さてさて、突発的な旅の最終予定地はブラフというところです。
ブルーフと表記されてることも多いですが、NZのひとは
ブラフ(BLUFF)と発音しています。
ここはNZ南島最南端の地。これで北島北端とあわせて制覇です。
実は数日前からここに宿泊するかどうか、ずいぶんと悩んで
いました。というのは、今回の旅行の一番の目的は低緯度
オーロラなのですが、このブラフという町は最南端であるという
地理的な優位さ以上に、
「いつも天気が悪い」という場所なのです。
緯度的には南極暴風圏にもあたり、常に風も非常に強く、
条件はとても悪いのです。
なんとなく、ここにたどり着く前に、一度ぐらいオーロラは
見えてるだろう、みたいな甘い考えで予定していたのですが、
もともと、条件の悪い年は年に数回なんてこともある、確率が
非常に小さい場所ですから、ちょっと甘かったです。
しかも天気は下り坂。
ここのところかなりオーロラの出る条件は揃っていたのですが、
なぜかNZが昼間の時間帯にチャンスが続く始末。
まあ考えた末に、移動したって見られる保証はまったくないし、
いろいろ変更するのも大変だし、天気どこも下り坂だしと、
予定通りに進めることにしました。
最南端を制しておかないと、ここから先にさらに南に島があるの
ですが、そこに行く前に2,3日結局来なきゃならなくなりますので。
(あくまで気分的なものですが)
テアナウからは、便の悪いバスで移動する予定だったのですが、
金の匂いをかぎ付けた気の利く今回の移動をお願いしていた
ガイドさんが、ぜひこのルートも受けさせて下さい、と言って下さって
渡りに船。これで懸案が一つ減りました。
ということで、ゆっくりと出発。
インヴァーカーギルと言う町でガイドさんが、
「ここにはとても珍しいNZ固有種のトカゲを展示しているところが
あるので行かせていただきます」
っておいおい、自分が行きたいだけかよ(・∀・)
ガイドさん、かなりそのトカゲを見てみたいようです。
入ってみたら、ちょうど外に出しているおじさんに遭遇!
かわいい(・∀・)
なんか、新陳代謝が非常に遅く、100年以上
生きるようですよ。
産まれてすぐのときは、鼻先に第三の眼があるんだ
そうです。手塚治の漫画みたいですが。
さて、インヴァーカーギルから数十キロ離れたブラフは
言ってみればなにもない町。
ほいみんが最初に決めたのもグーグルアースですが、
ひとつだけ、
この標識を入れてオーロラを撮っている写真が
たまにあるのです。ほいみんをこれをやってみたかった
のです。
東京と熊谷は同じ方向だろうよ( ゚∀゚)
熊谷と姉妹都市みたいですよ。どうでもいいですけど(・∀・)
ほいみんはなんとなく気づいていたのですが、ここでガイド
さんが余計な鋭い一言を。
「あれ、ここ、下がライトアップされるようになってますよ。
もう今は夜はだめなんじゃないですか」
がーーーーーん。
でもどうせオーロラでないし天気悪いし関係ないですけど。
この町の真ん中は大きな丘というか山になっていて、
天頂から見渡せます。
植生を見てると、風が強くて厳しい環境なのが
わかります。地を這う草や、捻じ曲がる樹木がたくさん。
がんばって、りんどうが咲いています。
この町にはかなり希少な生き物がたくさん住んで
います。なかなか出会えませんが。
さてさて、そんな感じで無事宿にたどり着いて夜を待ちますが、
晴れてはいましたが、やはり星やオーロラには厳しい。
ガイドさんも、
「ここはこれ以上の『晴れ』というのはほとんどないんじゃ
ないでしょうかねえ」と昼間に言っていましたが。
快晴ですっきり、なんていう場所ではないんですねぇ・・・
まあ、いちおう、てくてく1キロ、重い機材しょって歩きます。
やっぱライトアップされてますw だめじゃこりゃ
ここはUターン地点らしく、車も頻繁に来ます。
といっても30分に1台ぐらいですけど・・・
天気も、雲間から星がちょっとのぞくぐらい。でも
それ以上に悪条件がたくさん。
ためし取りしてみたのですが、手前の雲が赤くなって
ますよね?
ここは意外と町明かりがあり、遠くに大きな工場もあり、
さらに地域性の霧や低い雲が発生するので、それが
光を反射してしまって赤く光ってしまうのです。
肉眼ではあまりわかりませんが、写真では一発です。
これではどうにもならない・・・
遊歩道にいきなり夜に行くのも危ないですし、どっちみち
曇ってますから、諦めて撤収。
今回はダメかあ。明日はもっと天気悪いみたいだし。
と、まあなんとなく心に区切りは付けました。
さあ、いよいよ旅の最終日。(移動の宿泊は数字に入れてません)
予報はいいほうに外れて晴れてます。
もちろん、写真を見ての通りの「晴れ」なので、やっぱり
空は雲で覆われてますが、穏やかな日です。
このブラフという町、ほんとうになにもありません。
普通、「何もない」というと、それはつまりNZでは大自然
だったり、ほのぼのとした農場ばっかりだったりする
のですが、ここは中途半端に工場があったり、空き家
なども多く、なんていうか、ほんとうに「何もない」です。
しいて言えば遊歩道が南の突端をぐるーっと囲んであるので、
万が一の今日の撮影ポイント探しを兼ねて歩いてみることに
しました。
ほう、あわびがとれるのか・・・
ん?
通報しました(・∀・)9m
制限はありますけど採っていいみたいですね。
海がすぐシケるので、死と隣り合わせですけど。
それにしても、昨日今日は、ここではめずらしい
穏やかな日のようです。
遊歩道にはいろいろな鳥もいて、歩いていて
楽しいです。ここはなかなかですね。
海沿いにずーっと歩けますし、昨日行った展望台のある
丘にも登れます。でもかなり距離はあります。
ということで、視界が開けてる場所を見つけてもどりました。
さてさて・・・・
夜まで寝て、外を見ると曇り。しょうがない。でも宿からは南側は
見えないので、標識のあるところまで行ってみました。
すると、ぽっかりと、小さいんですけど南側に雲間があります。
これなら、まともな撮影は無理でも、なにかしら撮れるかも、
昨日は反射光がじゃまだったので、とにかくまともな写真
だけでも、とものすごい勢いで戻って、遊歩道を懐中電灯で
照らしながら1時間ちょっと、全力で歩きます。
足の痛みも気になりません。
雲間は小さいです。でも、雲がやってくる方向が空いている
感じが。
ん、それと・・・???
空の色が違う!
カメラだと大げさに写りますが、肉眼でもはっきり空が
光って、海に反射して明るくなってます。
これは低緯度オーロラ、しかも黄色に近い、活動的な
オーロラに違いない!
そう思って、ドキドキしながら、雲間がなくなりませんように、
と祈りながらシャッターを切ります。
誰もいない、たまにふくろうのような鳴き声がする森林の、
ニュージーランドの南端、そんなところで息を潜めて
じっと時間を待ちます。
寂しくはありません。この感覚は、夜釣りで大物を狙うのと
そっくりです。草の匂い、海の音、鳥の声、虫の音、大自然の
中で、最後の数時間を待ちます・・・
ライトに気づいて、近くのブッシュで鳥の子供が騒いで親に
怒られてたり、夜目の利く鳥が、私のところに何度も威嚇して
飛んできたり・・・・
不思議な雰囲気の中・・・
すると・・・
・・・なんか、端が赤くなってるぞ???
肉眼でもわかります。ちょっと空が開けたところの色が
変わってます。そして、何か波打ってます。
出た!!!やっと出た!!!
幅はそれほど広くありませんが、赤いカーテンが
揺れています。そして、急に光って動き出しました。
!!! 空から赤い光の柱が降りてきました。
時間にしておそらく数分もないかもしれません。
赤い柱はゆらゆらと右側に移動して行き、消えて
いきました。
やっと・・・ 見れたぁ・・・
一番望み薄だと思っていた場所で、それも最終日、
朝早くにはここを出なければならない本当の
どんずまりで、ついにオーロラをキャッチできました。
場所を変えずにブラフにしたのが良かったのかも
しれません。この日は、アクティビティレベルが最高に
なったのはこの時間帯前後だけで、最南端に位置する
からこそ見えたのかもしれません。
その後は残念ながら激しい活動は起きず。
でも、黄色い水平線はゆらゆら揺れてます。
肉眼だとわかりづらういですが、カメラで連続撮影
していると、特徴的な黄色いカーテンが揺れて
いるのがわかります。
そして、たまに淡い光柱を発しながら、ゆっくりと
活動は収まっていきました。
天の川、マゼラン星雲ともこれでお別れ。
帰りのタクシーの時間ギリギリまで粘りましたが、
神様は「贅沢を言うな」とでも言っているのでしょうか。
ほんとうに、最後に未練のない素晴らしいものを
見ることができました。
ほいみんの今回の旅日記は今回が最終回です。
今回は突然の旅行で、奥様もあきれているような状況でした。
でも、行きたいと思ったら行く、見たいと思ったら見る。
人間はいつどうなるかわかりませんので、お金稼ぎが嫌に
なったら、いつでもどこへでも行きます。
旅行記、読んでくださってありがとうございました。
次回ももちろん未定です。