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『なぜエコノミストは間違えたのか①』三橋貴明 AJER2014.12.9(7)

http://youtu.be/dEjf94XCB3U

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 本ブログ的にホットなニュースが複数、報じられております。というわけで、本日はダイジェスト。


2年債利回りが過去最低-0.015%、残存4年までマイナス金利波及
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKBN0JW0EL20141218
 午後の円債市場で、2年利付国債利回りが一時前日比1.5bp低い─0.015%と、直近16日に付けた最低(─0.005%)を下回った。また、マイナス金利は長い年限に波及。残存4年弱の5年115回債利回りは、─0.005%まで低下した。』


 今や五年債(残存四年弱)の利回りまでもが、市場でマイナス金利で取引される状態になってしまいました。金融市場は完全に「国債不足」に落ちっており、プレーヤー(銀行など)は日銀の買取という出口もあるわけで、
「民間に五年満期でお金を貸し出すよりも、国債をマイナス金利で購入する方が得」
 という、異常極まりない判断をしていることになります。人類史上空前の「カネ余り」が、究極的な状況に至ろうとしているわけです。


 ちなみに、長期金利の指標である十年債は、何と0.36%。驚異的な低金利です。


 政府を除くと、まともなお金の借り手がいないという話ですが、当の政府はこのような有様です。


14年度補正、国債発行を減額へ 政府検討
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS17H89_X11C14A2EE8000/
 政府は緊急経済対策を盛り込む2014年度補正予算で、新規の国債発行額を当初予算の41.3兆円から減額する検討に入った。企業業績の改善で法人税や所得税など税収が伸びているため。消費再増税の延期で日本の財政規律に対する内外の目が厳しさを増しており、財政健全化への姿勢を強調する狙いもある。(後略)』


補正予算3兆円超に…「住宅エコポイント」復活
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20141217-OYT1T50193.html
 政府は17日、景気下支えに向けた経済対策を柱とする2014年度補正予算案の規模を3兆円超とする方針を決めた。
 経済対策は、子供が3人以上いる家庭への支援、住宅ローンの優遇金利の拡充、地域商品券の発行促進などが柱となる。
 安倍首相と麻生副総理・財務相が同日、首相官邸で経済対策の大枠を決めた。政府は27日に経済対策を閣議決定する。1月上旬に補正予算案を閣議決定し、1月下旬に開会する通常国会に提出した上で2月中旬に成立させたい考えだ。(後略)』


 政府の緊縮財政(消費増税、補正予算削減)により、内閣府方式(平均概念の潜在GDPで計算した需給ギャップのマイナス)の「小さめのデフレギャップ」で14兆円強の需要不足を抱えている日本国が、補正予算わずか3兆円。さらに、新規発行国債を減額


 我が国がデフレに再突入することは、もはや避けられないと思います。


 そして、デフレにはどんな総理大臣も勝てません。現在の緊縮路線を継続する限り、わたくしは安倍政権が長期政権になるなどとは全く思っていません。


10月の「実質賃金」、3.0%減に下方修正 - 現金給与の上げ幅も縮小
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141218-00000088-mycomj-life
 厚生労働省は18日、2014年10月の毎月勤労統計調査(事業所規模5人以上)の確報を発表した。それによると、10月の現金給与総額(1人平均、以下同)は前年同月比0.2%増の26万7,212円となり、上げ幅は速報値の0.5%増から下方修正された。増加は8カ月連続。現金給与総額に物価変動の影響を加味した実質賃金指数は前年同月比3.0%減となり、速報値の2.8%減から下方修正された。実質賃金の減少は16カ月連続となる。(後略)』


 実質賃金が、下落を続けています。11月からは原油価格の影響が出るため、少しは実質賃金の下げ幅が縮小するとは思いますが、マイナスで推移することには変わりはないでしょう。


 ポイントは、一応、名目の賃金は対前年比0.2%増とプラス化していることです。すなわち、雇用されている人の「金額で見た給与」は、わずかながら増えているのです。何か、実質賃金の低下について、
「団塊の世代が退職して、若い人が雇われて給料が下がった」
 だとか、
「失業率が低下して、失業者が新規に雇われ、安い給料で働く人が増えた」
 などと、意味不明な説明をする人がいますが、本当にそうならば「名目の賃金」が下がるでしょう・・・。世の中には、本当に頭が悪い人が多いと思います。少し考えてみれば、誰でも分かるでしょ?


 現在、わたくしが問題視しているのは「実質賃金」です。名目賃金の上昇率が、物価の上昇率に追い付いていないのが原因です。そして、賃金上昇率以上に物価を引き上げている主犯は、円安による輸入物価の上昇と、消費税増税なのです。


【日本の実質賃金(決まって支給する給与)の推移(対前年比%)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_49.html#Jc10


 予想通り、10月の実質賃金は速報値段階よりも下方修正されました。対前年比(決まって支給する給与)3%というペースで実質賃金が下落している国民が、主体的に消費を増やすはずがありません。


 図を見ると、現在の実質賃金の低下には二つの局面があることが分かります。すなわち、13年4月以降と、14年4月以降です。14年4月以降に消費増税の影響で実質賃金が下がるのは分かります。とはいえ、現実の日本は消費税増税「前」の段階から、実質賃金が下落を続けていたのでございます。


 理由は、↓と大きな関連があります。


11月実質輸出は前月比‐1.7%、実質輸入は同+0.3%=日銀
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKBN0JV0D020141217
 日銀は17日、財務省が発表した2014年11月の貿易統計を受け、実質輸出入速報値(季節
調整済み)を発表した。
実質輸出は前月比1.7%低下の100.5で、3カ月ぶりの低下となった。
実質輸入は前月比0.3%上昇の111.7で、2カ月ぶりの上昇。
実質貿易収支はマイナスとなった。(後略)』


 実質輸出が何かとは、飛鳥新社から刊行予定の「黄金の拘束衣を着た男(仮)」で詳しく説明していますが、いずれにせよ現在の我が国は、
「円安でありながら、実質輸出が伸びず、輸入物価が上昇し、国民の実質賃金が下落をしている
「消費税増税という物価の強制的な引き上げが、実質賃金下落に拍車をかけた」
「国債が残余四年物でもマイナス金利、10年物が0.36%という人類史上空前の低金利状態、カネ余り状態にある」
 にも関わらず、政府が、
新規発行国債を絞り込む

「(少な目に見積もって)14兆円のデフレギャップを抱える国の政府が、補正予算を3兆円強しか組まない
 という、呆れかえるような状況になっているわけでございます。これで、日本が「再デフレ化」しないと思う方が、おかしいのです。


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