竹取物語の謎を「うら」読みで解く

かぐや姫は、なぜ竹から生まれて月に帰るのか?
かぐや姫、竹取翁…、名前は何を表すのか?
蓬莱の玉の枝、火鼠の皮衣…、宝物に隠された意味とは?

古典には、ときどき「うら」が隠されています。

本音が言えないとき、表はうまく書きながら、さりげなく秘密を潜めたりします。


隠し方は、けっこう常識的です。 わかる人には、わかってほしいのですから。


 例えば、竹と月が並べば、かぐや姫を連想できるでしょう。

そんなふうに、お互いに知っていることを使っています。


もしも、古代の人たちの常識を私たちが知らなかったら、通じません。

  千年前に、カボチャとガラスの靴と言っても ??? になるのと同じです。

古典の謎のいくつかは、案外それで解けるかもしれません。


ではご一緒に、「うら」読みの世界へ。

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龍の首の玉を探しに行ったのは大伴御行の大納言でした。大伴氏についての伝えは、以下のとおりです。

大伴(おほとも)氏は、物部氏と並ぶ軍事氏族で、姓は連。
始祖の天忍日は、天孫降臨 *のとき、ニニギを守護したといいます。

初代の神武天皇の東遷(九州から大和へ行って即位するまで)でも、大伴は活躍しました。
神武天皇の軍が熊野で道がわからずにいると、アマテラスが遣わした八咫烏(やたがらす)が道案内をしますが、八咫烏を追って道を穿ったのが大伴氏の遠祖、日臣でした。日臣は道臣の名を賜ります。道臣は、仮の宮を建てて天皇への罠をしかけていた兄猾(えうかし)を、自分が入れとの中に入れて圧死させるなどの戦果を挙げます。大和へ行った神武天皇軍は、長髄彦と戦い、金色の鵄(とび)に助けられて勝利します。道臣は、大和で即位した神武天皇から、築坂邑(つきさかむら)に宅地をもらいました。

5世紀末から6世紀前半に大連(おおむらじ)を輩出し、全盛期を迎えますが、金村が朝鮮半島問題で失脚して住吉に引退してから、物部・蘇我氏に政治の実権を奪われました。

大化改新で盛り返し、壬申の乱で武功を挙げて、御行らが高位高官に昇りました。しかし、奈良時代から平安時代初期にかけて政変に巻き込まれることが多く、866年の応天門の変で善男が罪となり、中央政界から姿を消しました。なお、823年に即位した淳仁天皇の本名(大伴親王)を避けるため、「伴」に改名*しています。


以上、大伴氏についてでしたが、続いて竹取物語の大伴大納言の話を思い出してみましょう。

大伴大納言は、かぐや姫のためにうるわしい屋 *を建てますが、龍の首の玉を取ることができませんでした。屋根を葺いた糸は、鳶(とび)や烏(からす)の巣 *に持ち去られてしまったのでした。

物語を読んでいると、なんともおかしな描写に思えるのですが、鳶と烏によって神武東遷が連想できます。八咫烏と金鵄で有名な話のなかで、奮闘する大伴氏の祖先。屋、宅地も登場します。

やはり、日本書紀を踏まえた記述になっているのです。


そして、海外問題で隠遁した金村は、海の神を祭る住吉の地に住んだといいます。竹取物語では、海での遭難を描いた五行の水の話が当てられています。

大伴氏は、竹取では水の氏族ということでしょう。

そういえば、万葉集には大伴の」という枕詞がありますが、これは「みつ(御津)」にかかります。旧仮名で「みづ」、すなわちに通じていますね。


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阿倍氏です。

参考文献:
坂本太郎、他『日本古代氏族人名辞典』吉川弘文館、1990年。
小島憲之 他(校注・訳)『日本書紀① 新編日本古典文学全集3』小学館、1994年。
片桐洋一、他(校注・訳)
『竹取物語 伊勢物語 大和物語 平中物語 日本古典文学全集8』小学館、1972年。

イラスト:あおい

紫字
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