映画「まぼろしの邪馬台国」
テーマ:読書・映画『魏志倭人伝』から始まる~倭人は帯方の東南大海の中にあり、山島に依りて國邑をなす。旧百余國。漢の時朝見する者あり、今、使訳通ずる所三十國~
邪馬台国所在地論争と言っても、"畿内説"に較べて"九州説"は近年すっかり劣勢のようだ。それでも"九州説"には反中央集権の反骨心が見え隠れしているようで興味深い。「まぼろしの邪馬台国」はそんな"九州説"を研究者による論争から一気に歴史ミステリー的要素もあって一般大衆の耳目を集め、第一回吉川英治文化賞を受賞するに至る。
NHK福岡で和子(吉永小百合)が司会を務める番組に、島原鉄道社長の宮崎康平(竹中直人)がゲストとして出演した縁で、彼は目が見えないのに和子に一目惚れ、島原へと呼び寄せる。彼女は観光バス事業のためのバスガール教育指導を任され、一時は事業も成功を収めるが、猛威をふるう自然災害集中豪雨の前に撤退を余儀なくされ、宮崎康平も社長の座を追われたことから、かねてよりの夢、邪馬台国探しの旅が始まる・・・・
とにかく竹中直人の個性が強烈、吉永小百合の若さに驚く・・・・ディレクターの大杉漣、旅館おかみの由紀さおり、銀行頭取の江守徹、司会者の草野仁、学者の大槻義彦、人夫の大仁田厚、バスガールの柳原可奈子、他にも余貴美子に綾小路きみまろ、風間トオル、窪塚洋介など多彩で豪華なキャストなんだけど、みんながかすんでしまいそうな程に際立つものがある。映画としては泣かせる部分も随所にあるけど物語としてのスムーズさには欠けるようでちょっと残念な感じです。映画の始まりは少女時代の和子(宮崎香蓮)から、日中戦争のため福岡は柳川へと引き上げ、火事で父親を亡くし、そしてNHK時代と、和子の視点で描かれ、不思議な運命で島原鉄道社長と結ばれる。人の一生の物語でもあるけど、いわば主演2人から発揮される地力を堪能する映画と言ったほうがいいのかも知れません。 まぼろしの邪馬台国





