2006年04月28日

ミーゼスの弟子、村田稔雄先生の講義を聴く

テーマ:自由の価値

今日はJTRの国会での勉強会。

ミーゼスの直弟子である村田稔雄先生の講演を聞きました。

ミーゼスとの想い出を中心に自由について語るというものであり、日本にもこんな人がいたという驚きの時間でした。

村田先生は学徒出陣による大陸での勤務の後、戦後は物価査定委員会で仕事を経験しました。

そこで見た、現実とかけ離れた議論に驚き、「個人の自由を守りながら経済を発展させられる理論はないものか」と感じていました。

そして、ミーゼスの『Human Action』に出会い、自ら『自由と経済』というニューズレターを刊行するようになりました。

それがたまたま日商岩井の前身岩井の社長の目にとまり、アメリカへの留学を勧められます。そのとき、日本の物価はアメリカの10分の1以下。それでも留学することができたのはアメリカ人の選択の自由を支える奨学金制度でした。

フォルカー財団の奨学金を得た村田青年はアメリカのNYUに留学し、ミーゼスに師事します。

ウィーン大学では無給の講師職しかなく、その後著書『自由主義』をナチに全冊没収されるなど、さまざまな弾圧を経たミーゼスは、60歳という年齢で、裸一貫でアメリカにやってきます。その時、NYUに寄附講座を作ってミーゼスの席を確保したのも、後に村田先生の奨学金を拠出したフォルカー財団でした。

ミーゼスは自由競争を弱肉強食ではなく適材適所、配置転換のしくみであるとし、また、生産とは物質的なものではなく内面的、精神的なものであると強調しておられたそうです。

また、映画『生きる』を見て、「仕事をたらいまわしにする日本の資本主義がよく描かれている」と言っておられたそうです。

ミーゼスはバットマンにも登場しました。ミーゼスの本を没収しようとした官憲にたいしバットマンがゲリラ攻撃を仕掛けるというシーンです。
ミーゼスはまた、ナチと社会主義はほとんど同じと看破し、そのようにみなしていたようです。

そのためか、日本に帰った村田先生は随分社会主義者から弾圧されたそうです。ある大学で村田先生が講演を頼まれ、現地入りしたところ、マル経の教授が動員した学生がバリケードをはり、先生はそのなか、たった5人を相手に講演をしたそうです。

またあるときは、大学の同僚が「自由主義者ミーゼスの弟子村田をクビにしろ」と学校側に迫ったそうです。ウィーン学派とマルクス主義者たちとの戦いを考えると、気持はわかるのですが、学問的な論争ではなくたんなる業界内政治的な弾圧であったというところがなんとも不愉快です。

社会主義者による弾圧の連続だったんだな、というのが今日受けた強烈な印象です。

最後に先生は、自由と資本主義について、先生は資本主義がないと自由が育たない、また、資本主義は私有財産が前提である、経済がわからないと自由はわからない、といっておられました。

自由を主張し、社会主義者に弾圧されてきた先生の話を聞けたひと時は貴重な経験でした。

コメント

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1 ■>自由競争を弱肉強食ではなく適材適所、配置転換のしくみである

そういった定義で考えれば、日本は今「自由競争」と思っているのは、あきらかに幻想ですね。日本という国は、「自由経済主義という羊を被った、社会主義というハイエナの国」であると自分は思っています。でも、それより問題は、「日本人が、そういったシステムに見事に適合して生活している」ということだと思います。難しい問題です。

2 ■昨日は出かけて、お礼が遅くなりました。

申し訳ありませんでした。
待ちかねていたので、拝読いたしました。
紙面の都合で、全内容まではわかりませんが、ミーゼス師も村田さんにも援助の手を貸すアメリカは、この財団活動が学問を支えているのと、日本でも左一辺倒の学問があったことも思い出しました。

3 ■社会主義と共産主義。。。。

これは人間性を全く把握していない理想過ぎにすぎなかったのが、維持できなかった原因だと思います。

>資本主義がないと自由が育たない。
全くその通りですね。

余談ですが、アメリカでは自由ばかり主張して、責任と義務を怠る傾向が目につきました。
反面教師として常に頭の隅において、自問自答していかなくては。。。

本当に貴重な経験でしたね!

4 ■無題

ウィーン学派ということで 嬉しくなってコメントを残します。
私が今日と大学時代に指示した先生が大野英二先生。日本のマックスウェーバーの第一研究です。先生の下で 経済政策(強硬論)と組織論を学びました。当時は わたしは大変なはにかみ家でしたが ゼミの研究発表のときだけは やたら元気が出ていました。(^^:
大野先生は 日本がマル経で塗りつぶされていた頃 確か 経済学部長をなさっていて 大変 苦労されたと聞いていますが 私たちがゼミ生になった頃は 京都もほとんど落ち着いていました。(たまに ぐれちゃった人とかが 内ゲバしてましたが 平均的な生徒は みんなで遠くで そのパーフォーマン(内ゲバ)を見て けっこうネタにして遊んでました。
そういえば 大野先生には 卒業後も ナチズムの本とかを自宅へ贈ってもらったり そういえば 私たち夫婦に結婚式の仲人もしていただきました。
なんか とっても懐かしいブログ内容でしたので つい コメントを残しました。(^^;

5 ■無題

眠くて 誤字脱字が多いです)(^^;
指示→師事
強硬論→恐慌論
第一研究→第一人者
組織論では 『自由競争を弱肉強食ではなく適材適所、配置転換のしくみである』というような内容は 確かに ありました。
さらに 人材が入ったり出たりしないと その組織そのものが新陳代謝しなくなって 全体主義的な組織になるという内容もありました。そういった意味では 実は 集心境はよくないのです。 

6 ■無題

今日と→京都 でした(^^;

7 ■無題

集心境→終身雇用 (T T)

8 ■なにわのおっさんさまコメントありがとうございます

私には日本人の多くが不満を心に鬱積させつつ生きているようにしか見えません。適合しているふりはしないと、会社の生活上差し支えますからね。

9 ■tukaziさまコメントありがとうございます

アメリカには世界に自由主義を輸出するための強力なNGOがたくさんあるのですが、日本はこれまで何回も水際でそれを阻止してきました。
偽学者(御用学者)を送り込み、お話だけを拝聴させるのです。今のところ、名前の列挙は避けます。

10 ■kerrieさまコメントありがとうございます

アメリカはある意味極端ですね。そして、人々に選択の自由がある程度根付いています。この点羨ましいです。
日本人にないのは選択の自由、自分が生きたいように生きる自由なのではないでしょうか。

11 ■貞子さまコメントありがとうございます

大野先生のゼミのご出身なのですか。
恥かしい「アラ」がありそうで、汗が出てきそうです。私は学生時代、社会科学の根本のところの勉強を怠ったので、いま非常に後悔しています。
ポランニーは流行していましたが、その実あまり理解していませんでした(今もそのままです)し、ミーゼスについては気にも留めませんでした。
終身雇用ですが、あまり事例が蓄積されていないアメリカでは評価する声もあるようで、それを孫引きして日本的経営を復活させたいという変な論調もあり、迷走しているように感じます。
終身雇用は個人を会社に縛り付ける奴隷システムだと思っています。
その典型が公務員です。

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