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新世紀のビッグブラザーへ blog

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『2016年第一四半期を振り返る(後篇)①』三橋貴明 AJER2016.4.26(9)

https://youtu.be/zOAOYTdAZyY
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 2013年、大規模災害からの復興に関する法律(大規模災害復興法」が成立しました。同法の目的は、


『第一条  この法律は、大規模な災害を受けた地域の円滑かつ迅速な復興を図るため、その基本理念、政府による復興対策本部の設置及び復興基本方針の策定並びに復興のための特別の措置について定めることにより、大規模な災害からの復興に向けた取組の推進を図り、もって住民が安心して豊かな生活を営むことができる地域社会の実現に寄与することを目的とする。 』

 と、されています。

 大規模災害復興法の中に、「災害復旧事業等に係る工事の国等による代行 (第三節)」がありまして、被害を受けた漁港、砂防ダム、港湾、道路、空港、海岸、地滑り防止設備、下水道、河川ダムなどの災害復旧、及び新たな災害防止のための新設又は改良に関する事業 について、中央政府が代行して行うことを定めた条文があります。(ちなみに、三橋は「国」という抽象的な表現を問題視しているため、法律で「国」となっていても、中央政府と呼びます。)


 今回の熊本・大分地震が、大規模災害復興法の適用第一号となりました。


熊本の土木復旧工事、国が代行へ 大規模災害法を適用
http://www.asahi.com/articles/ASJ575RWSJ57UTIL01H.html
 熊本県を中心にした一連の地震について、政府は大規模災害復興法に基づく「非常災害」に指定する方針を固めた。被災した自治体が管理する道路や漁港などの復旧を、国や都道府県が代行できるようにする。近く政令を閣議決定する。東日本大震災を受け、2013年に施行された同法の初めての適用となる。

 一連の地震では、同県益城町などで庁舎が被災し、行政機能が著しく低下した。県も被災市町村の支援や仮設住宅の整備など、被災者対応に追われている。国は指定により、道路などの復旧事業を肩代わりし、復旧・復興を加速させる。
 県は、土砂災害で崩落した同県南阿蘇村の阿蘇大橋や俵山トンネルの復旧工事について、国による代行を要望している。阿蘇大橋は県管理の国道325号に架かり、県が再建主体。俵山トンネルも県道にある。いずれも村と熊本市方面とを結ぶ重要道路だが、技術的に難工事が予想され、二次災害の恐れもあり、県だけでは対応が難しかった。
 指定後、国は速やかに職員を派遣し、復旧計画の作成や建設業者への発注業務を担う。
 東日本大震災でも自治体が甚大な被害を受けたが、国による業務代行は特別法の制定に手間取った結果、震災から1カ月余り後の11年4月末まで始められなかった。大規模災害復興法はその反省から制定された。

 政府はすでに一連の地震を激甚災害に指定している。公共土木事業の場合、通常の災害復旧なら69%の国庫補助率を83%まで上げ、残り大半を交付税で支援することで、自治体の実質的な負担率は0・8%程度になっている。』


 熊本・大分地震はすでに激甚災害指定されているため、インフラを普及する土木工事について、地方自治体はほぼゼロ負担で事業を進めることができます。とはいえ、ここで問題になるのは、おカネではなく「人材」という名の供給能力です。


 長年の公共事業削減、意味もなき土木・建設業叩きにより、我が国は「土木・建設サービス」の供給能力を棄損し続けてきました。熊本県も例外ではありません。


【熊本県の建設業の県民経済生産と公的固定資本形成(単位:百万円)】


http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_52.html#Kumamoto


 図は熊本県の建設業の県民経済生産と、公的固定資本形成の推移を見たものです。

 もちろん、熊本県の建設業は、別に公共投資ばかりを受注しているわけではありません。民間の建設需要に対しても、サービスが供給されます。


 同じく、熊本県の公的固定資本形成は、何も建設業にばかり支払われるわけではありません。

 というわけで、両者がバラバラな動きしてもおかしくないのですが、現実には極めて類似しています。すなわち、熊本県は公的固定資本形成が増えれば、建設業の生産が拡大するのです(逆も同じ)。


 熊本県は、2001年には約4700億円だった公的固定資本形成を、2012年には3000億円にまで減らしました。十年強で、何と36%減です

 2013年に公的固定資本形成が回復しましたが、2012年7月の九州北部大水害の影響でしょう。大規模自然災害が発生すれば、さすがに(大抵は翌年に)公的固定資本形成は増えます。


 建設業の生産を見ると、2001年に4661億円だったのが、2012年には2957億円となっています。建設業の生産「実績」が、約37%縮小したのです。当たり前ですが、この期間、熊本県の土木・建設サービスの供給能力は著しく減退しました。生産がなされない状況で、供給能力を維持することは神様にもできません。

 民間の土木・建設サービスの供給能力が縮小すると、当然の話として行政側の対応能力も削られていきます。民間だろうが、行政だろうが、仕事をしなければ「供給能力の蓄積」は不可能なのです。


 結果的に、少なくとも今回の熊本・大分地震について、熊本県は自力で全てのインフラ復興は困難という状況に追い込まれ、大規模災害復興法の適用を求めることになりました。


 激甚災害指定を受け、「おカネ」の面がクリアされたとしても、地方自治体が十分な供給能力(行政側の対応能力を含む)を持っていない場合、中央政府が支援をしない限り「どうにもならない」状況になります。別に、熊本県に限らず、今や東京圏を除く、ほとんどの地方自治体が同じなのではないかと思います。


 すでに行政のインフラ関連の「技術者不足」は深刻です。だからと言って、行政が民間の土木・建設業者から技術者を引き抜くのも問題です(すでに発生しています)。民間も、行政側も、共に「技術者を育てる」という姿勢を取り戻さない限り、我が国は自然災害からの復旧・復興もおぼつかない発展途上国に落ちぶれます。


 自然災害からの復旧、復興能力を保有し続けるためには、民間や行政がインフラを「建設し続ける」「整備し続ける」必要があるのです。(他に方法があるというならば、教えて下さい)


 我が国は、今後は生産年齢人口比率の低下の影響で、超人手不足になります。人手不足をクリアするためには、公共投資でインフラを整備していかなければなりません(民間の投資も必要ですが)。


 今後の日本は、人口が減るから公共投資はいらない、のではありません。


 生産年齢人口比率が低下し、生産性向上が必須であるからこそ、公共投資でインフラを整備していかなければならないのです。


 同時に、自然災害大国である以上、非常事態に土木・建設サービスの供給能力を確保するためにも、平時において公共インフラ整備の事業を継続していかなければならないのです。


 他に方法あありません。そして、、もはや猶予時間はないのです。

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