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『ポストグローバリズム時代に一番有利な国①』三橋貴明 AJER2016.12.27

https://youtu.be/qCnlVHWdptU

   

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 アメリカの次期大統領ドナルド・トランプが記者会見し、「最も多くの雇用を作り出す大統領になる」と宣言しました。


『移転企業に「高い国境税」 トランプ氏が当選後初会見 
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGN12H0D_S7A110C1000000/
 トランプ次期米大統領は11日、当選後初めて記者会見を開き「最も多くの雇用を作り出す大統領になる」と抱負を述べた。米国外に工場を作る企業には「高い国境税をかける」とけん制し、製薬業界など産業界に米国で生産するよう呼びかけた。米大統領選へのサイバー攻撃については「ロシアが関与した」と認める一方、「他の国も攻撃した」と指摘した。
 トランプ氏は会見の冒頭「過去数週間、いくつかの良いニュースがあった」と切り出し、自動車大手のフォード・モーターやフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が米国での生産増強を決めたことに感謝した。
 その上で「製薬会社は米国に薬を供給しているが、ほとんど生産していない」などと述べ、批判の矛先を製薬業界に向けた。米国内の雇用を増やすため「(米国を)去り、好き放題やっている企業には高い国境税をかける」と改めてけん制した。
 北米自由貿易協定(NAFTA)などを念頭に「米国の通商協定は完全な失敗だ」と批判し、「中国や日本、メキシコなどと貿易不均衡に陥っている」と指摘した。(後略)』


 国民は生産者として働き、モノやサービスを生産。顧客に消費・投資として支出してもらい、所得を稼ぐ。生産者は稼いだ所得を持ち、今度は顧客側に回り、別の生産者が生産したモノやサービスに、消費・投資として支出する。すると、別の生産者に所得が生まれる。


 上記、所得創出のプロセスが回り続けるのが「実体経済」になります。すなわち、実体経済とは「雇用」そのものと言えるのです。


 企業が外国に直接投資を実施し、安いコストで生産を実現。利益を稼いだとしても、生まれているのは「外国の雇用」です。

 あるいは、国内で生産できるものを、わざわざ外国から輸入した場合、生産者はやはり外国人になります。本来、その製品の需要に対し、国内で生産が行われれば、国民の雇用になるはずなのですが、輸入ではなりません


 特に問題なのが、「対外直接投資+輸入」の組み合わせ、いわゆる「逆輸入問題」です。例えば、アメリカがメキシコから自動車を逆輸入した場合、
「国民の雇用が生まれない」
「需要が奪われている(アメリカの需要に対し、メキシコの生産者が供給している)」
 と、二重の意味で国民経済(実体経済)はダメージを受けてしまいます


 無論、経済が適切なインフレ率の下で成長を続け、国内が完全雇用状態になっているならば話は別です。


 完全雇用でありながら、それでも需要の方が旺盛だ。

 となれば、企業が外国に工場を建設し、製品を逆輸入することは「国民経済的」にも正当化されます。とはいえ、現実は違います

 企業の「対外直接投資+輸入」拡大は、単に「利益最大化」のために行われているにすぎません。そして、なぜ企業が利益最大化を目指すのかといえば、もちろんグローバル株主資本主義が蔓延してしまったためです。


 上記話のポイントは、主に二つあります。


【インフレギャップとデフレギャップ】

 一つ目は、経済においてインフレギャップが継続しており、国内が完全雇用になっているならば、「逆輸入問題」」は目立たないという点です


 とはいえ、国内に「非自発的」失業者が存在し、実質賃金が低迷している場合は、逆輸入問題は「雇用の敵」とみなされることになります。ちなみに、経済学は「非自発的」失業者を認めていないからこそ、あれほどまでにおバカ学問になってしまったのです。


 そして、二つ目。企業の経営に対し、「その国の国民の豊かさ」と無関係なグローバル株主が影響力を強めると、
「だって、そちらの方が利益になるじゃん」
 というシンプルな理由から、対外直接投資+輸入拡大が進んでしまうという点です。だって、そちらの方が(自分の)利益が大きくなるじゃないですか


 アメリカは日本に先駆け、グローバリズムに基づく構造改革が進みました。結果的に、国民(製造業の労働者など)が許容できないほどに所得格差、資産格差が拡大し、「グローバル化疲れ」が蔓延することになったわけですが、トランプが本気でアメリカの製造業の雇用を増やしたいならば、「逆方向の構造改革」が必要になります


 例えば、「企業の株式に占める外資系の割合を制限する」「短期の株式取引に税金をかける」といった構造改革です。果たして、そこまで踏み込めるのでしょうか。


 また、インフレギャップの逆、すなわちデフレギャップは国民を貧困化させます。すると、安い製品を求める「国内の消費者」までもが、「逆輸入」を支持することになるわけです。

「だって、そちらの方が安く買えるじゃん」


 完全雇用が消滅した先進国でグローバリズム、構造改革が推進され、各国でグローバル化疲れが進行。流れが反転し、イギリスのブレグジット、あるいはトランプ大統領誕生に繋がったのが2016年という年でした。


 雇用の問題と言えば、特に深刻なのが若年層失業率です。ヨーロッパ諸国はもちろん、アメリカ、中国、韓国、台湾といった国々においても、若年層失業率は二桁が続いています


 そんな中、ある国の雇用が明らかに「改善」しており、若年層失業率に至っては5%前後と、世界が羨む水準になっています


 もちろん我が国ですが、というわけで明日は我が国の「雇用」についてみてみましょう。


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