スポーツ障害の予防と応急処置

テーマ:

今回はスポーツ障害の予防と、万が一怪我・捻挫をしてしまった場合の対処法など、スポーツ障害全般に対する注意事項を書いてみます。



スポーツ開始前


まず始めに準備運動として大切なのが「ストレッチ」です。

私が子供の頃は、スポーツ前の準備運動といえば「1・2・3・4・・・」と号令をかけながら反動をつけてアキレス腱(下腿三頭筋)や大腿内転筋を伸ばしていましたが、これでは筋肉(腱)が骨につく部分にかえって余分な負担がかかってしまいます。スポーツ障害の防止や、スポーツ障害を起こしてしまっている人の準備運動としては、明らかにストレッチが効果的です。


具体的な方法は、運動開始前にスポーツ時に負担がかかりやすい筋肉やすでに痛みがある筋肉、痛みがあるところに関係する筋肉(例えばテニスエルボーの人は指を伸ばす筋肉・手首を起こす筋肉)が少し張った感じがするところまで伸ばした状態で、30秒から1分止めておくだけです。ストレッチの効果は1~2時間と言われており、長時間のスポーツではスポーツ中にもストレッチをするとさらに効果的なようです。


その後急に激しいスポーツをするのではなく、ウォーミングアップを。ウォーミングアップにより筋肉の血流量を増やし、関節の動きもスムーズになってきます。運動のパフォーマンスを上げるには筋肉の温度を約38度まで上げる必要があり、部位によっても変わりますが、これには約15分のウォーミングアップが必要と言われます。



スポーツ中


スポーツ中の注意として最も大事なことは、熱中症予防でしょう。


スポーツ中の水分の摂取は今は当然のように思われていますが、20年前はスポーツ中の飲み物は我慢するのが当たり前でした。私がテニスをしていた頃も、1時間程度練習して数分休むという繰り返しだったと思いますが、休憩時間にしか水分補給は許されず、しかも飲むものは水道水。根性は鍛えられましたが、ずいぶんと効率の悪い練習をしていたはずです。中学のときには試合中にダブルスのパートナーが倒れ、救急車で運ばれたこともあります。今思うと、あれは典型的な熱中症でした。


熱中症の予防のためには、約20分毎には水分を摂る必要があります。また、長時間のスポーツでは電解質の補給も大切なので、スポーツドリンクを飲むのが理想的です。市販のものを少し水で薄めても構わないと思います。

熱中症の発生は夏の一番暑いときよりも、暑くなり始めた時期に多く、湿度が高くなると起きやすくなります。また、日頃暑いところに出ていない人、子供には余計に注意してあげましょう。


余談ですが、水分の吸収のスピードを調べてみると、冷えてない飲み物よりもよく冷えた飲み物のほうが吸収が良いと言われています。また、少し前は体液の濃度と同じ「アイソトニック」という言葉をよく聞いていましたが、あまり耳にしなくなりましたね。最近ではアイソトニックよりも若干うすめの「ハイポトニック」のほうが、吸収が早いと考えられています。これは競技スポーツ中のレベルの話であり、練習中にそこまで気を使う必要はないと思いますが。



応急処置


スポーツ中に怪我をしてしまった場合について、応急処置を述べます。


スポーツに限らず、外傷の応急処置の基本は御存知の方も多いと思いますが、RICEと略されます。

R:rest 患部の安静(動かさないことです。突き指の後指を引っ張るなんて絶対だめ。安静を保ち、可能なら固定しましょう。)

I:icing 患部の冷却(余分な腫れを防ぎ、痛みの増強の防止にもなります。冷やしすぎに注意。)

C:compression 患部の圧迫(余分な腫れを防ぎますが、怪我をした局所の圧迫ではいけないので、詳しい人に任せたほうがいいでしょう。手足の先から患部までの弾性包帯による圧迫が理想的です。)

E:elevation 患部の挙上(怪我をしたところを下に垂らさず、高く上げておきます。余分な腫れ、痛みの増強を防ぎます)


傷ができてしまった場合にもRICEが大事です。

さらに土や小石などで傷の中が汚れている場合、可能であれば細菌感染を防ぐために、傷の中と傷のまわりを洗浄しましょう。洗う水は水道水で十分です。もちろん出血が多かったり、痛みが強かったりすれば、無理せず急いで病院へ行きましょう。出血が多い場合、傷の上にガーゼ(なければハンカチやタオルでも可)を置き、その上から傷を圧迫しましょう。気になっても再々あけて見ずにひたすらおさえると、だいたいの出血は止まります。


傷の根元をしばる方法は、かえって出血量を増やしてしまう恐れがあるので危険です。動脈圧よりも強い力でしばらないと出血は止まらず、これは常識的に考えて不可能です。しばる力が弱いとかえって静脈がふくらんでしまう「うっ血」という状態を起こし、出血しやすくなります。血管注射や採血のときに腕の根元をしばると、静脈が浮き出て針を刺しやすくなりますよね。これが「うっ血」です。



運動後


激しい運動をした後は、クールダウンも大切です。強い負荷をかけずに筋肉を動かしてあげることで、後に残る筋肉の疲労を軽減でき、心臓の負担も早く軽減することができます。

また痛みがあるときなど、スポーツ障害には運動後のクーリングも効果的です。



世の中には「柿が赤くなると医者は青くなる」という言葉もありますが、皆さん怪我をしないようにスポーツを楽しみましょう。

AD

コメント(3)