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 いつの間にか、人気ブログランキングの総合三位が定着しています。上位にいる二つの芸能ニュース系、今年中に抜くことが果たしてかないますでしょうか。まあ、以前も書きましたが勝手に自分で「枠」を作ってしまうのは、やめておきましょう。(どうでもいいですが、総合ベスト10に入っている言論系の方が、色々な意味で「濃い」なあw オリジナリティがある証拠なのでしょうけれども)

 本日は久々にアメリカ経済。

リード米上院院内総務:財政赤字抑制の議会ルール厳格化を提案
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=abXl8VMZPW_Q
 米上院の民主党リード上院院内総務(ネバダ州)は25日、米連邦債務の法定上限を1兆9000億ドル(約171兆円)引き上げるかどうかが議員の間で議論される中で、財政赤字抑制に向けた議会ルールの厳格化を提案した。
 リード院内総務は、歳出増や減税の提案にはそれに見合う財源手当てを義務付ける「ペイ・アズ・ユー・ゴー」ルールについて、免れることが一段と難しくなるように法制化を提案した。このルールは議会で頻繁に無視されている。
 議会では米債務法定上限を1兆9000億ドル引き上げて14兆3000億ドルにする措置が検討されている。 』

 昨年夏頃から、わたくしは、
「アメリカ連邦政府の負債上限は法律で定められている。このままでは10月頃に負債上限を突破してしまう!
 などと書いてきましたが、その後の経過と現状、それに今後の問題についてご説明いたします。
 実際に09年12月に、連邦政府の負債残高は上限マックス(当時は12兆1040億ドル)に達してしまいまして、同月の中旬に米議会が12兆3940億ドルへの上限引上げを可決しました。引き算すれば分かりますが、このときの議会は「わずか」2900億ドル(約26兆円)の増額しか認めず、これでは早くも今年の3月(再来月)に、再び上限に接近してしまいます。
 というわけで、米政府(財務省)は現在、法定上限を1兆9000億ドル(約171兆円)引き上げることを議会に要請しているわけです。

 さて、話は変わり、現在のアメリカでは、かなり面白い(と言うか、怖い)現象が発生しています。それは、FRBがマネタリーベースを増やしても、マネーストック(=マネーサプライ)がちっとも拡大しないというものです。

 ここで読むのを投げ出したくなった方は多いでしょうが、この後はできるだけ噛み砕いて説明しますので、頑張って着いて来て下さい。

 マネタリーベースとは、FRBが銀行への融資や債券の買取などにより、市中に供給した「ベース」となるマネーです。リーマンショック以降、FRBはマネタリーベースを90兆円前後から200兆円近辺まで一気に高めました。その差額分、アメリカの金融機関にはマネタリーベースが供給されたということです。具体的には、GSE保証債やGSE発行証券、それに長期国債(これはすでに終了)などを銀行から買い取り、代わりに「通貨を発行」するわけです。
 中央銀行が例えば100兆円のマネタリーベースを新たに供給すると、それが信用創造のプロセスを経て何倍にもなり、マネーストックが拡大します。信用創造とは、銀行と民間の間で融資や預金のやり取りが繰り返され、銀行のマネーストックが拡大していく資本主義の根幹機能です。って、この辺はさすがにブログでサラリと説明するのは無理なので、興味がある方は3月発売予定のアメリカ経済本(仮タイトル「ドル凋落!」)をお読み下さい。

 とにかく、FRBがマネタリーベースを拡大すると、アメリカの銀行と企業(や家計など)の間でお金が行き交い、世の中全体のお金の量(すなわちマネーストック)が増えていくわけです。インフレ率とはマネーストックの量により決まる(貨幣要因の部分は)ので、マネーストックが極端に増えてしまうと、世の中にお金が溢れ、物価が上がるインフレーションになるわけです。

 2004年1月から08年8月までの期間について、
FRBのマネタリーベースが1増えると、アメリカ全体のマネーストック(M2で計算)は何倍増えるのか?
 を計算したところ、9.5倍でした。FRBがお金を新たに100供給すると、マネーストックが950増えるというわけです。信用創造の機能が(適正な倍率かどうかは置いておいて)、きちんと働いていることが分かります。
 ところが、リーマンショック後すなわち08年9月から09年12月までの同じ指標を計算すると、何と0.5倍になってしまっているのです。すなわちマネタリーベースを100増やしても、マネーストックは50しか増えないのです。
 本当かいな、と、思わず廣宮さんに「どらえも~ん!」とやってしまいましたよ。

 マネーストック(M2)をマネタリーベースで割った「M2/マネタリーベース レバレッジ倍率(命名・作成:廣宮さん)」は、以下の通りです。

アメリカ マネーストック(M2)/マネタリーベース レバレッジ倍率
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_26.html#M2

 こちらは増加額ではなく、実額です。要するに、マネーストックがマネタリーベースの何倍「存在しているか」を表しています。
 リーマンショックまではマネタリーベースの9倍(ほぼ増加額と同じ倍率)あったアメリカのマネーストックですが、これがリーマンショック以降に4倍にまで落ち込んでしまいました。すなわち、FRBの超金融緩和によりマネタリーベースは増えているものの、マネーストックはほとんど増えていないわけです。
 結構、衝撃的なデータですので、未だに信じられないでいます。ソースを明記してありますので、お時間がある方は、是非とも検証をお願いできればと存じます。

 要するに、現在のアメリカで何が起きているのかと言えば、銀行の流動性が改善し、銀行側がお金を貸したくてたまらない状況であっても、借り手がいない(もしくは中小企業や家計などには、銀行側が不良債権化を恐れて貸さない)というわけです。まさしく、どこかの国と瓜二つな状況になっているということになります。
 この状況で国債を発行しないと、銀行としては海外投資を増やすしかありません(現に拡大しています)。とは言え、新興国バブルもそろそろピークアウトしそうな状況なので、結局、アメリカの銀行も「国債に殺到する」状況になるのではないでしょうか。
 こんな状況にありながら、議会が「政府負債の法定上限」で紛糾するのは、さすがにどうかと思ってしまいます。

 冗談抜きで、アメリカ国債の金利が、日本を下回る可能性もゼロではありません。すなわち、アメリカのバランスシート不況の悪化です。
 現在の日本は、最大の経済大国がこのような状況にある世界を生きているということを、常に頭に置いておく必要があると思うのです。

 
アメリカのバランスシート不況の状況に、ガクブルが止まらなくなってしまった方は、このリンクをクリックを。

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