トルコのクーデターで想起すべきこと | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

トルコのクーデターで想起すべきこと

トルコのクーデターのニュースに衝撃を受けた方は多いと思いますが、以前はタイでもクーデターがありましたね。戦前には日本でも未遂ですが、クーデターがあり、その後の軍支配の呼び水となりました。


ちゃんと戦前史を勉強している人は多くないし、そもそも私の時代にも日本史では入試の出題がせいぜい第一次大戦までということで、その後のことはおざなりの人が多いように思います。
で、よく「自衛隊を軍隊に」みたいなことが政治家の口から出るじゃないですか。
私、その政治家は「歴史を勉強していない」と断言できます。
戦前から戦中の歴史は、軍隊というものの性質をよく物語ってくれます。...

また、タイやトルコのクーデターの歴史をウィキあたりで見ていただきたいのですが、ノリはみんな同じです。

つまり、「腐敗した政治を高潔な軍隊が正す」という軍隊のクーデターの背景にあるマインドです。


また、中国の政治においても人民解放軍の影響が大きかったり、北朝鮮のナントカ書記の政権が安定するまで軍隊との闘争がある、みたいな話が報道されたりもします(ちなみに、大陸中国の人民解放軍は中華人民共和国の軍隊ではあるものの、突き詰めると中国共産党の軍隊です)。


軍隊というものは、特に文民統制のしっかりしていない国の軍隊というものはそれ自身が政治的なポジションを持ち、政治的に力を発動します。
どういうことか、というと、「軍隊軍隊おっしゃるが、あんたら(=自衛隊を軍隊にしたい、と言っている政治家)がまず、軍隊に殺され、あるいは幽閉されるんだぜ」ということです。「自分たちは軍隊を御して行ける」という彼らの無邪気な自信の根拠が私にはまったく理解できません。相手は武器弾薬を持っているんですよ!

しかし、自衛隊は違います。事務方との複雑な関係はあるものの、文民統制の、しかも、「軍隊ではない」、あくまで「自衛隊」です。
実際に幹部も大きな自制心をもっていて、それが自衛隊の自衛隊らしさでもあるんですね。
しかし、自衛隊が軍隊になったらどうですか?
名前が変わるだけ?

いえ、名は体を表すんですよ。
軍隊はあくまで軍隊です。
たとえ防衛軍を名乗ったとしてもね。

私は自衛隊がいいと思うし、憲法にも自衛隊を書き込む手は有りだと思います。

トルコのクーデター騒ぎの記事を見て、そんなことを思い出しました。
ぜひ、疑うなら、戦前戦中の日本史を精査してみてください。