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『少子高齢化が日本経済を救う(後編)①』三橋貴明 AJER2017.5.30

https://youtu.be/onEQa07GWBM
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 改めて、おカネとは「債務と債権の記録」に過ぎません。誰かの資産が増えたとき、反対側で誰かの負債が必ず増えます(政府発行硬貨のみが例外)。

 我々、一般の家計や企業は、おカネという「資産」の裏にある「負債」には目がいきません。というわけで、
支出をするためには、一定の資産が蓄積されていなければならない
 という考え方に囚われてしまうのです。


 とはいえ、現実には日本銀行は国債を買い取ることで、日銀当座預金というおカネ(日銀にとっては負債)を発行できます。また、銀行にとっては資産である日銀当座預金を「現金化」する形で、現金紙幣を市中に流通させることができます


 さらに、日本政府は「硬貨」という、「誰の負債にもならない資産」としてのおカネを発行できます。と言いますか、発行しています。


 中央政府、中央銀行は、経世済民の目的が達成できるならば、おカネを発行しても構わないし、そうするべきなのです。


 とはいえ、我々は違います。家計や企業はおカネを発行することはできません。厳密には「小切手」「約束手形」といったおカネは発行できますが、その裏付けとして当座預金残高が必要です。


 当座預金残高は、我々が過去に生産者として働き、モノやサービスを生産し、誰かに支出してもらうことで稼いだ所得から、消費や投資に回らなかったものが蓄積されたものです。すなわち、家計や一般企業の支出や貯蓄の源は、所得なのです


 家計や一般企業が、
「○○をするために所得を稼ぎ、おカネを貯めよう」
 と考えることは自然なことであり、現実的です。


 とはいえ、政府は違います


 未だに、政府の国債は「税金から返すしかない」などと、荒唐無稽で非現実的な考えに染まっている人が多いのが我が国の実情です。「税金で国債を償還する」とは、
「国民からの所得の分配(税金)で負債を返済するしかない」
 との発想であり、政府と家計・企業を混同した愚かな発想です。


 実際には、政府には「税金での返済」「借り換え」「通貨発行による返済」などなど、複数の負債「処理」方法があります。

 もちろん、超好景気で税金の使い道がないならば、負債を返済しても構いません。景気が絶好調であるにも関わらず、政府が税収が増えたことを受け、調子に乗って支出を拡大すると、間違いなくインフレ率が健全は範囲を超えて上昇してしまいます。


 とはいえ、現実には政府の負債は、基本的には「借り換え」されるものです。というか、されています。


 加えて、通貨発行権を持つ政府が、
「○○をするために、おカネを国民から徴収しなければならない」
 などと考えることは、ケインズの言葉を借りると「未開社会の遺物」なのでございます

 とはいえ、日本の政治家のほとんどは、おカネの本質を理解せず、「未開社会の遺物」と化してしまっているわけでございます


消費増税避けて通れない、間違いなく上げる=石原経済再生相
http://jp.reuters.com/article/ishihara-tax-idJPKBN1901GF?il=0
 石原伸晃経済再生担当相は9日、経済財政諮問会議後に会見し、2019年10月に予定されている消費税率10%への引き上げについて、少子高齢化社会における社会保障費の増加に対応するため、「消費増税は避けて通れない。間違いなく上げていく」と語った。(後略)』


 本ブログの読者の皆様にとっては、石原大臣の、
「(少子高齢化社会における社会保障費の増加に対応するため)消費増税は避けて通れない。間違いなく上げていく」
 という発言は、狂気の部類に入るのかも知れません。とはいえ、石原大臣の認識は、間違いなく日本の「社会通念」です。


 おカネに関する誤解。経済学的な用語を使うと、金属主義と表券主義の違い


 まるで貴金属のごとく、おカネそれ自体に「資産としてのみの価値」があるとする金属主義(貴金属にせよ、価格は変動するのですが)。財務省が主導する財政破綻論、緊縮財政至上主義の蔓延は、人類を長年苦しめてきた「金属主義」という間違った考え方の産物なのです。


 石原大臣の発言は、別に特殊な例ではなく、おカネの本質を理解せず、金属主義にとらわれつづけ、愚かな政治を繰り返してきた過去の人類の収束点と言えないこともないのです。


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