薮下哲司の宝塚歌劇支局プラス

映画・演劇評論家の薮下哲司(元スポーツニッポン特別委員)が宝塚歌劇はもとより映画、演劇など幅広い分野のエンターテイメント情報をお伝えしていきます。


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紅ゆずる、綺咲愛里、新トップコンビ披露「オーム・シャンティ・オーム」前トップ、北翔海莉も応援にかけつけ熱い千秋楽

 

星組の新トップコンビ、紅ゆずる、綺咲愛里の披露公演、マサラ・ミュージカル「オーム・シャンティ・オーム」~恋する輪廻~(小柳奈穂子脚本、演出)が、18日、東京国際フォーラムホールCで前トップ、北翔海莉が見守る中、千秋楽を迎えた。今回はこの模様をお伝えしよう。

 

千秋楽の直前に7月22日から梅田芸術劇場メインホールでの再演が発表され、出演者のノリも最高潮となった千秋楽。連日、さまざまなOGやジェンヌが駆けつける中、この日昼の部についに前トップ、北翔が応援にやってきた。しかも2階後方での観劇、いかにも北翔らしい気遣いだが、カーテンコールで紅が「北翔さん!」と呼びかけると「おめでとう!」と大声で祝福。紅は「北翔さんは二階上手にいらっしゃいます」と手を振り「北翔さんに教わったたくさんのことを大切にしてこれからの公演を務めていきます。」と挨拶して、満員のファンから大きな拍手を浴びていた。

 

さて、披露公演となった「オーム―」は、2007年の同名インド映画の舞台版。人気女優シャンティ(綺咲)に憧れるエキストラ俳優のオーム(紅)は何とか共演のチャンスをつかもうと必死だったが、ある日、プロデューサー、ムケーシュ(礼真琴)が、シャンティを殺害するために放った火災の現場に居合わせ、彼女を助けようとして大スター、カプール(壱城あずさ)の運転する車にはねられて絶命する。30年後、火災の日に生まれたカプールの息子、オーム(紅2役)は大スターになっていたが、なんとそれは死んだオームの生まれ変わりだった。インド映画らしい輪廻転生のストーリーで、まあいえば何でもありだが、インド映画らしい華やかな群舞シーンをふんだんに挿入しながら、年月を超えたラブストーリーが展開する。何しろ衣装が脇に至るまで超カラフルで「グランドホテル」を見た後では、これが同じ劇団の作品かと見まごうばかりだ。

 

インドは階級社会で、生まれによって人生すべて決まってしまうような国だが、映画界も同じらしい。紅は、前半は代々エキストラしかできない庶民的な家庭に育ったオーム、後半は代々主役を演じるスターの家庭に育ったオームを、振り幅大きくオーバーに演じ分け、シリアスな役柄よりもこういう役柄の方が断然似合うこともあって、披露公演とは思えないほどのびのびとしていて、見ていても思わず頬がほころぶ。

 

相手役の綺咲も前半は人気女優、後半はオームに憧れる女優志願の少女をいかにもインド人女性という感じの濃いメイクで楽しそうに演じ分けた。後半の女優志願のシャンティが、芝居の稽古をするくだりで全然できないところなど大いに笑わせてくれた。歌唱は紅ともども音程が不安定で、本来なら聞いていてフラストレーションがたまるところだが、あまり気にならなかったのは芝居の明るさにもよるようだ。

 

オームとシャンティの運命を狂わす存在、ムケーシュに扮した礼は、この作品で唯一の濃い悪役。黒いサングラスで格好をつけ、出てきただけで黒い雰囲気が漂う。思わず笑ってしまうほどの作りだが、歌の巧さは一番で、聴かせて見せる。礼にとっても新境地開拓になったようだ。

 

あと、星組期待の若手、瀬央ゆりあは、オームの親友で何かとオームの世話を焼くパップー役。特にこれといって見せ場はないのだが、常にオームのそばにいる相棒的な役どころで、いかにもこれからの人といった若々しさが清新だった。脇役ではオームの母親役を演じた美稀千種の達者さが舞台を締めた。

 

なお夏の梅芸再演では、礼が出演しないのでムケーシュ役が役替わりになることが決まっており、この役に誰が入るか注目となりそうだ。

 

©宝塚歌劇支局プラス1月19日記 薮下哲司

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