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2017年02月21日

中室牧子&津川友介『「原因と結果」の経済学』は政策形成にかかわる議員や行政職員におススメ

テーマ:書評
中室牧子&津川友介『「原因と結果」の経済学』読了。
サブタイトルにデータから真実を見抜く方法とあるように、データを活用した意思決定について、事例を使って分かりやすく説明しているという意味で、数年前に売れた『統計学が最強の学問である』よりも「使える」本かもしれませんね。
 
実は本書、読者をビジネスパーソンに想定して書かれているのですが、私がオススメしたいのは行政職員や議員などの政治家です。特にお読みいただきたいのが受動喫煙と心臓病リスクに関するアルゼンチン・サンタフェ州の調査データのコラム。「公共の場での喫煙を厳しく規制したサンタフェ州では、喫煙者のタバコは減らなかったものの、受動喫煙による健康被害が大幅に改善した」というのがコラムの結論なのですが、それはどういうデータから読み取られたものなのか、ぜひ、当該コラムをご覧ください。
 
議会で議論していると、事例に基づいた議論が多いのですが、その事例の使い方が適切か、と疑問に思うようなケースもあります。また、行政で政策決定を行う際、データの誤用がよくあるのですが、本書のような入門書で因果関係と相関関係の違いなど理解しておくだけで、よりデータを正しく認識した政策決定ができるわけです。また、一般論として、政治家にはポジショントークというものがよくあるのですが、その際に怪しげなデータを使う方もおられます。
「A議員、そのデータの捉え方は違うと思います」と自信を持って言うために、因果関係と相関関係という捉え方を整理しておくことは大変有効です。もちろん入門書故の単純化が気になる人もいるとは思いますが、本書のような考え方は公共セクターの方には必須であると思います。
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2011年08月29日

書評 須藤彰『自衛隊救援活動日誌』(扶桑社)

テーマ:書評

東日本大震災関連の本は山のように出版されていますが、本書は防衛省職員であり、東北方面総監部政策補佐官として被災地支援に活躍する現役のキャリア職員の「日記」という形式をとっているところに特色があります。

また、本書は個人の著書ではありますが、帯のコメントを現職の大臣と陸上幕僚長(出版当時は東北方面総監)が寄せ、巻頭言も君塚幕僚長 が執筆していることからうかがえるように、自衛隊として本書のPR効果に大変期待し、バックアップしていることが見て取れます。


さて、本書は震災5日目の3月16日から始まります。正確には11日から15日までの記録は日記ではなく、「まえがき」に収載されているのですが、著者の日記が正式に始まったのは著者の言葉で言う「一山を越えた」16日ということなのでしょう。

「まえがき」には著者の略歴や震災当日から15日までの様子が描かれていますが、震災当日の情報不足の様子、家族の様子が確認できない焦り、その後の夜を徹して目の前に仕事をこなす混乱期など、簡潔ながらもリアリティのある表現で、著者の表現力の高さに期待が高まります。


本文となる日記では、食欲や家族への思いなどの身近な感情と対比させながら、自衛隊の動きや仕事を通して見えた課題、自治体の仕事をする力の差の対する分析などが冷静に分析されています。

特に随所に現れる自治体の「差」の分析は、我々地方自治を担う人間にとって示唆に富んでいます。

私も常日頃から、行政経営理念に沿って自律的に考え、良い仕事をしてほしい、と職員に言っていますが、縦割りの壁、公務員特有の体質など、なかなか突き崩せないでいる課題が色々あります。

本書を見て思うのは「大災害が来た時、和光市役所が機能しうるように職員を鍛えることは日常の業務の改善と表裏一体である」ということ。

また、職員の皆さんにとっても、参考になるポイントが山のようにあります。

今、著者はまだまだ多忙な前線での調整、情報共有などの職務に追われていることと思いますが、いずれ和光市の職員にも経験を語ってほしいな、と心から思いました。

さらに、同じ子供を持つ父親として、大変共感する場面がたくさんありました。


ちなみに、本書は職員に読んでほしいと書きましたが、おそらくすべての地方自治に関係する人間、そして政治家にも参考になり、また、耳の痛い話がたくさんあります。ご一読をお勧めします。


*本書は富士総合火力訓練の往復の渋滞する道中に車の中で、車酔いしつつ読みました。

本書にしばしば出てくる君塚幕僚長とは直接お話が出来なかったのですが、当日のあいさつを聞いて、有事に部隊を率いる指揮官特有の厳しさと包容力、さらには温かさを強く感じました。厳しい現場を務め、山場を乗り切ったという充実感のある、精悍な表情でした。


参考までに、アマゾンへのリンクです。
自衛隊救援活動日誌  東北地方太平洋地震の現場から

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2010年10月18日

留守晴夫『常に諸子の先頭に在り』

テーマ:書評

合理精神なき太平洋戦争を展開した日本軍にあって、数少ない合理的な戦いを実践した栗林忠道中将。
栗林中将の戦いや発言、行動について分析するとともに、日本(人)にありがちな、希望的観測から行動する、現状を正面から見ない・見て見ぬふりをする、事実の分析を十分に踏まえた作戦の構築を怠る、すぐに諦める、等々の非合理的な判断、行動の事例をえぐり出す、ある種の日本人論。
正直、言われると辛い内容が多いけれど、確かに的を射ていると感じる点が多い。
もちろん、外国人がそうではないかどうかは私は知らないけれど、本書から我々が得るものは大きい。

今、財政破綻に向かって突き進んでいるのに、現状をまともに踏まえた政策が採用されない状況、一昔前の合理的とは言い難いバブル崩壊期の企業の数多くの誤った戦略的判断など、いちいち胸に突き刺さる。
少なくとも、私には本当にためになった。

(ちなみに、和光市が現在検討している料金の値上げについては、必要以上の赤字垂れ流しの現実を正面から見据えた判断として、何卒ご理解賜りたいと思っています。)

ただ、肝心の栗林忠道について詳細に描けているかというと、物足りなかったのではあるけれど。
それと、旧字体を採用しているため「讀みにくい」。



ちなみに、本書のタイトルは「日本は戦に敗れたりと言えども、いつの日か国民が、諸君らの勲功を讃え、諸君らの霊に涙し黙祷を奉げる日が必ずや来るであろう。安んじて国に殉ずるべし。予は常に諸子の先頭に在り。」という栗林中将の言葉から来ています。
現代の楠公と言っても過言ではない栗林中将を心から尊敬しています。

*私はアメリカ映画「硫黄島からの手紙」で栗林中将を知りました。本来、もっと昔に知っておくべきでした。この点、日本人として恥ずかしいです。



↓amazonのリンクです。

常に諸子の先頭に在り―陸軍中將栗林忠道と硫黄島戰
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2010年04月18日

書評 見城徹『異端者の快楽』

テーマ:書評

ツンドクになっていたもの。ここのところ、風呂、トイレ、電車に限って読んでいて、今日、久喜への往復で読了しました。

形式的な本の出来としては2点。単なる寄せ集めです。
編集技術的に???な本なのか、あえて編集者がこのように作り、それを見城氏が認めたのかは分かりません。
ただ、読後感は良く、「ああ、自分は十分に疾走していないな。反省しなければ」と強く感じさせられました。

この人の仕事師としての生きざまは魅力的です。
とにかく、「これは」という相手に熱狂し、その熱狂をつきつめ、相手にぶつけて口説き落とし、その相手と「内蔵同士をこすり合せ」て作品を仕上げ、緻密かつ大胆に売り込む。

実は、元々編集者だった私はここまで1点の商品に打ち込むリスクをとって仕事をすることはありませんでした。1点に入れ込むと、その人件費を取り戻すことはどんどんバクチになります。だからこそ、人はポートフォリオをつくって仕事をするのですが、この人のポートフォリオには「ローリスクローリターン」は無いようです。

ただ、現在、市政に関わる者として「和光市」にさらに熱狂しなければならない、とあらためて感じました。何しろ私は市政(あるいは地方自治)という1点において仕事をしているのですから。

さて、見城氏の仕事自慢の一つ一つには疑問を呈する声もあるようです。しかし、そのような人は一つ確かなことを見逃しています。それは、氏と同程度の熱狂と努力と工夫ができれば、人は一流になれるに違いないということです。そして、多くの批判者は見城氏に伍して仕事ができるだけの熱狂と努力をしていないのではないかと思います。
私自身、熱狂を高めなければと強く焦る気持ちになりました。

編集者を経験したからこそ、見城氏の熱狂に素直に学んで仕事をしていこうと強く思うのかもしれません。

政治家にこそ私はこの本か、あるいは『編集者という病』をお勧めしたいと思います。

ちなみに、本書で見城氏が連呼している「これほどの 努力を人は 運という」という言葉について調べてみて驚きました。
元ジャイアンツの張本選手の言葉なのですね。
心に沁みます。


◇下記はアマゾンのリンクです。

異端者の快楽
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2010年04月16日

「議員力検定ジュニア問題集」(議員力検定協会)

テーマ:書評

「議員力検定ジュニア問題集」(議員力検定協会)をざっと流し読みしました

議員力検定のジュニア級の問題と解説がコンパクトにまとまっています。

正直、例題は現職の議員が間違えたらヤバい内容ではありますが、解説はためになります。

意外にルビがあった方が良かったかもしれません。

議員力検定は、以前からお世話になっている廣瀬克也先生らの運営する議員力検定協会が実施する検定試験です。

正直なところ、議員力検定に関心を示す程度にまじめさのある議員さんもさることながら、一切この検定に関心がない議員さんにこそお勧めしたい内容です。

さらには、立候補予定者にもお勧めです!!


議員力検定協会

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