小幌駅のホームに降り立った瞬間、ひざまで雪に埋まりました。でもこれは想定範囲内。
普通列車はここで一息入れた後、ゆっくりと出発。再びトンネルに吸い込まれたのでした。
列車が行った後、まず耳に入ったのが小川のせせらぎ音。
自然の音しか聞こえてこない、まさに秘境です。
ロケーションとしては東西に向かった線路にて、東側も西側もトンネル。
小幌駅はその間の数十メートルの明かり部分にあります。北側は山がせり出しています。
唯一開けているのが南側。
通常徒歩10分程度で太平洋に到達、ごくまれに釣り人がやってくる事から小幌駅は存続しているのだと言う。
でも今の時期は・・・
帰りの列車が来るまで20分。
ザッと見渡して思ったのは・・・
反対側のホームに20分で行けるのか!?
運転手さんが言っていた言葉の意味を知り、恐怖感が襲ってきました。
ホームは目の前だけど、どこを通れば安全にたどり着けるのだ。
何もかもが雪に埋まり、大きな段差や溝なんかが全てわからない状況になっている。
間違って大きな溝にはまろうものなら、救助もままならず命の保証が無い・・・。軽くヤバイぞ、これは。
ちなみに携帯も圏外!!
↓長万部方面の駅名票を撮る。・・・が心がソワソワし始めている。
でもネットで調べた限り、線路近くに障害物が無い事はわかっていたのでその記憶を頼りに、反対側ホームへの大冒険が始まったのでした!(・・・やや大げさか)
↓長万部側にある小屋。人の気配は無い。(だって足跡が無いもん)
小屋の中の様子をカメラに収めようと、少し線路から離れた瞬間!!
ズボボボボーーー!
右足がはまったー!
雪が腰の辺りまできてデジカメに雪が付着しました。
冷静にジタバタしたら(何じゃそりゃ)何とか抜け出し、デジカメをティッシュで拭いて撮影再開。
ただし線路から離れての撮影は断念せざるを得ませんでした。
小屋の脇に構内踏切があり、夏場は踏切伝えに楽勝で反対側にたどり着けるんでしょう。
でもね。
↓踏切遮断機が雪で埋まってるんですよね。これにはマジで面食らった。
↓線路上にわずかに見える踏切板。これに沿って反対側へ・・・って言われても。
踏切遮断機のこっち側と反対側を一直線上に見立て、カンで何とか渡りきりました。
(実際は、渡るというよりまっさらな雪へ踏み込み進む、の方が近い)
↓東側(東室蘭方面)のトンネル。右奥のホームが先ほど居たところ。
結果としては10分程度で渡ってこれました。でももう私、動きたくなかった。・・・し、その判断が間違っていなかった。
渡りきってから2~3分後、自動アナウンスで通過列車の警告があり、遮断機が下りたのです!
(先ほど言ったとおり、遮断機はほとんど用を成していませんが)
その後、上下線同時に貨物列車と特急北斗がものすごいスピードで駆け抜けていきました。
ひえーーー。
これも非常におっかなかった。
両列車通過後、気を取り直し、出来る限りのホーム散策しました。
雪に一歩足を入れただけだと、周りの雪が靴に浸透しどんどん足が冷えてきます。
列車を待つ間、雪をたくさん踏みしめ、マイポジションをキープしました。
↓その様子。これがホームで列車を待つシチュエーションとは思えないでしょ。
やがてまた遮断機が降りて、乗車予定の普通列車が定刻に到着したのでした。
おおっ。やってきてくれたかぁ。
安堵感とともに、緊張が緩みます。つくづく鉄道のありがたみを感じた瞬間でございました。
一応旅はここでほぼ終了。
あとは空港に向けもう一踏ん張り。
↓礼文駅にて普通列車。(東室蘭まで乗車)
↓スーパー北斗が通過。
東室蘭に着く頃には日も暮れて。
南千歳から快速エアポートで無事、予定通り、新千歳空港に戻る事が出来、旅を締めくくったのでございました~。
今回の旅で小幌駅に行けた事は本当に良かったです。
この駅に行った理由は、釣り人がいるとはいえ駅の未来は決して明るいものではなく、無くなってからでは遅いと思ったことによります。今度は夏の小幌駅にも行ってみたいです。きっと別の秘境が待っている事でしょうから。
おしまい。
次回予告。
実は北海道旅行記を書いていながら、その間に大阪、名古屋、伊勢に出張していました。
次回の旅の始まりは姫路から。500系こだま、かにかにエクスプレス等。&姫路城と姫路モノレールを効率よく見る手段とは・・・?