映画『イノセント・ボイス-12歳の戦場-』 | 茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~

映画『イノセント・ボイス-12歳の戦場-』

原題:Voces inocentes
1980年代中南米エルサルバドル、12年間の内戦の真っ只中にあった自分の記憶を脚本にした実話の物語、14歳でアメリカへ亡命したオスカー・トレス
イノセント・ボイス Voces_inocentes_(2004)
彼の住む小さな町クスカタンシンゴは政府軍と反政府ゲリラ(FMLN)の狭間にあって、こんな現実思いもよらないが銃撃戦のたびに、家に中にも流れ弾が飛び込んでくる。11歳のチャバ(カルロス・パディジャ)と姉と弟と母親ケラ(レオノア・ヴァレラ)の家族も、アメリカへ去った父親がいつか戻ってくると信じて、必死に暮らしを立てる日々・・。12歳になると政府軍がやってきて強制的に徴兵されてしまうが、その手を逃れ、ベト叔父(ホセ・マリア・ヤスピク)の勧めもあってゲリラに参加することを決意する。
この映画、あまりに過酷な現実に戦慄を覚えずにはいられない。まだ12歳になったばかりの少年達が戦場で殺し合いを繰り返すなんて・・優しかった新任の先生の娘クリスティナ・マリア(クスーナ・プリムス)にチャバは恋するが二人の家も壊され生死も不明、なにかと助けてくれた司祭(ダニエル・ヒメネス・カチョ)も木につるされ、チャバたちもゲリラの元へ行った日に政府軍の襲撃を受けて親友二人は射殺されるが、間一髪難を逃れ母と再会涙する。悲惨な内戦に逃げまどう人々のなかにあって母と息子の絆が感動的に描かれているのが救いで見所になっている・・。(1/18wowow)