竹取物語の謎を「うら」読みで解く

かぐや姫は、なぜ竹から生まれて月に帰るのか?
かぐや姫、竹取翁…、名前は何を表すのか?
蓬莱の玉の枝、火鼠の皮衣…、宝物に隠された意味とは?

古典には、ときどき「うら」が隠されています。

本音が言えないとき、表はうまく書きながら、さりげなく秘密を潜めたりします。


隠し方は、けっこう常識的です。 わかる人には、わかってほしいのですから。


 例えば、竹と月が並べば、かぐや姫を連想できるでしょう。

そんなふうに、お互いに知っていることを使っています。


もしも、古代の人たちの常識を私たちが知らなかったら、通じません。

  千年前に、カボチャとガラスの靴と言っても ??? になるのと同じです。

古典の謎のいくつかは、案外それで解けるかもしれません。


ではご一緒に、「うら」読みの世界へ。


テーマ:
竹取物語の章立てのうち、五行に相当するのが、五人の貴公子の求婚話です。
(2)土の章、第一の求婚者・石作皇子を含む話は、皇子の話になる前が長いのです。

かぐや姫が裳着の式を行って男たちがうろつくようになった後、土の章は次のように始まります。要約して御紹介します。


多くの男たちは役に立たないほっつき歩きをつまらないと思って来なくなりましたが、五人の色好みだけが残りました。石作皇子・庫持皇子・阿倍右大臣・大伴大納言・石上中納言です。

この人たちは少しでも器量よしがいると聞けば結婚したがる人なので、かぐや姫と結婚したくて物も食わずに思い続けます。竹取翁を呼びだして「娘を我に下さい」と伏し拝んでおっしゃいますが、翁は「私の生みの子ではないので、心に従わないのです」と言って月日を過ごしています。「それでも、いつかは結婚させないことがあろうか」と歩き回るのを見て、竹取翁はかぐや姫に結婚を勧めます。

「翁は年が七十余りとなりました。この世の人は結婚して、その後で一門が栄えるのです。五人のなかから選んで結婚なさいませ」
かぐや姫「美しいわけでもない私が、相手の愛情を確かめもしないでは。あとで不実な心でも持たれたらと思うのです」
翁「こんなにも気持ちが疎かではない人々ですよ」
かぐや姫「ささやかなことです。五人のなかで、欲しいものを見せてくださる方にお仕えしましょうと申し上げて下さい」

日が暮れるほどに例の五人が集まりました。翁がかぐや姫の言うことを伝えると、五人も「良いことだ」と言うので、翁はかぐや姫にそう伝えます。
かぐや姫「石作皇子には仏の御石の鉢、庫持皇子には蓬莱の玉の枝、いま一人には火鼠の皮衣、大伴大納言には龍の首の玉、石上中納言には燕の子安貝をお願いします」
翁「こんな難しいこと、どうして言えますか」
かぐや姫「何が難しいものですか」
翁「とにかく、申し上げましょう」
皇子・上達部は聞いて「いっそのこと、『この辺を歩かないで』とでも、おっしゃれないのか」とうんざりして、皆帰ってしまいました。…


そして、石作皇子の求婚話* があって、土の章が終わります。内容としては、章を分けたくなるのも当然ですね。しかも、ここは随分省いて御紹介しており、相当な長さがあります。石作皇子の求婚話が五つのなかで一番短いのとは対照的です。

本題に入る前ですみませんが、長くなりましたので以下は次週に…。


 お読みいただき、ありがとうございます。
 ぜひ、応援クリックお願いします
      
    
  
   
にほんブログ村    

☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆  次回  ☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚* 

土の章は、記紀の日本神話の……。続きます。


参考文献:
 片桐洋一、他(校注・訳)
 『竹取物語 伊勢物語 大和物語 平中物語 日本古典文学全集8』小学館、1972年。
 野口元大(校訂)『竹取物語 新潮日本古典集成 第26回』新潮社、1979年。
 阪倉篤義 校訂『竹取物語』岩波文庫1970年。 

イラスト:あおい

*:リンクあり
                   
                    ペタしてね 
PR
いいね!した人  |  コメント(8)

[PR]気になるキーワード