第5回ONCRIアートコンペの結果と総評について
佐賀の古湯温泉おんくりでのアートコンペ、2次の展示審査に行ってきました。
▼第5回「床の間アートコンペ」 第1次審査結果発表
http://www.oncri.com/news/archives/2540
結果から言うと落ちちゃいました(/ω\)
見栄を張るなら、1次が通った=入選だそうなので、入選です。
審査員の一人が大好きな作家の名和晃平さんで、お会いできるかなと楽しみにしてましたが、
なんと急きょ、別の打ち合わせが入ったとのことで遠隔審査に。
ご本人にはお会いできませんでした。
うん、でもこの結果なら、会えなくてよかったかも。
ありがたかったのは、1作品ごとに総評してもらえたこと。
私は美大卒なわけではなく、正規の美術教育を受けていないので、こういうところで話すことで学んでいるのです。
総評が終わった後も、審査員の人に話しかけて、どういうところを見ているのか、どういう視点が必要なのか、を聞いてきました。
<私の作品の総評>
・優しい作品
・考え方もおもしろい
・素材感が気になった。和紙の良さをもっと生かせるのでは
・もっと広い空間で大らかに見せるほうが合うのでは
・元獣医でメスで切っているという表現力の高さはあり、いろんな可能性をもっていそうだと感じた。
・床の間の空間全体の使い方のバランスも良かった。
・マテリアルが気になった。和紙なら染色するなど優しい手触りにしてもよかったのでは。
ズタボロなことはさすがに言わないのですが、
たぶん、今回の作品の中では下位の分類かなぁという印象でした。
あと名和さんはいつも、作品がその空間にどう在るか、のような空間全体のことを気にするよう。
もしも、アーティストとして立っていきたいなら、いろんな作品を知ることと、
同じ紙を使うにしても使い方に差別化をしていかないといけないというアドバイスをいただきました。
全体的に言われていたのは
「素材感」(他のマテリアルの可能性を考えているか)
「コンセプト」(コンセプトがありきたり、もう少し踏み込めないか)
「『とこのまのこと』という今回のコンペのコンセプトとのマッチング」(既存過去作品を提示するのではなく、床の間のことを考えられているか)
とくに素材感についての指摘が多かったですね。
昨年の最優秀受賞者の方が審査員にも加わっていて、その方があとで言ってた言葉が印象的で。
「現代にこの作品が必要あるのか」
が大事な要素だとのこと。
作家さんみなさん「プレゼンがあまり上手でなくて」ということを割と気にされてましたが、
プレゼンよりも作品の力を重視されている感じだったので、やはり言葉でどうにかはできない感じでした。
それにしても、選ばれないというのは、なんと悲しいことかと。
優れていると言われるものがあるのは、
それ以外が劣っている、あるいはその場に適していないと
言われるということで。
劣っているとされた作品は、もうそのままの形でこの世に日の目をみることはないです。
少なくとも私の場合は。
だから、ぐるぐるっと丸めて押し入れに入れて、再度加工が施されるまではしまわれることになる。
あるいは引っ越しなどを機にポイ。
「選外となりました」という結果をいただくのは、日常で、
でもそれをいただくたびに、受かった人たちをうらやみ、
天才でない自分を悲しく思うのです。
いや、それでも一次に通っただけいいのかもしれない。
応募作のプレゼンボードがすべて公開されていたのですが、
非常にクオリティの高い作品ばかりで、よくこの中で選ばれたな、と思ったほどです。
・・・ってこういう風に、何かと比べて自分を保とうとしている自分もちょっと残念に思うのです。
ああでも、今日いただいた指摘は非常に大事だった。
作品を通じて伝えたいことが抽象的過ぎた。
もう少し具体的なことに落とし込んで、その作品がどうしてその世界の実現につながるのか、細部まで丁寧に見てやらないと。
私のアーティストステートメントは
「治療の代替としてのアートの探求」で、
そのために、ヒトがもっとも苦しむ「死」を世界からなくしたいというのが一つ。
それともう一つ、この世から優劣をなくす、というのを探求内容に加えることにする。
以上、ご報告でした!