次回の課題作、洋画は「あの日、欲望の大地で」、

邦画は「裸の十九歳(岡山映画祭上映作品)」 サブで「のんちゃんのり弁」 です。

上映予定はこちら

次回開催は、11月29(日)13時で場所は未定です。

参加費は無料です。はじめて参加する方は、代表者・小川さん までメール下さいね。お気軽にご参加下さい。みんなで楽しくおしゃべりしましょう!

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2009-06-28 posted by talkaboutcinema

重力ピエロ

テーマ:映画を語る会

6月の「映画を語る会」が開催されました。

まずは「重力ピエロ」について語られました。


映画を語る会 in岡山-重力ピエロ

F氏
一ヵ月以上も前に観たので詳細は覚えていないが、まあまあでしたね。
サスペンスやミステリーの部分が弱く、人間描写に力点を置いた映画でしたね。
DNAの記号だとか、ややこしいのが出てきて、私の頭では理解できなかった。
弟が、レイプ犯の子供だったという、ずごく暗い話なんだけど、そこそこサスペンスやミステリーがある点では、楽しく観れましたね。
俳優もいい。鈴木京香がよかったね。
ただ「重力ピエロ」の意味が分かりずらかったけどね。
まあ、全体的にいい映画なのは分かるんだけど、まあまあといったところに落ち着きますね。


A氏
いまひとつでしたな。
ところどころうまく作ってはいるんだけど、うまく繋がっていないという気がしました。
私はこういった、シリアスな映画なのに、不自然な箇所が多いのはだめなんですね。
例えば、これだけ放火、放火と世間が騒いでいるのに、警察の影が全く感じられないのは不自然だし、家が焼けている中に二人が立っているのに、兄が助けずにぼーっと見ているところなども変だなと思ってしまった。
母親がレイプされて妊娠するわけですが、父親の一言が要因だとは思うんですが、なんで産む気になったのか、あの決心が分かったようで分からない。
もうひとつぴんと来ないんです。
遺伝子がキーワードになっていますが、説明はさっぱり分からない。
ただ、俳優はいいですな。
あの渡部篤郎の憎々しげなところがいい。
ストーカーの女の子もよかった。
ただやはり、背景の底が浅い気がしますね。
あの兄弟がなぜあんなに絆が深いのか、説明不足の気もしますし。
ただ、最初の女子高生を助けるシーンが、後の母親がレイプされたという過去の伏線になっているところはよかったですね。
まあ、全体的にいまひとつで、あまり原作も読みたいとは思わなかったですね。


遥伸也
私はミステリーとしては面白かったんですが、家族の絆を描いたドラマとして捉えると、どうも複雑な気持ちになりました。
確かに、血の繋がりのない兄弟同士の絆には感銘を受ける部分はあるのだけれど、あの決着のつけ方はいいのか?という部分で引っかかってしまって。
あのレイプ犯は非情で、あの兄弟が味わってきた精神的苦痛も分かるのですが、復讐のために至る場所に放火をし、そして最後には犯人もバットで殴り殺す。
それが赦される行為なのか?
そこでどうも引っかかってしまいました。
「最強の家族」というテーマには、どこかそぐわない、この残酷的な結末には、正直違和感を覚えてしまいましたね。
この作品はあくまで、ジャンルはミステリーに分類されるため、物語の設定にやや強引さを感じてしまう点は、致し方ないとは思うのですが。
ただ遺伝子記号を利用した暗号ですとか、あのストーカー少女の伏線の張り方など、うまいなと思う点はありました。
ですから、全体的にはまあまあといったところでしたね。

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2009-06-28 posted by talkaboutcinema

愛をよむひと

テーマ:映画を語る会

次に「愛をよむひと」について語られました。


映画を語る会 in岡山-愛をよむひと

M女史
重量級の作品でしたね。
冒頭から濃厚なベッドシーンが続き、中盤から少年が法科の学生となって、裁判を傍聴したら被告が彼女だったと、こういう展開ですが、戦後ドイツの歴史的な問題が浮かび上がってくるところなど、最初のシーンがこんな風に結びつくのかと、驚きました。
裁判のシーンでは、被告、裁判官、傍聴人の構図がうまいと思いました。
被告を裁く裁判官は、過去に自分もナチスに協力したであろう微妙な立場、そしてそれを傍聴する若い人達は、戦後育ちで戦時中のことを知らないというね。
またブルーノガンツ演じる教授が、過去の法に照らしてどうなのかを裁くのが大切だと言う、裁判に対する考え方の根幹が明らかにされるシーンだとか、最初は清楚な感じに見えたヒロインが、最後は歴史を背負って、厳しい表情になるシーンだとか、印象的なシーンがたくさんありました。
最初の情事のシーンでは、あの少年と、ナチに熱狂した民衆とがかぶりますね。
そしてことが終わると冷めてしまって、最後に責任を感じて、歳老いた彼女の面倒を見ようとはするけれど、愛情なんかはない。ただ義務感だけが残っているだけですよね。
全体的に趣きのある、いい映画だったと思いました。


E女史
最初はセックスシーンが何度も何度もでてきて閉口ぎみでしたが、彼女が去っていった後からの展開はのめり込めましたね。
自分と照らし合わせて考えると、どうして21も歳の差がある男女が、肉体関係にまで発展するのかが理解できなくて、違和感がありました。
それと、ヒロインが自分が罪を背負ってまで、なぜ文盲を隠したがるのかも理解できなかった。
文盲なのは彼女の責任ではないし、努力すれば克服できるはずなのに。
ただだんだんと、いろんなミステリーの部分が解き明かされていくのはよかったですね。
とにかく、映画では私の想像をはるかに越えているシーンが多かったので、もっとよく知るために原作を読みたくなりました。
ただ自殺は、彼女の人生の終わり方としては好きな終わり方でしたね。
彼女は男性にすがっていたいのだが、男性からすると、すでに彼女は過去の人でしかない。
それを実感した時、あれ以外に取れる術はなかったんでしょうね。
そこだけが、唯一理解できるシーンでしたね。


F氏
スティーブン・ダルドリー監督の作品は、「リトルダンサー」など2作品観てますが、どれも気に入ってます。
しかし本来、私は明るい映画が好きなので、こういった暗いタイプの映画はちょっと引きますね。
まあ退屈はしませんでしたが。
でも原作ほどの感動はないですね。
文盲というのは完全にフィクションですね。
文盲だったら、車掌なんか勤まらないし、ましてやSSに採用されることもないでしょう。
レイフ・ファインズが少年の成長した後を演じてますが、彼のシーンではやたらと、少年時代の過去のシーンが出てきますが、ちょっと煩わしかったですね。
最初のセックスシーンも、「エレジー」などのフランスの官能映画に比べると、あんまり美しくなかったね。
まあ私の場合、先に小説を読んでいたので、原作ほどの感動は得られませんでした。
雪のシーンなど、絵的にはいいシーンがありましたが。
ケイトウィンスレットを始めとする出演者の演技もよかったですね。
ただ、重たい映画は好みではないので、まずまずといったところでした。


A氏
最初ヒロインが少年に近付いていったわけですが、自分が文盲だと告白したい何かがあったのか?たとえば、かつて自分が文盲であったが故に、恋に破れた過去があったのかなど、
もっと二人の過去の説明が欲しかったような気がしました。
また彼が裁判で、なぜ彼女を救わなかったのかも分かりませんでした。
彼女の服役後、彼が朗読のテープを送るわけですが、彼からの返事を欲しがる彼女がやるせなかったですな。
学習したことで、より過去の罪を認識することになって自殺したのか、よく分からないが、せつなかったです。
ラストの方で、缶を被害者の遺族に渡すシーンや、お墓のシーンもよかった。
ただ、全体的にうまくまとまっていたとは思うが、泣くまでには至らなかった。
まあ、よくできた映画だったとは思いましたな。


Y氏
フランクフルトからの帰りの飛行機の中で観ました。
これは「愛をよむひと」というタイトルだけど、主人公はただ雰囲気で本を朗読してあげただけで、愛などないのに、変だなと思いました。
もっと淡々と甘い恋愛話が展開されていく作品を期待していたのに、期待と違っていたので、物足りませんでしたね。


F氏
これは邦画のつけ方がおかしいですよね。
原作は「朗読者」だけど、正確には「愛のない朗読者」といったところですね。


遥伸也
いろいろ考えさせられた映画でよかったですね。
最初のセックスシーンは、思春期の少年の抑えきれない性への衝動が生々しかったし、あの女性の謎めいた雰囲気もよかったので、物語にのめり込めました。
そして途中から雰囲気ががらりと変わって、彼女が収容所で看守を務めていて、ホロコーストに関与した過去が明らかになっていく。
戦争は、時代背景で仕方なくホロコーストに関与した者、そして被害に遭った者、そのどちら側にとっても、理不尽な結末を受け入れざるを得ないという、事実の重さをつきつけられました。
単に思春期の頃の、甘美な恋を描いた作品ではなく、戦争のむごさ、それによる贖罪の難しさなど、いろいろなことを考えさせられた、秀作だったと思いました。

2009-05-31 posted by talkaboutcinema

斜陽

テーマ:映画を語る会

5月「映画を語る会」が開かれました。
まずは「斜陽」について語られました。


映画を語る会 in岡山-斜陽


A氏
つまらなかったですね。
私ははずれの映画でした。
評価できるのは、映像的にきれいなシーンがところどころあったこと。
ストーリー的には、思わせぶりな所がたくさんあって、わけが分からないですな。
引越しで、市電を使って遠距離を移動するのは不自然だし、温水氏の演じる先生の、一体どこに魅力があって、女性が惹かれるのかよく分からない。
キャラクターとして、高橋ひとみはマシだが、サトエリはお嬢様の雰囲気が合っておらず、違和感がありました。
映像を観れば分かるのに、わざわざ説明的なセリフがあったり、ツッコミどころ満載。
地元の岡山がロケ地になっていたところは、ロケ地めぐりができてよかったと思ったが…


K女史
原作がすごく好きで、原作に登場する女性のキャラは皆魅力的であり、期待していたが、サトエリはちょっとキャラが合っていない感じがしたし、母親役の高橋ひとみも、みかけだけが上品で、しっくりこなかった。
サトエリが惹かれる男性も、描き方が中途半端。
現代が舞台ということだが、レトロな家が出て来たと思ったら、都会のマンションが出てきたり、全体的に造りがちぐはぐで、おかしくなっていると思った。
後楽園の藪でロケをしたという、蛇の卵を焼くシーンは、衝撃的でよかった。


F氏
あんまりよくなかったね。
スクリーンだが、映像の比率が合わなくて、下が切れてしまっている。
スクリーンサイズはきちんと合わせないとね。
そもそも原作が昭和22年に書かれたもので、まだ貴族制があった時代が変化して行くという背景があって、物語が描かれているので、それを現代に置き換えても、ちぐはぐな話になるだけ。
キャスティングもよくない。
温水氏は原作とはキャラが違いすぎて、どこに魅力があるのか分からない。
なのに、奥さんはとびぬけて美人なので、違和感がありすぎる。
デジタル映像は確かに色は綺麗だが、奥行きがなく、絵葉書を見ているよう。
戦後の話なのだから、やはり舞台もちゃんと戦後で描かないと、よくない。
制作費の問題もあるだろうが、とにかく「斜陽」というテーマは今の時代には合わない。
「革命と恋愛の自由」を描いた太宰の作品とはテーマが違ってしまうし、「時勢の変化」が描かれないと、この作品の映画化はうまく行かない。
いいのは、岡山でロケをしたシーンが出てきたところ。
後楽園の竹やぶや、市電のシーンはよかった。
とにかく、映画にするのなら、あの時代にしないとだめ。


U女史
1時間10分ほどで終わってよかった。
太宰治には興味がなく、作品自体知らなかったが、最初のサトエリのセリフで、どんな映画なのかがすぐに分かった。
そのセリフで、最初から引いてしまったため、作品との距離ができてしまった。
後半は音の調整が悪く、よく聞き取れなかった。
とにかく、久しぶりに、観るのが苦痛な映画だった。
サトエリ、高橋ひとみが、なぜ出演したのか?不思議に思った。


M女史
「シベリア超特急」と競うくらい、私には最悪な映画。
「生誕100周年」というロゴのデザインがよかった。
まあ、他の方が言われてましたが、時代設定は脇に置いておくとしても、セットに金持ち感が出ていなかった。
食事のシーンも食器が安っぽかったし…


遥伸也
私は初日の舞台挨拶を拝見しました。
監督と高橋ひとみさん、それに元宝塚の初嶺磨代さんが来館され、撮影の裏話などを約20分ほど話して頂きました。
サトエリさんが来てれば、もっとテンションが上がったかもしれませんが、高橋ひとみさんも綺麗な方だったので、間近で観れてよかったです。
で、作品はと言うと、デジタル映像は、写真集を観ているようで、綺麗でよかったですが、他の方も言われた通り、やはり映像と文学的な色調を表現することに主眼が置かれていたせいか、時代背景とのギャップや、キャラクター設定に違和感を覚えたことなどが要因で、物語に入り込むことができずに終わってしまいました。
やはり、変化して行く時代の流れに翻弄されながらも、未婚の母として自立して行くヒロインのたくましさ。
それこそがこの物語のテーマであると思うので、終始、表面的な「美」に翻弄されただけで、物語の肝心の「テーマ」には置いてきぼりを食ってしまったという感じでした。
普通の撮り方でもいいので、長編にしないと、なかなかこの作品を映像で描ききるのは難しいですね。
それを実感しました。

2009-05-31 posted by talkaboutcinema

グラン・トリノ

テーマ:映画を語る会

続いて「グラン・トリノ」について語られました。


映画を語る会 in岡山-グラン・トリノ

M女史
たぶん、主人公以外を演じているのは、素人の役者さんばかりじゃないでしょうか。
チャン・イーモウ監督の作品に似た造りですね。
モン族のお姉さんが、人種差別の固まりみたいな老人の心を動かして行くんですが、あの女の子は魅力的でよかったですね。
最後に、ああならざるを得なかったんだろうか?別に解決の仕方はなかったんだろうか?といろいろ考えさせられました。
単調なストーリーながらも、今のアメリカが進もうとしている道だとか、政治への問い掛けだとか、いろいろなテーマが織り込まれていて、感慨深い映画でしたね。


U女史
クリント・イーストウッドはさすがいぶし銀といった感じでしたね。
映画作りのセオリーをきちんと持っていて、こうしたらよくなるとか、落としどころをちゃんと理解して作っているんで、まさに映画人が作った映画になってますよね。
映画の中の主人公は、頑固一徹で、自分はきちんと生きていて、人には絶対に頼らないけど、頼られたくもないというスタンスで、他人から見ると苦手扱いされているんだけど、観客として彼を観た場合、きちんと生きている人に見える。
映画の中の人々と、観客としての自分に、こうもはっきりと違いを感じた映画は初めてですね。
グラン・トリノは彼自身の象徴みたいですね。
周囲の人々は軽いノリで生きている人間ばかりで、自分とは違う。
だからそんな人間にグラン・トリノを触らせたくない。
今の人達は物をすぐ使い捨ててしまう傾向があるけれど、高いけどいい物を買って長く使うという、今とは違った生活感もいいなと、教えられたような気がしました。
宣伝に衝撃のラストとありますが、私はあまり衝撃とは思いませんでした。
あの人らしくて、当然だと思いました。
とにかくうまい作り方ですね。というか、うますぎますね。
こうやればいい映画ができるというパターンを心得ている。
まあ、面白くて、いい映画でした。


F氏
とにかく、差別用語がいっぱい出てきますね。
「ニップ」なんて日本人をばかにしたような言葉とか、スラングが多かった。
日本車に乗ってるのが悪い人間ばっかりだしね。
最近、アメリカではアジア人の人口が増えている傾向にあるから、そんな時代背景がうまく反映されているね。
とにかく脚本がいいね。
C・イーストウッドは常に拳銃を持っているんだけれど、それはちゃんとラストシーンの伏線になっていたり、死に装束を縫っていたりするシーンも伏線になっている。
隣に越してきたモン族の家族と仲良くなって、人間性に目覚めて彼らを助けるという、甘いお話ではあるんだけれど、まあいい映画でしたね。
「チェンジリング」や「ミスティックリバー」など、イーストウッド作品は暗いのが多いので、あまり好きではないけれど、これはよかった方ですね。


K女史
しみじみとさせられた映画でした。
映画としてはシンプルで派手さはないけれど、ラストは男の人生の総決算みたいな感じで、しみじみとしました。
主人公は、建設的な方向へなかなか持っては行けないけれど、そのエネルギーは持っていて、使いあぐねている。
息子には機嫌を取りつつも、なかなかうまくコミュニケーションが取れない。
そんな男らしさの大変さ、生きづらい部分がうまく描かれていました。
最初は東洋的な物を卑下していたけれど、最後はその東洋人であるタオにグラン・トリノを託し、差別を乗り越えて、本当に大切な物は何かを描くラストになっていました。
最終的に大切な物とは、暴力ではなく、弱い人達を体を張って守るということなんでしょうね。
まさに生き方自体がグラン・トリノ。
彼は伝統的で美しい、男の美学に行き着いたといった感じでしょうか。
それをまだ不器用な少年達に託して逝く。
男の人生の総決算を見たなという感じで、本当にしみじみとさせられた映画でした。
よかったです。


A氏
大感動した映画ではないが、いいとは思った。
まあ、理屈ではいい映画といった感じですね。
C・イーストウッドの映画では「硫黄島からの手紙」の方が泣けたのでよかった。
出だしは、息子とか孫とかのやり取りがコミカルで面白かった。
話としては、隣のモン族の家族と関わりあって、理解を深めていくというヒューマンドラマかと思ったが、まさかあんなラストになるなんて意外だった。
「イエローは計算が得意」とかいった、セリフに今のアメリカが抱えている、様々な問題が織り込まれていて、脚本はよかったと思った。
あのラストも、暴力の連鎖を断ち切る手段としては、うまい納め方だと思った。
とにかく、理屈ではいい映画だが、私としては、もっと泣きが欲しい気がした。


遥伸也
よかったです。
今年観た洋画のベスト10に入ると思いますね。
とにかく頑固な老人が他人との関わり合いで、人間性や優しさを取り戻して行くという、そんな単純な映画ではなく、男の死に様とは何かを描いた、生々しい映画だと思いました。
これはC・イーストウッドの現在の心情が反映されているんではないかと思わせるくらい、人生のけじめのつけ方を描いた映画だと思いましたね。
主人公の戦争体験を物語るセリフが幾度となく出てきますが、過去の戦争シーンが映像という形で描かれてなくても、主人公の背景にある壮絶な戦場の記憶が、イーストウッドの演技やセリフで十分に理解でき、また戦争で多くのアジア人を殺したという贖罪の念も、裏にあることが彼の態度から滲み出ていて、そんな彼が、モン族の家族との関わり合いで、態度を軟化させて行くプロセスが、何の違和感もなく、リアリティを持って伝わってくるところは、さすがイーストウッドの演技の重みのなせる技といった感じで、すごいと思いました。
ラストで撃たれるシーンは、彼の人生が頭の中に、一瞬、観ている私の頭の中にも、走馬灯のように駆け巡った感じがして、見事でした。
このシーンを観て、一言では言い表せない、人生についていろいろなことを考えさせられました。
主人公が友人のために選んだ死に様。
まさにそれが彼の人生の集大成であり、壮絶なラストではあるけれども、悶々としながら生きてきた人間が、ようやく自分の生きる意味を見出せたという、不思議と祝福したくなるような気持ちにさせらました。
とにかくうまいなと思う所ばかりで、とてもよかったです。


O氏
私もいいと思いました。
深いことを、さらりと撮ってしまう。
これはすごいことだと思いましたね。
また友人の弁ですが、「葬式」に始まり、「葬式」で終わるところなんかは、誰かに引き継ぐことができれば、生きるということはそれでいいんだというメッセージを感じて、よかったそうです。
とにかく、深い所をさらりと描くのは、すごいことですね。

2009-04-29 posted by talkaboutcinema

スラムドッグ$ミリオネア

テーマ:映画を語る会

4月の「映画を語る会」が開催されました。
まずは「スラムドッグ$ミリオネア」について語られました。


映画を語る会 in岡山-スラムドッグミリオネア

A氏
よかったです。
貧しい人々が苦い経験をして、最後には幸せを掴むという話は、確かにありふれてはいますが、この作品に関してはなかなか構成がうまくて感心させられました。
まず貧しい子供がでてきて、苦労するという話は、私的には涙腺が刺激される設定ですしね。
ハッピーエンドで感動させる、愛と勇気の物語で、観た人が元気になれる類の作品だと思います。
シーンとしては、大別して3つに分かれますよね。
クイズの解答をするシーンと、警察での取調のシーン、そして過去の回想シーン。
その3つがうまく繋がっていて、うまい撮り方をしていると思いました。
ただ過去のシーンはカメラがぶれるので、しんどいと言えばしんどいですが。
イギリスの映画監督がインドで撮った作品なんですが、インドの厳しい現実を撮りながらも、子供達が生きて行く様がユーモアも交えながら描かれているところがいいですね。
あの兄の心の変化もうまく描かれていたし、クイズの司会者が、頭の中でついみのもんたとだぶってしまいましたが、彼のしたたかさもうまく描かれていたのも面白かった。
ラストは彼女が電話で解答をしてはずすのかと思ったが、予想に反してハッピーエンドだったですね。意外でした。
とにかく低予算ながら、よく頑張って撮ったと思いましたね。


K女史
もの凄く、かきたてられた映画でした。
確かに話としては、王道とも言えるような物語でしたが、インドという、不思議な変化をしてきた、複雑な土壌が背景にあったせいでしょうか。
とにかくよかったですね。
特に兄の存在がよかったです。
兄の成長していくにつれ、権力とお金に染まって行くところとか、最後は一番大切なものは何かに気付くという、あの変化の描き方がうまいと思いました。
現実的にはお金が欲しかったと思わせるような最後でしたが、あの兄がいたからこそ、ハッピーエンドになったんだと思います。
スラムの貧困な生活を送る人々の現状だとか、ラブストーリー的な要素だとか、サクセスストーリーの要素もあり、とにかくいろんな要素が盛り込まれていて、どんどん引き込まれましたね。
クイズミリオネアを使って、あんなドラマを作り上げて行くとは、なかなかうまいなと思いました。


M女史
私もよかったです。
ストーリーも人物造形もよかったですね。
あの食えない司会者や拷問を見て見ぬふりをする警部だとか、描き方がうまいです。
あの兄も、最後には家族を守る選択をし、お金をばら撒いて果てるんですが、悲しさが滲み出ていた。
ラティカが駅で、主人公を見上げるシーンは綺麗で印象的でしたね。
インドの人たちが、クイズミリオネアに熱狂する様もうまく描かれていた。
とにかく私的には、破綻していない流れの映画でした。
ただ最後の踊りのシーンがでてきた時には、少しひきましたが。


F氏
私はそんなに感激はしなかったですね。まあ、面白いと言えば面白いですがね。
まあ、イギリス映画だけど、インドで作られた娯楽映画だね。
出演者の紹介とも言えるラストの踊りは、インド映画では絶対出て来る、お約束みたいなものだから、最後でインド映画らしさを出していたね。
ただやはり、インド映画ではなくて、完全にハリウッドスタイルの映画ではありますね。
ダニーボイルはカッティングの切れが早いね。人情にどっぷりとつかるというスタイルの映画というよりは、スピードの映画だね。
インドの美術、音楽はよかったですが、ああいうカースト制度の貧富の差が激しい所には住みたいとは思わないね。
まあ、娯楽映画としては、まあまあよかったといっところですかね。


O氏
私はこの映画の観方がよく分からなかったです。
あのラストの踊りで、ああこれはインド映画だなと思うことができたので、あれはよかったと思いますが、もっと突き抜ければいいのにと思いました。
あんなハッピーエンドで終わるんだったら、兄も死ななくてもよかったんじゃないのとか、
なんか中途半端な映画だったと思いましたね。
まあ、個人的な意見なんですが。


U女史
すごくよく練られた映画だと思いました。
最近、現代と過去、そして未来を行ったり来たりするスタイルの映画が多くて、分かりづらい作品が多々ありますが、これは分かりやすくてよかったです。
大好きなタージマハルが出てきたのもよかった。
ラストの踊りは出てくるのでは?と思っていたが、やはりお約束通りでてきたので、やってくれたなと思った。
まあいい映画だとは思いますが、ベスト1というほどではないです。


K氏
よかったです。
最後は号泣してしまいました。
テンポもいいし、ロックの音楽もいい。
私的には、最高傑作と言っていいほどの映画でした。


遥伸也
私もよかったです。
ただ、大絶賛というほどではないですが。
アカデミー賞を取ったということで、重たい映画かなと、ついかしこまって観てしまいましたが、これは完全に娯楽映画でしたね。
クイズの解答と主人公の辛い過去が回想シーンとして、シンクロして描かれて行くという構成は面白いし、またそれと同時に、なぜこの主人公がクイズ番組に出演したのか、その理由が明らかになって行くので、ついつい映画にのめり込んでいってしまいます。
最後の踊りのシーンを観て、本質は踊りあり、アクションありといった、今までのインドの娯楽映画を、すごくまじめに撮った映画なのだなということに気付きました。
話も絶対にありえない話だし、ハッピーエンドもできすぎた感はありますから。
一見シリアスなドラマに見せかけた、実は荒唐無稽なファンタジー映画であり、いい意味で誤魔かされた感じがしました。
辛い体験もいつかはお金に結びつくといった、寓話的テーマもあり、またラストで登場するメッセージ、答えは「運命」だったというくだりなどは、壮大な大河ドラマを見せられたような満足感を与える効果があって心憎い。
また随所に、全身が青い仏像のような子供とか、駅でラティカが佇むショットなど、印象に残るシーンがでてきて、映像的にもなかなかいいですね。
とにかく、最近のアカデミー賞を取った映画にしては、なかなか面白い作品でしたね。

2009-04-29 posted by talkaboutcinema

ノン子36歳 家事手伝い

テーマ:映画を語る会

続いて「ノン子36歳 家事手伝い」について語られました。


映画を語る会 in岡山-ノン子

O氏
よかったです。
理屈ではなくて、とにかくエロいことが出てきて、なんのことはないヒヨコが出てきて、なんのこともなく時間が経つという感じなんですがね。
普通の映画で、これだけエロティックな作品は久々に観ましたね。
ただ私小説的な作品にかたより過ぎている感じはしますが、私的にはよかったです。


F氏
私もよかったですね。
最初の和風スナックで二人が語るシーンから始まりますが、とにかく物の語り方がすごくいい。
自転車で蛇行しながら走るシーンから、列車が蛇行するシーンへと続くところなど、映像の繋ぎ方もうまい。
坂井真紀が30代半ばの女性を体当たりで演じてますが、最初から最後までたばこを吸っている、あの寂しい感じがうまく出ていて、よかったですね。
ドメスティックリアリズム、生活観のある描写も卓越。
とにかく人間がリアルに描かれているし、語り口がうまい。
よかったです。


遥伸也
正直、つまらなかったです。
ただ、それ故に、逆に心に残る映画となりましたが。
主人公の女性はあまり一般受けするタイプではなく、かなりマニアックな感じがしました。
ある雑誌のインタビュー記事で、「36歳の女性の青春映画」とこの映画のことが紹介されていましたが、青春映画にしては爽快感はなく、トホホな感じがして、何が言いたいのか分からないまま終わってしまったという感じ。
ただ、坂井真紀さんは、トホホなんだけど、どこか捨て難い魅力をもった大人の女性をうまく演じていて、すごく個人的には魅力的でした。
だからそのおかげで、金返せもんではなかったですが。
それからラストの、成長したヒヨコとの再会シーンは、明るい前途が想像されるような描写で、とてもよかったと思いました。


K女史
私ははまりました。
熊切監督は好きな監督で、「アンテナ」もよかったですが、これもいいですね。
この主人公の女性に、すごく感情移入できました。
なんで男の監督が、ここまで女性のことが分かるんだろうか?と驚きました。
さんざん傷付けられて毛嫌いしている元夫なのに、体を許してしまうプロセスだとか、部屋に入っていきなりキスしようと言ったりする、あの複雑な感情の変化が、すごくうまく描かれていると思いました。
この映画はなんだったんだろう?と思いもしますが、ときどきでこぼこにはまってしまうと、どうしようもないという感じがうまく描かれていると思いました。
ラストの池にはまるシーンも、自然との一体感が描写されていてよかった。
ポスターには、実際には映画に登場しなかった、水に浮かんでいるシーンが描かれていますが、これもいいですね。
これが、監督が一番描きたかった、心象風景なのかもしれない。
何ていうことはないけど、大事な物のような気がします。


A氏
じわっと来るいい映画でしたな。
マニアックにいい映画といったところでしょうか。
とにかく主人公のノン子の繊細な心理描写がうまかった。
最初はふてくされていましたが、テキ屋の青年と出会って、少しずつ変わっていくところがうまく描かれてました。
一緒にヒヨコを追いかけたり、肩車しておみくじを枝に結ぶところなど。
ラストで鶏を抱えてどぼんと水にはまる頃には、自転車の漕ぎ方もおだやかに変わってましたしね。
あのテキ屋の若者が事件を起こした後、手を引っ張られて一緒に電車で遠くへ行くけれど、やはり現実がよく分かっていて、故郷へ戻ってしまう。
その辺りのシーンも、うまく心情が描かれていてよかった。
とにかくいろんな出来事を経験して、彼女が変わったことが窺えるラストはいいですな。
好感が持てる映画でした。

2009-04-04 posted by talkaboutcinema

カフーを待ちわびて

テーマ:映画を語る会

3月の「映画を語る会」が開催されました。
まずは「カフーを待ちわびて」について語られました。


映画を語る会 in岡山-カフーを待ちわびて

Y氏
設定が不自然な話ですよね。
絵馬を見て島にやって来るなんて、絵に書いたようなべたな話で、どうも現実的ではなく、実感がわかないです。
男もいい男だし、母親の話もみえみえだったし、ひいて観てしまった。
どこがいいのか分からないです。
今ひとつの作品でしたね。


A氏
非常に不自然なストーリー展開でしたね。
私も今ひとつでした。
あの女性が夫の連れ子だったなんて、明かされるまでは分からなかった。
それにしても、まともに作ろうとしている映画で、あれだけ不自然な作品も珍しい。
あの女性が突然帰ってしまったり、隠さなくていいようなことを隠し続けたり、手紙でわざわざ告げなくても口で言えばいいのに、どうも説得力がないシーンが多かった。
それに民家のある場所は通常開発しないはず。
イメージだけの映画でしたね。
マイコは個人的には応援したい女優ですが…


O氏
確かに変な映画だとは思いますが、それなりにあれでいいのだとは思いますね。
紋切り型ですが、みんなあれでやってるんだからいいじゃないとは思う。
夢のような映画で、あれはあれでよかったんじゃないですかね。


K女史
私は爽やかな気持ちで観終えることができたので、よかったと思います。
たまにはこういった、軽くて爽やかな映画を観るのもいいなと思いました。
玉山鉄ニは陰があって、内面的な複雑さが出ていたので、よかったと思いました。
ただセリフで気になるのがありました。「幸せ」ってどういうの?という問いに対して、「周りの人が幸せだから幸せ」と答えるシーンがありましたが、これは出来過ぎだと思いました。
そうなんだけど、そうじゃない、両方を見せて、最後にやっぱりそうだと思わせるような作品がいいと思います。
まあ、確かに綺麗過ぎて物足りないとは思いましたが、こういう爽やかな気分にさせてくれた映画は久しぶりだったので、私はよかったです。


Y女史
まあ、これはストーリーをけなすタイプの映画じゃないので、いいんじゃないですか?
娯楽として安心して観られるからね。
深みがあるかどうかと問われれば疑問だけど、まあ楽しめたからいいんじゃないですか。


E女史
私は映画は観ていませんが、原作を読みました。
映画の役者陣を見て、原作と合っていないような気がしたので、観るのをやめました。
原作では、私のイメージでは主人公は、玉山鉄ニのようなタイプではなく、うじうじした肉食系の男で、どっちかというと佐藤隆太が合っているような感じがしますね。
それと女性もマイコでは綺麗すぎのような感じがして、どつちかというと仲居のできる体型が崩れた感じの人がいいと思いました。
小説はとても爽やかな感じがしていいと思いました。


K氏
話が綺麗すぎな感じはしましたけど、よかった。
マイコさんがよかった。それくらいです。


遥伸也
ひと昔前に観ていたら感動したと思うが、今の時代に改めて観たら、あまりにベタな話で、今ひとつしっくりこなかったですね。
確かに雰囲気は素敵ですし、悪い映画ではないですから、デートムービーとしてはいいかもしれないですね。
同じベタな恋愛ものでも「恋空」とか「赤い糸」の方がまだスリルがあって、面白かったです。
この映画はただのおとぎ話で終わってしまって、ハッピーエンドはいいが、インパクトが弱すぎる。
玉山鉄ニみたいなイケメンが、どうしてあんなに卑屈な生活をしているのか、リアリティがなかったし、男の方が勝手に勘違いして、女性を遠ざけてしまい、後で後悔して追いかけるという展開は、あまりに定石すぎて、鼻白んでしまった。
ただマイコさんはいいと思いましたので、今後が楽しみな女優さんだと思いました。
絵馬を偶然見つけるという展開も、もう少し根拠となるつながりがあった方がしっくりしたと思いましたが、この辺は好みの問題でしょうか?

2009-04-04 posted by talkaboutcinema

チェンジリング

テーマ:映画を語る会

続いて「チェンジリング」について語られました。


映画を語る会 in岡山-チェンジリング

Y氏
あの雰囲気はすごく好みでした。
とにかく見応えがありましたね。
アンジェリーナ・ジョリーの魅力に引き込まれましたね。
絶望的な状況の中、彼女の強い想いに魅せられて、多くの人が手を貸してくれる、あの一人じゃないってところがよかったですね。
とても好きな映画です。


U氏
私はクリント・イーストウッドの映画を観ることが、自分の使命だと思っているくらい、彼が好きなんです。
もう映画の冒頭を観たとたん、これは他の映画とは格が違うと思いましたね。
とにかくキャスティング、画面作り、どれを取ってもすばらしいです。
アンジーは、今回は受身の姿勢の作品でしたが、女性が観たらどういう感想を持たれるか、とても興味がありますね。
処刑のシーンには驚きました。ああ、ここまできっちり描くんだなって。
これほどまでこだわるとは、ある意思を感じましたね。
いろんな人の力を借りて、人間は生きてるんだなっていう映画ですね。
もう次元が違うような感じで、ひれ伏して観たい気分でした。
傑作です。


E女史
私もクリント・イーストウッドは好きなので、観ないといけないと思いました。
すばらしい映画だとは思いました。
ただ、子供がああいう仕打ちを受けてるなんて、フィクションならまだ気持ちが重たくはなかったですが、これが事実だと聞くと、心理的に打ちのめされた感じがします。
役者の演技が素晴らしいので、余計にそう感じたのかもしれませんが、とにかく痛感神経だけでは感じられない辛さをひしひしと味わいました。
題材が辛すぎて、いいのか、悪いのかという問題ではなく、人間がそこまでやれるのか?という問いに押し潰され、非常に疲れてしまいました。


Y夫人
いい映画だったです。
殺人鬼がいたり、偽者と分かっていながら警察が本物に仕立て上げたり、とにかくこんな世の中にしちゃいけないんだという、義憤を感じましたね。
もっと性教育が必要なんじゃない?とか社会的な問題を訴えていて、ムカムカしながらも、こんなことの起きない、いい世の中にしなきゃならないという思いにさせられました。
たくさんの人に観て欲しい作品だと思います。


K女史
確かに義憤もありましたが、女性として勇気をもらえる映画だと思いました。
権力の仕組みに対する疑問といったテーマなど、普遍的な作りではありますが、ああいう時代にあんなことがあったんだということを知ることができました。
とにかく見応えがあり、時間を感じさせられなかった。いい映画でした。


O氏
友人のNさんもよかったと言っていた。
取り返しのつかないことが世の中にはあるんだということを思い知らされましたね。
映画にはストーリーがある映画と、映像だけで何かを感じさせるタイプの映画がありますが、これは映像だけでも何かを感じさせられる力を持っている。
冒頭からそれが出ていましたね。
まさに「映画」がここにあるといった感じがして、非常に稀有な傑作だと思いました。
確かに死刑のシーンもきっちりと描いていましたし、とにかくきっちりと描きたいんだというこだわりというか、強い意思が出ていましたね。


A氏
最近のハリウッド映画は軽いのが多いので、あまり観てはいないが、これはよかったです。
「ミスティック・リバー」とか「ミリオンダラー・ベイビー」はそんなにいいとは思わなかったが、これは別格だと思った。
今の時代を反映してか、最初は警察の不正を告発するタイプの映画だと思ったが、最終的にはそうではなく、母親と子供の絆を描いた映画なのだなと思った。
日本でも桶川事件のように警察が協力してくれない事件があったり、昔は精神病院で電気ショックが日常的に行なわれていて、なかなか簡単に退院させなかったりした時代があったりと、日本と通じるものがあるので、いろいろなことを考えさせられましたね。
トランペットの音が心地良く、音楽的にもよかった。
クリント・イーストウッドはいろんな才能を持っているんだなと思った。


遥伸也
恐らく今年の洋画ベスト10に入ると思います。
1920年代の時代や空気が、映像で実にうまく描かれていると思い、冒頭からぐいぐいと引き込まれてしまいました。
シチュエーションのショッキングさは半端でなく、これがフィクションだったら違和感があったかもしれないが、「事実だ」という前提は実に強い。
クリエイターとしては、いい題材に恵まれたなと思います。
とにかく子供がいなくなるという点ではサスペンス、不正と戦うという点では社会派ドラマ、殺人鬼の所業を描く点ではスリラーと、ありとあらゆるジャンルの面白さが詰まっていて、これを違和感なく、一本の映画にまとめている手法はすごい。
最初から最後まで、誰しもが映画に引き込まれてしまうでしょう。
時間の長さが感じられないのも納得。
とにかく、すごい映画だと思いました。

2009-03-08 posted by talkaboutcinema

遥伸也の映画日記 2009(3)

テーマ:映画感想

ジェネラル・ルージュの凱旋(2009.3.8 岡山メルパにて鑑賞)



映画を語る会 in岡山-ジェネラル2

前作「チームバチスタ~」が、いまひとつの出来だったのですが、本作は数段よかったです。
前作は、竹内結子さんと阿部寛さんのキャラは味があってよかったのですが、肝心のミステリーの部分がしっくり来なかったのが難点。
で、本作「ジェラル・ルージュの凱旋」もうったてはミステリーなのですが、どちらかというと「現代の医療現場が抱える問題」を描いた社会派ドラマとしての色調が強かったせいか、人間ドラマに厚みが出ている分、面白さが数段増しています。
今回も、竹内結子さん演じるお人よしの田口公子が、院長の依頼で、内部告発文書の真実を確かめるため嫌々ながら調査に臨むという展開です。
そして観客は彼女の視点を通じて、一癖も二癖もある医師たちの証言から、徐々に明らかになっていく病院内の裏事情に釘付けになっていきます。
それはいくらフィクションとはいえ、病院という、我々が生活をしていくうえで切っても切れない場所の中で、実はこんな事が起きているという、問題提起とも取れるからです。
竹内さん演じる田口公子が、ほわーっとした頼りないキャラなので、観客が彼女にすんなりと感情移入できるところも、さすがうまく作っているなと思いました。(ただ、彼女が病院内の人間なのに、極端に院内の裏事情にうといというのは違和感がありますが)
そして阿部寛の存在感もさることながら、本作の一番の立役者は、何と言っても堺雅人さんでしょうね。冒頭ではあの含みを持ったニヒルな笑みから、「ジェネラル」と呼ばれる男の、謎めいた人間の深みが滲み出ていましたし、事実の全容が明らかになった後半部分での熱い演技も、胸に迫るものがありました。
また脇を抱える羽田美智子さん、高嶋政信さん、尾美としのりさんなど、登場する役者さんたちも皆、それぞれ個性が光っていました。
とにかく謎めいた魅力を持つ、「ジェネラル」を取り巻く人間模様に、終始見入ってしまいましたね。
ただやはり本作は、一応殺人事件は起きるものの、ミステリーとしての面白さは薄いので、それを期待して観ない方がいいとは思いました。
(でも「なぜルージュなのか?」という謎のオチはよかったですね)
観終わった後、ほのぼのとした気持ちになれるところもいいです。
今回はお薦めだと思いました。

映画を語る会 in岡山-ジェネラル

2009-03-08 posted by talkaboutcinema

遥伸也の映画日記 2009(2)

テーマ:映画感想

ヤッターマン (2009.3.7 TOHOシネマズ岡南にて鑑賞)


映画を語る会 in岡山-ヤッターマン

一体、こんな映画を作ろうなんて、誰が発案したんでしょうか?
いくら映画界も、ネタ切れ状態とは言え、「ヤッターマン」を実写にしてしまうとは…
と、なかば呆れながらも、深キョンの「ドロンジョ姿」に惹かれて、ついつい鑑賞してしまいました。
で結果はと言うと、これが予想に反して(?)なかなか楽しかったですね。
まあ、あくまで遊び心で作られた映画というステイタスを理解したうえで、という前提条件がつきますが、評価できる出来栄えだったと思いますよ。はい。
とにかく、何が一番楽しかったかと言うと、昔のアニメで登場したお馴染のシーンが忠実に再現されているところですね。
もう、出て来るたびに懐かしさと共におかしさが込み上げてきて、何度も声を出して笑ってしまいました。(あの「おだてブタ」も登場)
特に劇中で流れる、あの「天才ドロンボー」の歌、懐かしかったですね~
あのナレーションもちゃんと入りますしね。「ここで説明しよう~」「~週に一度変身して戦うのだ」とか。

あのボヤッキーの「ぽちっとな」とか、とにかくお決まりのフレーズやセリフもそのまんま。いいですね。
とにかく、アニメの世界で繰り広げられた、ヤッターマンとドロンボー一味の、あのお馬鹿な決戦シーンが、今度は実写で、贅沢なCGを使って、これでもかとばかりに繰り広げられます。
もちろん、あの自爆ネタやお仕置のシーンも健在。いやはや懐かしい。
ヤッターマン世代の人が観たら、絶対楽しめる出来栄えですね。
ただ、「ヤッターマン」を知らない今の子供達も大勢観にきていましたが、さすがに最初はこの世界に入り込めず、戸惑い気味のようでした。(笑うとこなのに、皆しーんとしていました)
ですが、映画が中盤に入った頃には、この世界にようやく溶け込めたようで、笑いがあちこちで起きてました。
ちなみにこの映画、意外や意外、あのバイオレンスアクションを得意とする三池崇史監督作品。
でもさすがに今回は、あの監督の色はあまり前面に出てませんでしたが、監督もヤッターマン世代なのでしょう、アニメの世界を再現しようというひたむきさが、ひしひしと映像から伝わってきました。
とにかくヤッターマン世代の大人はもちろん、知らない子供達まで、家族そろって楽しめる映画です。(下ネタもありますので要注意)
それからエンドクレジットの後で、「次回予告」のサービス映像が出てきますのでお見逃しなく。
(ただおふざけなので、本当に映画の続編があるのか否かは不明)


映画を語る会 in岡山-深キョン

※映画を色で例えると 

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