浅草ロック座は一度だけ行った事がある。二十歳くらいのころだ。
それも友人達と行ったのではない。大学のゼミの一環で教授と一緒に訪問したのだ。

そのゼミは「儀礼と演劇ゼミ」という。必修科目ではないので必修単位には影響しないのだけど、友達に誘われて面白そうだから取ることにした。というか必修でもないくせに入ゼミ試験みたいなのがある。当時の時事問題などを話題にして小論文を書かせるのだけど。私の頃は「宮沢りえのヌード写真集についてどう思うか」とか確かそんなテーマだったように思う。

日本の伝統芸能や儀礼、祭りなどを見学に行くのがメインテーマなので、能(半分以上寝ていた)や歌舞伎、相撲や各地のお祭りなど普通に大学生が行けないようなところに連れて行ってもらったように思う。時には学生がお題を提供するわけだが、そのテーマの中にストリップ鑑賞というものがあったわけだ。

たしかに一つの日本文化とも言えなくは無い。ある時期はフランス座やロック座から、若手の芸人が幕間に芸を磨いていたりしてメジャーになったケースもある。特に女子学生はストリップ小屋に入ることはまず在り得ないだろうから、一番積極的だったのは彼女達のような気もしなくはない。浅草ロック座に普段現れない女子連れの若い学生風の集団が現れ一番、困惑していたのは常連の人たちだったような気もするなあ。

私は当時、視力が両目ともに0.3程度だったにもかかわらずコンタクトレンズも眼鏡もしていなかったので、ご開帳のシーンも暗闇の中で何か黒いものが見えた程度で、余り楽しめなかったのはいい思い出である。

泣きだすファン!小向、足元まで下ろしたTバック!

さて、小向美奈子である。
まあ、大して売れてもいなかったグラビアアイドルとは言え、これほどの美形で若い元アイドルが浅草ロック座でストリップをやるということがあっただろうか。これは一つの時代の始まりなのかもしれない。

つまり、売れなくなったグラビアアイドルの一つの行き先が元芸能人AVであるならば、浅草ロック座を頂点とするストリップ劇場に行くというのも、ギャラ次第ではあるのだろうが、一つの行き先として定着するかもしれないと思う。

なぜなら、AVはパッケージ流通が廃れ動画配信メインになれば、どんなに売れないコンテンツだって、配信コストはたいして掛からないのだから半永久的に裸や裏モノ流通となれば、大事なところも配信され続けるわけだが、ストリップ劇場でのご開帳ならばそこにいる観客だけの瞬間のものだ。ネット上に半永久的に残るものではない。

さらに、踊りを覚えられるというメリットもある。そういう意味で職業としての誇りももちやすいのではないだろうか。どちらにしても、私のような雑誌を全てチェックしているような、グラビアアイドルファン?にとっては嬉しいような悲しいような。とてつもない時代が来たものだと感慨にふけるような感じですよ。


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