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『ヘリコプターマネー①』三橋貴明 AJER2016.8.23

https://youtu.be/1UzK-Gn-vpU
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 本日はチャンネル桜「Front Japan桜」に出演します。

http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1651

 経済界 9.20 に連載「深読み経済ニュース解説 運送サービスの危機」が掲載されました。


 日本銀行が2013年春以降の金融政策について「総括的検証」を実施する金融政策決定会合が近づいてきました。


 現在、日本銀行の審議委員たちは「三派」に分かれてしまっているようです。すなわち、マイナス金利政策を推す黒田総裁派、量的緩和の拡大を主張する岩田副総裁ら「いわゆるリフレ派」、更には追加緩和に反対する審議委員です。


 というわけで、総括検証では三者の意見を織り交ぜた「玉虫色」になるのではないかと噂されています。


 もっとも、本質的な問題は「日本銀行の金融政策の効果」「どの政策が的確だったか」といった細かい話ではありません。本銀行が250兆円を超す日本円を新たに発行したにも関わらず、なぜインフレ率がマイナスに戻ってしまったのか、です。


 しつこいほど書いておきますが、お金を発行する「だけ」でインフレ率が上昇するはずがありません。インフレとは、わたくし達が生産者として生産するモノやサービスの価格(=物価)が上昇することです。


 そして、物価が上がるのは、モノやサービスが買われたときです。あるいは、買われるときです。

 日本銀行が量的緩和政策により250兆円で購入したのは、主に国債です。国債はモノでもサービスでもない、ただの借用証書です。国債を日銀当座預金残高(というお金)で買うだけで、インフレになるわけないでしょ


 また、黒田日銀総裁は、マイナス金利政策の効果として、「家計や企業にとって借り入れコストが下がる」ことを強調すると同時に、銀行の収益を悪化させるデメリットもあると説明しましたが、そもそもわたくしたち経営者や家計は、別に、
「借り入れコスト(金利)が高いから、お金を借りない。投資しない」
 などと考えているわけではありませんから。単に、再デフレ化で投資案件がないためです。あるいは、実質賃金が伸びず、雇用が不安定化しているからこそ、カネを借りてまで住宅投資をやろうとは思わないのです。


 などと書くと、お偉い経済学者の皆様は、すぐに「実質金利」がどうのこうのと机上の空論を言い出すわけですが、実質金利など見ている経営者などいません。見ているのは投資利益と名目金利です


 それはともかく、デフレ化の主犯は国民でもなければ、経営者でもありません。銀行でもなければ、日本銀行ですらありません。


 日本政府です


 安倍政権が「戦後最悪の緊縮財政」を強行したからこそ、日本経済はデフレに舞い戻っているのです。悪いのは、安倍政権であり、消費税増税をはじめとする緊縮財政なのです。


 すなわち、日本銀行が金融政策の「総括」を実施するなら、結論は端から明らかなのです。
日本銀行は十分な金融緩和を実施したが、政府が消費税を増税するなど緊縮財政で需要を縮小させたため、物価目標の達成ができなかった
 おわり。


 てなもんでございます。

 それにも関わらず、日本銀行は「政府の緊縮財政」という主たる問題から目をそらし、「物価が上がらないのは原油価格下落のせい」などと、少なくとも2015年後半以降は全く通用しない説明(※一年前と比べ原油価格は下がっていないため)を繰り返してきました。

 ところが。。。


緩和総括「縮小の方向ではない」 日銀・黒田総裁が講演
http://www.asahi.com/articles/ASJ953R0TJ95ULFA00L.html
 日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁は5日都内で講演し、20~21日の金融政策決定会合で行う金融緩和の総括的な検証について「緩和の縮小という方向の議論ではない」と述べ、2%の物価上昇目標の実現へ向けた検証だと強調した。「量・質・金利の各次元で拡大は十分可能で、それ以外のアイデアも議論の俎上(そじょう)からはずすべきではない」とも語り、追加の金融緩和に踏み込む可能性も示唆した。
 黒田氏は金融緩和が「経済好転に大きな役割を果たしている」とし、「『物価が持続的に下落する』という意味でのデフレではなくなっている」と述べた。現在の物価低迷は原油安や消費増税、海外経済の減速が影響しているとした。(後略)』


 消費税増税・・・。


 まさか、黒田日銀総裁の口から「消費税増税が物価低迷の一因」といったニュアンスの発言が出てくるとは・・・。変われば、変わるものです。


 9月20日・21日の金融政策決定会合では、日本銀行に是非とも「消費税増税などの緊縮財政」により物価が上昇しなかったと、断じてほしいと思います。原油安や海外需要縮小ではなく、「緊縮財政が諸悪の根源」との認識が広まって初めて、我が国は「財政政策による十分な需要創出」という正しい道を歩むことができるのです。


 日本銀行は「政府の責任」を追及せよ! 


「緊縮財政こそがデフレの主因だ!」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを! 

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