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『ヘリコプターマネー①』三橋貴明 AJER2016.8.23

https://youtu.be/1UzK-Gn-vpU
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 またまた、安倍政権が日本の食料安全保障を弱体化させる「規制緩和」に走っています

 政府の規制改革推進会議は昨日、農業作業部会の初会合を開き、安倍総理が当面の優先課題と位置づける農業分野の規制緩和について議論を始めました。

 まずは、この秋をめどに、牛乳やバターの原料となる生乳流通の自由化などについて結論を出すということです。


『生乳の流通改革、今秋までに結論 規制改革会議の農業部会 
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS13H1M_T10C16A9PP8000/
 政府の規制改革推進会議は13日、都内で農業ワーキンググループ(作業部会)の初会合を開いた。バターや牛乳の原料となる生乳の流通改革について、今秋までに結論を出す方針を確認。肥料やトラクターなど農業資材の価格引き下げに向けた具体策も秋までにまとめる。
 作業部会は金丸恭文フューチャー会長兼社長、飯田泰之明治大准教授ら推進会議の委員のほか、酪農家やコメ農家など計10人で構成。今後、月に3回程度のペースで会議を開く。
 「指定団体」がほぼ独占する生乳の流通制度をめぐっては、今年5月の答申で「抜本的改革を検討」と明記。今後、関係者へのヒアリングなどを経て具体策をまとめる。山本幸三規制改革相は会合で「バター不足が頻繁に起こることはおかしい。どこに問題があるかを追求し改善してほしい」と語った。』


 現在の日本において、生乳は指定農協団体が集荷・販売を独占し、生産量や用途を決めています。この現在の制度を変更し、酪農家が生産を増やす機会などを増やし、経営努力の意欲向上を促すとの「お題目」になっています。

 要するに、指定農協団体の「解体」を図るという話です。

 まずは理解してほしいのは、「協同組合」の成り立ちです。


 世界史で初めて成功した「協同組合」は、産業革命後のイギリスで誕生した、ロッチデール先駆者共同組合になります。

 産業革命により工場における大量生産が主流となったイギリスでは、製造業に携わる労働者が劣悪な雇用環境と貧困に喘いでいました。さらに、労働者は日常的に購入する食料や衣類など、生活必需品の品質の悪化や価格高騰に悩まされていたのです。

 労働者側に販売店の選択肢はほとんどありませんでした。質が悪く割高な商品であったとしても、労働者たちは購入せざるを得なかったのです。

 個別に見れば「小さな買い手」である労働者たちは、大手の小売業者の巨大なセリングパワーに対し、個々人で対抗することはできませんでした。というわけで、個々では「小さな買い手」に過ぎない労働者を束ねることでバイイングパワーを増し、既存の大手小売業者に対抗するための協同組合が誕生したのです。


 1844年12月21日、ランカシャーのロッチデールに「個別の労働者の購買力」を統合することで購買力を強化し、大手小売商に対抗することを可能にする「生活協同組合」の店舗が開かれました。協同組合運動の先駆的存在となった「ロッチデール先駆者協同組合」の誕生です。

 要するに、「小さな買い手」あるいは「小さな生産者」が、大資本のセリングパワーやバイイングパワーに対抗し、損を強いられることがないように、「小さな経済主体」を束ねることで相互扶助を図るのが「協同組合」なのです。農協も、生協も、全て同じ発想です。


 お分かりでしょう。

 指定農協団体は、「小さな生産者」である酪農家のパワーを束ねることで、大手流通・大手小売のバイイングパワーに対抗しているのです。指定農協団体の制度が解体されれば、酪農家は個別に大手流通・小売と取引をすることになり、「確実に」生乳を買いたたかれることになるでしょう。結果、酪農家は弱いところから廃業していくことになります。

 本件については、東京大学の鈴木宣弘教授が問題点を明確に指摘していらっしゃいます。こちらも併せてお読みくださいませ。


『2016.04.04 【緊急寄稿】生乳流通見直し問題 指定団体廃止は間違い 東京大学教授 鈴木宣弘
http://www.jacom.or.jp/nousei/proposal/2016/160404-29536.php
 政府の規制改革会議農業WGは3月31日、▽すべての生産者が生産数量・販売ルートを自らの経営判断で選択できるよう、補給金交付を含めた制度面の制約・ハンディキャップをなくす、▽指定生乳生産者団体を通じた販売と他の販売ルートとの間のイコールフッティング確保を前提とした競争条件を整備するため、「現行の指定生乳生産者団体制度を廃止する」との提言をまとめた。これに対して「指定団体廃止は間違い」と東京大学の鈴木宣弘教授は批判する。規制改革会議の農業・農協改革論全体の問題も改めて認識する必要がある。(後略)』


 鈴木教授が例に出されていますが、94年にイギリスのMMB(ミルク・マーケティング・ボード)が解体され、生産者は個別に大手流通・小売立ち向かうことになりました。結果的に、生乳は買いたたかれ、酪農家の所得は減っていきました。酪農家が単体で、巨大資本と価格交渉をして、勝てるはずがありません。

 酪農家が損をした分、大手流通・小売側が儲かる。消費者も一時的には価格下落というメリットを受けるものの、長期的には国内の生乳生産能力が低下し、食料安全保障弱体化という意味のしっぺ返しを受ける。あるいは、生産量が天候不順等で減少した際に、価格高騰というしっぺ返しを受ける。


 イギリスで失敗した「規制緩和」を、そのまま進めようと知れているのが日本の安倍政権であり、規制改革会議というわけです。


 わたくしは一日本国民として、国内の生産者に「損」を押し付け、食料安全保障を弱体化させる規制緩和に反対します


「食料安全保障弱体化をもたらす規制緩和に反対する!」に、ご賛同下さる方は、 

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