足関節捻挫(平たく言うと足首の捻挫)の時に注意すべき外傷です。

足関節の捻挫は、スポーツ中の捻挫や歩行中段差での捻挫など、若い人では最も多い外傷だと思います。中でも足の裏が内側を向く「内反」という方向に捻挫する場合が多く(私も経験者の一人です)その時傷めやすいのが足関節の外側側副靭帯です。


足関節捻挫のうち、骨折を生じた場合は痛みや腫れがとても強く、病院にかからない人は滅多にいないと思います。しかし、靭帯損傷の場合には痛みがそれほど強くない場合もあり、病院にかからない人もいらっしゃるようです。放置すると足首の不安定性を残してしまう場合もあり、注意が必要です。


足模型

前距腓靭帯の位置は足首の外くるぶしの前側、踵腓靭帯は外くるぶしの下側やや後ろにあります。このうち前距腓靭帯のほうが損傷しすく、損傷が高度になると踵腓靭帯も一緒に損傷してしまうという傾向があります。捻挫の後、これらの部位が腫れていたり、周囲に皮下出血(内出血により青黒くなること)を認めた場合には、念のため受診することをお勧めします。


レントゲンでは靭帯は写りません。まずレントゲンで骨折がないことを確認したら、ストレス撮影という検査をします。

ストレス撮影とは、靭帯に負担がかかる方向(多くは捻挫した時と同じ方向)に力を加えながらレントゲンを撮る方法です。関節の柔らかさには個人差があるので、両方の足のストレス撮影をして、左右ではっきりとした差があれば「靭帯損傷あり」ということになります。

MRI検査ではレントゲン検査と違って靭帯が写りますから、どの部分で靭帯が切れているかが分かります。


治療は同じ靭帯の断裂でも、靭帯がどの部分で切れたかによって変わってきます。痛みに対する処置だけでいい場合や、装具・ギプス固定・手術などが必要となる場合もありますが、最近は「前距腓靭帯の上側(腓骨付着部)で切れた場合を除いては、厳密な固定・手術は必要ない」という考えが一般的です。

大事なことは、しっかりした診断の下に治療法を決定することです。


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