなんて書けない人にはわからないことだとは思うでしょうが。


 数あるブログなんです。まったく関係のない第3者が見て気分を害するのなら、その人は二度と見に来ないでしょう。そういう自由があるのもネットの世界なのです。

 文章を書くことを生業とすることを目指している私にとって、そういうことを曲げてまで文章を書こうとは思わない。文章を書き続けること、それが私の存在の証なのだから。


 ただ、派遣会社の担当者になんの権利があってこのブログを上司に晒し上げたのかは分かりませんけどね。10~20HIT/日しかない、弱小ブログを一体どこから探り当てたのか。しかも人間の掛け算なんてものを書いているオタクブログをね。

 どういう意図でこのブログを晒しあげたかは知りませんけど、それはあなたが意図した結果だったんですか?だったら良かったですね。その代わり派遣会社なんてものは、絶対に信用できませんけどね。


 ともあれ、そういったもの、すべてが私の進む道(ロード)から外れたのです。この先、交わる事は決してないでしょう。

 最後に心残りといえば、今度こそ3月4月の繁忙期に地区で初の1000台店舗にしたかったというのが心残りといえば心残りなのですが。

 それは嫁に出した娘が意思を継いでくれるかもしれないし、くれないかもしれない。

 ま、どうでもいいですよ。そんな事は。


「長い間、お世話になりました」

 その言葉に対する上司の言葉は、何も無かったけど。

 私ががんばってきた事をちゃんと分かってくれていた人たちから「お疲れ様でした」と言われたことが、私にとってはとても嬉しかった。もう、それだけで満足です。そして、私もそういうことを素直に言える人間に、今からなっていこうと思います。でも間違えないでください。私はあなたに言われたからそう思うようになったわけではないんですから。あなたの言葉など、私の中には何一つ残っていませんから。


私は今、新しい人生を歩んでいます。