ウラディミール・アシュケナージ指揮NHK交響楽団A定期1日目をNHKホールにて。

グラズノフ/交響詩「ステンカ・ラージン」作品13
プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲 第2番 ト短調 作品63(Vn:パトリツィア・コパチンスカヤ)
(アンコール)ホルヘ・サンチェス=チョン:クリン
チャイコフスキー/バレエ音楽「くるみ割り人形」作品71から第2幕 「トレパーク」「あし笛の踊り」「花のワルツ」ほか

前半の「ステンカ・ラージン」はおなじみ「ボルガの舟歌」がテーマとして用いられている作品で、意外に長いが美しい旋律に満ちた作品。N響は1月の定期でヴェデルニコフの指揮により「演奏会用ワルツ第1番」を演奏したばかりだが、グラズノフ、もっと演奏されていい作曲家の一人だと思う。弦は16型。

続くプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番、私が大好きな作品である。独奏はパトリツィア・コパチンスカヤ!今まで彼女のぶっ飛んだ演奏をいくつか聴いてきたが、今日もまた、私がこの曲に抱いているイメージとかけ離れた音楽を披露してくれた。
プロコフィエフのコンチェルトとしてはどちらかと言えば珍しい、譜面を見ながらの演奏。第1楽章冒頭のソロが既に違う。ノン・ヴィブラート気味の乾いた音である意味無表情。音色は決して美しくないが、どこか訥々と語りかけてくるような、極めて独特な演奏である。第3楽章などもかなり独特の雰囲気があって、基本的に真面目な演奏を繰り広げるオケとのミスマッチがなんとも面白い。オケは弦12型。
アンコールはコパチンのアンコールとしては十八番、ホルヘ・サンチェス=チョンの「クリン」という短い曲。この作曲家はキューバと中国の混血でウィーン在住だそうで、「クリン」はピッツィカートを多用するヴァイオリンとソリストの発する言葉がシンクロしながらあっという間に終わる珍曲で、会場も爆笑。

後半は「くるみ割り人形」第2幕。こうして聴くと、組曲に入っている曲で第2幕にないのは「行進曲」くらいだということがわかる。
やはりチャイコのバレエ音楽を聴くととても幸せな気分になる。アシュケナージの指揮、華麗さはないものの安定しており、オケの技術も高い。昨年末、新国立劇場でこのバレエを観たときのオケはとても貧弱だったことを思い出した。今日は「花のワルツ」冒頭の木管のハーモニーなど、とてもふっくらとしていて見事。弦16型。


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