関節リウマチ

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久しぶりに医学的な話を


リウマチ(またはリューマチ)という言葉は誰でも知っていますよね。

多くの方のリウマチに対するイメージは、「関節の変形を起こす病気」といったところではないでしょうか。

整形外科外来には時々「私、リウマチではないでしょうか?」と心配して来られる方がいらっしゃいます。

そう言って来られる方の多くは関節リウマチではありません。


関節リウマチというのは、免疫系(細菌やウイルスなどの外敵から体を守るしくみ)の異常により関節内の滑膜というものが増えて(太って)しまい、関節を壊してしまう病気です。原因は遺伝性の要因(生まれつき持っているもの)と後天的な要因(生まれた後に起こる問題)の双方の関与がありそうですが、まだまだ分かっていないことが多いようです。


指の関節の中でリウマチにより侵されやすい関節はいわゆる第2関節(本名PIP関節)と第3関節(MP関節)で、最も指先に近い第1関節(DIP関節)が侵されることは非常に珍しいようです。また、リウマチでは左右対称性の関節の痛み・腫れや、朝起きてしばらくの間手がこわばる感じ(スムーズに動かない感じ)をしばしば認めます。


それに対して変形性関節症による手指の変形は第1関節に起こることが多く、これは関節の加齢による変化で、関節の骨を守る軟骨がすり減ることによって骨に負担がかかり、骨が変形していく疾患です。ちなみに関節軟骨のすり減りに対して、ヒアルロン酸の内服が有効と思わせるような宣伝を多く見ますが、私はこのような薬では軟骨の再生を期待することはできないと思います。


もうひとつリウマチについて勘違いされやすいのは、血液検査のリウマチ反応が陽性であればリウマチであるという間違いです。リウマチ反応は診断する上でのひとつの参考所見に過ぎません。逆にリウマチ反応が陰性だったからといって、リウマチではないとも言えません。リウマチの診断は、症状や診察時の所見、血液検査、レントゲン所見(最近は早期診断の意味からMRIを行なうことも)などを合わせて診断します。いくつか新しい検査も出てきてはいますが、絶対的な検査は今のところありません。


リウマチに関してはまだまだ謎が多いのも事実ですが、最近の医学・治療薬などの進歩により、明らかにコントロール可能な症例が増え、関節がひどく破壊されてしまうような患者さんは減少しています。したがって関節の手術が必要になってしまう患者さんも、少しずつ減ってきていると思います。


さて、始めにリウマチについての勘違いのことを書きましたが、リウマチではない方がリウマチを心配して病院にかかることは我々にとって全く迷惑なことではありません。リウマチでなければ、患者さん自信もそれが早く分かって安心できます。また、リウマチであれば早期の診断と治療開始がとても大事で、そのほうが関節変形の進行を少なくすることができます。心配な方は早いうちに整形外科を受診されることをお勧めします。

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