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『自然失業率①』三橋貴明 AJER2014.12.16(3)

http://youtu.be/AjgzRylJOYk

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 三橋経済塾第四期「経済時事」、開講しました。


 第一回目の講義は、1月18日(日)です。ゲスト講師も次々に決まっておりますので、塾生の方は「対面講義のスケジュール及びゲスト講師 」で確認してくださいませ。


 本日はは6時から文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」に出演し、明日は7時からTOKYO MX「モーニングCROSS 」に出演します。二日連続で5時起きでございます。

 本日の「寺ちゃん」で、デファクトスタンダードを「デジュールスタンダード」と間違えて言ってしまいました。まことに申し訳ありません。
 ビクターがVHSの特許を開放し、「事実上の標準化」を狙ったのは「デファクトスタンダード」でございます。


 さて、我が国の長期金利が、ついに0.3%を割り込んでしまいました


長期金利、初の0.2%台 新発20年債利回りも低下
http://www.nikkei.com/markets/kawase/kinri.aspx?g=DGXLASGC06H1B_06012015MM0000
 6日の債券市場で長期金利が過去最低を更新した。長期金利の指標となる10年物国債(336回債)の流通利回りは一時、前日比0.03%低い(価格は高い)0.290%と、昨年12月につけた過去最低(0.300%)を下回った。0.2%台は初めて。
 新発20年債利回りも一時、前日比0.06%低い0.990%となり、日銀が量的・質的金融緩和を実施した2013年4月以来、1年9カ月ぶりの低水準をつけた。(後略)』


 恐ろしいほどの「国債発行不足」でございます。つまりは、政府の支出(消費、投資)不足であり、同時に民間の資金需要不足でもあるわけです。


 それにも関わらず、政府は今年度の国債発行を36~37兆円に「抑制」し、公共事業は前年度わずか「100億円超」増額。総額を6兆円以下に抑える方針を固めたとの報道が流れています。

 長期金利が0.3%を下回るほどに「国内の投資」が求められている国の政府が、相も変わらず「支出抑制」という緊縮路線を継続しているわけでございます。


 昨日も書いた通り、現在の日本は、
「人手不足で公共事業が進まない」
 などという状況にはありません。


【図 建設労働需給調査結果(8業種)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_48.html#kensetsu


 国土交通省が公表する建設労働需給調査結果を見ると、13年の人手不足はすでに解消の方向に向かっています。 


 さらに、公共事業と民間の建設需要は「分野」が違います。公共事業を増やしたため、民間の建設需要を満たせないという事は、少なくとも全体の需給バランスを崩すほどにはありません。 

 何しろ、公共事業の87%は「土木」です。逆に、民間建設事業の84%は「建築」なのです。


【建設投資における公共・民間、土木・建築別構成】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_49.html#kousei


 そして、公共事業の元請の八割は土木、もしくは建築を「専業」としているのです。下請も、ゼネコンとの協力関係から元請の棲み分けが及んでいるのが実態です。


 技能労働者にしても、「土木専門」と「建築専門」で棲み分けがあります。つまりは、公共事業と民間建設事業で働く労働者は、「別の人」なのでございます。


【公共工事の元請の8割は「土木」又は「建築」を専業としている業者】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_49.html#8wari


 国土交通省は、上記のデータから、
したがって、公共事業に人手が取られ、民間工事の進捗が遅れるといった事態は考えにくい
 と、結論づけています。無論、話は「1 or 0」ではありません(頭の悪い人はすぐに「極論」を言うので、注意してください)。マンション建設のように、利益率の薄い工事が敬遠されるといった状況はあるそうです。


 それにしても、
「供給制約があるから、公共事業は増やせない」
 というのは、乱暴な議論です。そもそも供給制約の定義が不明ですし、14年度上半期は、補正も通常予算も13年度より10ポイント以上上回る高い実施率となっている現実を踏まえていないのは明らかです。


 長期金利の「異様な低迷」を見る限り、我が国は政府の国債発行と支出が不足しているのは確実です。そして、現在の日本には、
「東北の復興」
「国民の安全保障を強化する、耐震化、防災・減災」
「老朽化したインフラのメンテナンス」
「将来のインフレギャップを見据えた生産性の向上」
 と、やらなければならない公共投資の需要が溢れかえっています。現在の需要を埋めるために、政府が長期的計画に基づいて公共投資を拡大すれば、若い世代が業界で働き始め、技術継承の問題をクリアできます。つまりは、日本の発展途上国化を避けられるのです。


 嬉しいことに、2014年1-11月の建設就業者(503万人)を見ると、15-29歳の若年者の占める割合が11%に「増加」しました。(13年度は10.2%)建設産業が一丸となって進めている「魅力ある建設業」への取り組みが効果を発揮しているのに加え、国交省が12年4月と13年2月の2度にわたって公共工事設計労務単価を引き上げた点も大きいでしょう。


 いずれにせよ、我が国にとって、現在は長期的にも短期的にも公共事業、公共投資を拡大しなければならない局面なのです。それにも関わらず、「供給制約」といった定義不明な言葉で正しい政策が妨げられるのでは、情けないとしか言いようがありません。


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