竹取物語の謎を「うら」読みで解く

かぐや姫は、なぜ竹から生まれて月に帰るのか?
かぐや姫、竹取翁…、名前は何を表すのか?
蓬莱の玉の枝、火鼠の皮衣…、宝物に隠された意味とは?

古典には、ときどき「うら」が隠されています。

本音が言えないとき、表はうまく書きながら、さりげなく秘密を潜めたりします。


隠し方は、けっこう常識的です。 わかる人には、わかってほしいのですから。


 例えば、竹と月が並べば、かぐや姫を連想できるでしょう。

そんなふうに、お互いに知っていることを使っています。


もしも、古代の人たちの常識を私たちが知らなかったら、通じません。

  千年前に、カボチャとガラスの靴と言っても ??? になるのと同じです。

古典の謎のいくつかは、案外それで解けるかもしれません。


ではご一緒に、「うら」読みの世界へ。


テーマ:
竹取物語の 庫持皇子の求婚話* と、日本神話のこの話は似ているでしょうか。

前回に続く部分を読んでいきましょう。


(前回:葦原の中つ国の平定に派遣されたアメノワカヒコは復命しませんでした。高天原のタカミムスヒは、様子を見るために無名雉を送ります。あやしい鳥が来たと聞いて…)

アメノワカヒコは、タカミムスヒにもらった天鹿児弓・天羽羽矢を取り、雉を射殺しました。

その矢は、雉のを貫通してタカミムスヒの前に至りました。
タカミムスヒ「この矢は、私がアメノワカヒコにやった矢だ。が染みている。もし悪い心をもって射たのなら、アメノワカヒコは必ず災いに遭う。もしきよい心をもって射たのなら、無事であろう」
そして矢を取り、投げて返しました。

矢は落ちて下り、アメノワカヒコのに中ったのです。アメノワカヒコは、新嘗(にいなめ)で臥せていて、即死でした。
これが「反矢(かえしや、返し矢)畏るべし」という由縁です。…(続く)



諺のもとになった話として提示しているあたり、竹取物語と同様です。
かぐや姫は、庫持皇子が蓬莱の玉の枝を持って帰ったと聞いて、「我はこの皇子に負けぬべしとつぶれて」思ったのでした。「」が出てきました。


アメノワカヒコの返し矢については、「矢には霊魂が宿っているので、射損じて敵方に拾われると、逆に射返され殺されるという信仰が諺になった。狩人ニムロッドの矢の話(西洋の民間説話)に似る。〈小嶋憲之他校注『日本書紀』の頭注より〉」とあります。

また新嘗とは、その年の初収穫を神と共に食べる儀礼で、そのために仰向けで寝ていた(落ちてきた矢が背でなく胸に中っている)とは「王者としての大嘗の儀礼を勝手に行っていたことを意味するか〈小嶋憲之他校注『日本書紀』の頭注より〉」ともいわれます。


アメノワカヒコは、成功の一歩手前で失敗したと考えられます。それも、自業自得で。罪のない使者の雉を射殺し、その「」の矢に打たれています。

竹取物語の庫持皇子も、竹取翁が結婚初夜のための閨(ねや=ねどこ)のしつらえをするところまでいきながら、土壇場で工匠が押し掛けて嘘がバレています。庫持皇子は工匠を「」が出るまで打つという可哀想なことをしました。


そして、アメノワカヒコは死んでしまいましたが、この話はまだ続くのです。


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木の章は…、続きます。


参考文献:
 片桐洋一、他(校注・訳)
 『竹取物語 伊勢物語 大和物語 平中物語 日本古典文学全集8』小学館、1972年。

 小嶋憲之 他(校注・訳者)『日本書紀① 新編日本古典文学全集2』小学館、1994年。

イラスト:あおい

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