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2013-03-11 17:17:02

解雇予告手当を支払うことなく行った”即時解雇”の効力(その2)

テーマ:労務管理

ご訪問ありがとうございます。


『広島のサービス残業トラブル解決ドクター』こと、

社会保険労務士&行政書士の高(タカ)です。にこにこ。




今回は、前回のブログの後編

『解雇予告手当を支払うことなく行った”即時解雇”の効力(その2)』

として、

労働者の責に帰すべき事由がある場合には

解雇予告除外認定を受けることなく行った”即時解雇”も有効である

とした判例を2つご紹介します。






【麹町学園解雇事件、昭30.6.21東京地裁判決】


原告は、本件解雇の意思表示は、労働基準監督署の除外認定を

受けないでしたものであるから無効であると主張する。

しかしながら、労働基準法第20条に定める除外認定は、

同条第1項ただし書きに該当する事由の有無につき確認する処分であって、

それに該当する事由があれば、除外認定申請をなさず、

また除外認定がなされなくとも、即時解雇の効力が生じ

ただ使用者が故意に申請を遅延させ、

あるいは除外認定を受けることを拒否しようとした場合、

罰則の適用を受けることがあるに過ぎないものと解すべきであるから

原告の主張は理由がない。裁判





【共同タクシー懲戒解雇事件、昭和40.9.30横浜地裁判決】


本件解雇が所轄川崎労働基準監督署長の労働基準法第20条に規定による

いわゆる除外認定を経ないでなされてしまったことは、

当事者間に争いのないところである。

しかし、それがため、本件懲戒解雇の効力が左右されることにはならない

と解するのが相当である。

除外認定制度は、労務行政の立場から、使用者が恣意的に懲戒解雇ないし

即時解雇をなすことを抑制せんとし、

かかる場合、まずもって行政官庁の認定を受けるよう使用者側に義務づけたもので、

その本質は事実確認的なものである。

除外認定を受けたかどうかということと、

客観的に労働基準法第20条第1項ただし書きに該当する事由が

存在するかどうかということ(本件では懲戒解雇事由の存否)とは

別個の問題であって、除外認定を受けないで懲戒解雇をした場合でも、

現実にその事由が存するならば有効であり、

これに反し除外認定を経た場合でも、本来その事由を欠いているときは、

解雇は無効とされざるを得ないのである。

(中略)

本件懲戒解雇の効力が左右されるべきものでないことは、

さきの説明から明らかであろう。裁判





このように判例でも示されているとおり、

解雇予告除外認定を受けずに(行政上の使用者の義務を欠いて)

即時解雇したとしても、その解雇は民事上は有効であり、

かつ、除外認定を受けなかったことに使用者の”故意”がない場合には

たとえ送検されたとしても起訴されて労働基準法第20条違反で

刑事罰を課されることはないと言えるのです。

なぜなら、労働基準法違反で処罰されるのは、故意犯の場合に限られている

(=過失犯は処罰されない)からです。




ただ、就業規則に

『労働基準監督署長の解雇予告除外認定を受けて即時解雇する。』

という趣旨の(即時解雇の前提として解雇予告除外認定を受けるという)定めを

置いている場合には話は別です。

なぜなら、

就業規則は、使用者と労働者との民事的な関係を規制する”包括契約書”

と位置づけられていますので、

その就業規則の定め(即時解雇に先立ち労働基準監督署長の解雇予告除外認定を

受けること)は、使用者と労働者との民事的な契約ごとを定めている

と解されるため、解雇予告除外認定を欠いた即時解雇は無効と認定されるからです。

(フットワークエキスプレス事件、平7.10.25大阪高裁判決)




ですから、就業規則の”解雇の手続き”の条項に

解雇予告除外認定を受けることが即時解雇の要件となるような定めを置いていないか

今一度確認し、そのような定めを置いていた場合には、

早急に就業規則を改定しておかなければなりません。



つまり、解雇予告なき即時解雇の場合、就業規則の定め方一つで

有効にも無効にもなるということです。ぎく

気をつけて下さいね♪ウインク



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2013-03-09 17:49:50

解雇予告手当を支払うことなく行った”即時解雇”の効力(その1)

テーマ:労務管理

ご訪問ありがとうございます。






『広島のサービス残業トラブル解決ドクター』こと、




社会保険労務士&行政書士の高(タカ)です。にこにこ。










ブログの更新、ご無沙汰しちゃってスミマセン・・・あはは・・・










さて、今回のブログでは、最近ご相談の多い




解雇予告手当を支払わず即時解雇した場合に




その解雇は有効か無効か




についてお伝えします。
















ある問題社員がおり、その社員が重大な営業秘密情報の漏えいや、




競業避止義務違反、詐欺・横領などによる刑法犯に該当する行為




などを行った場合、貴社ではどうされますか?








経営者としては、そんな問題社員は




先生「即刻クビ!(即時解雇)」




にしたいですよね。












しかし、ここで注意しなければならないのは労働基準法の規定です。




ご存知の方も多いと思いますが、




労働基準法では、会社が労働者を何の予告もなく




いきなり解雇する場合には




会社にその労働者の平均賃金の30日分以上の”解雇予告手当”の




支払い義務を課しています。(労働基準法第20条)




そして、この違反に対しては、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金




という刑事罰も用意されているのです。(労働基準法第119条)










にもかかわらず、会社としては




先生「あんな奴には1円たりとも支払いたくない!」




との思いから、




解雇予告手当の支払いをすることなく即時解雇する会社があるのも事実です。








こんなとき、解雇された労働者は、




インターネットなでで解雇予告手当を支払ってもらえるはずだ




という情報を知り、後日、労働基準監督署などに




004「自分は、解雇予告手当を支払われることなく即時解雇されました。




これは労働基準法違反だし、”不当解雇(解雇は無効)”です!」




などと救済を求めて会社の労働基準法違反を申告することが多いです。








労働者からこのような申告を受けた労働基準監督署は、




会社への調査を実施し、




036「労働基準監督署長の解雇予告除外認定を受けていなければ、




30日以上前の解雇予告か




平均賃金の30日分以上の解雇予告手当の支払いが必要です。




予告なく即時解雇した以上、




きちんと解雇予告手当を支払ってあげて下さい!」




との”是正勧告”を行います。








行政通達(昭63.3.14 基発150号)でも




「認定されるべき事実がある場合には、使用者は




有効に即時解雇をなし得るものと解されるので、




除外認定を得た場合には




その解雇の効力は即時解雇の意思表示をした日に生じる




と解される。




ただし、認定申請を遅らせることは、労働基準法第20条違反である。」




としています。








これらを根拠に是正勧告を受けた場合、




会社としては




先生「監督官には是正勧告に従わなければ書類送検することもある




と言われたし、解雇予告除外認定を得ずに即時解雇しまったので、




上記の通達に照らせば解雇の効力が生じないことになる・・・。




しかも、除外認定申請を遅らせている(していない)ので、




労働基準法第20条を支払わざるを得ないか・・・。」




と思われるのではないでしょうか?




そして、




先生「解雇予告手当を支払うようにとの是正勧告=解雇は無効(不当解雇)




と認定された・・・。」




と解釈する経営者の方も多いのではないでしょうか?






しかし、それは間違いです!




なぜなら、労働基準監督署は、裁判所ではないので、




解雇が有効か無効かを認定する権限はないからです。












覚えておいていただきたいのは、




労働者の責に帰すべき事由があるときの即時解雇の場合、




たとえ事前に解雇予告除外認定を受けずに即時解雇したとしても




解雇の効力は『有効』である




ということです!








このことは、判例でも言われています。




具体的な判例などについては、




次回のブログ、




「解雇予告手当の支払いを行うことなく行った”即時解雇”の効力(その2)」




でご紹介しますね。ウインク




次回をお楽しみに~♪












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2012-11-16 10:41:51

従業員のSNSへの発信を会社は規制できるか?

テーマ:労務管理

ご訪問ありがとうございます。



『広島のサービス残業トラブル解決ドクター』こと、


社会保険労務士&行政書士の高(タカ)です。にこにこ。





ブログやFacebook、ツイッターなどの


「SNS(=ソーシャル・ネットワーキング・サービス)」


が普及・浸透してきて


最近では多くの従業員が


パソコンや携帯電話などから


気軽に情報発信しています。





このような環境のもと


会社内の出来事や上司の言動などを


批判めいた記事にして


自身のブログなどに掲載している従業員がいることも事実です。がくがく



そんな従業員も


一応の配慮をしたつもりなのか


登場人物の氏名はイニシャルにするなどして


第三者からしてみれば


誰のことか分からないようにしていたりしますが


社内あるいは取引先の方が見れば


誰のことかすぐに分かるような内容となっていることもあります。






会社がこんなSNSへの掲載を発見した場合


その掲載を直ちに止める(削除する)よう警告!しますよね。


しかし、中には


「これは自分の私的な投稿ですから


会社が干渉することはできないと思います!」ぷんぷん


などと悪びれた様子を見せない従業員もいます。






会社としては


いくら私的な投稿とはいえ


社内の体制や上司の人物象などが


概要でも分かるような投稿は


場合によっては


会社の機密漏えいに発展することもあるので


規制したいところです。むっ






従業員の私的なSNSの利用を


会社は規制することができるのでしょうか?






答えは


会社の企業秩序の維持に関連性のある限度


においては規制することができます


なぜなら


会社は企業秩序を定立し維持する権限


を有しているからです。


しかも


従業員は会社と締結する労働契約上


当然に企業秩序を遵守する義務


を負っているからです。






最高裁判所


『企業は、企業秩序を維持するため、


これに必要な諸事項を規則をもって一般的に定め、


あるいは


具体的に労働者に指示・命令することができ、


また


企業秩序に違反する行為があった場合には、


その内容・態様・程度等を明らかにして


乱された企業秩序の回復に必要な


業務上の指示・命令を発し


または


違反者に対し制裁として懲戒処分を行うため


事実関係の調査をすることができる。


また


同規則または具体的な指示・命令に違反する場合には、


企業秩序を乱すものとして、


当該行為者に対し


規則の定めるところに従い


制裁としての懲戒処分を行うことができる。』


としています。






このようなことから


従業員の私生活上の行為は


実質的に見て


企業秩序に関連性のある限度において規制できる


と言えるのです。





ただし


SNS自体の利用を禁じることはできず


会社の事業活動にかかる機密漏えいに当たる可能性のある記事や


会社の社会的評価を毀損する可能性のある記事


について


その掲載を禁じたり


既に掲載されている記事の削除を求めることができる


にとどまります。




ですから


たとえば


従業員のSNSの利用を届出制にしたりすることは


会社による行き過ぎた私生活への干渉であり違法である


との評価を受ける可能性が高いと言えます。





実際、


ブログ全体の閉鎖を命じることは


問題となる部分以外の部分の閉鎖も命じるものであるので


業務命令権の範囲を逸脱したもので無効である


という裁判例(H14.3.25 東京地裁判決)もあります。





つまり


会社が従業員のSNSの利用を規制するには


まずはその旨を「就業規則」にハッキリと明記


会社の事業活動に直接関連するような記事なのか


会社の社会的評価の毀損をもたらす記事なのか


を厳格に判断して対処していくほかありません。


もし、そのような可能性のある記事を発見した場合は


会社は直ちにその記事をプリントアウトしておくことです。


発見時にすぐにプリントアウトしておかないと


数日後にはその記事が削除され


証明できなくなることがあるからです。




そのうえで


懲戒処分の検討など


厳正・適切な対応を行うようにして下さいね。ウインク




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2012-11-13 07:41:28

「認可」、「許可」、「届出」の違い

テーマ:実務


ご訪問ありがとうございます。


「広島のサービス残業トラブル解決ドクター」こと、


社会保険労務士&行政書士の高(タカ)です。にこにこ。





行政機関に対して各種の手続を行うとき、


「認可」、「許可」、「届出」


という種類がありますよね。





この意味の違い、分かりますか?


実はこれらには一般的に


次のような意味の違いがあります。





『認可』とは・・・

行政庁が第三者の法律行為を補充して、


その法律上の効力を完成させる行為


をいいます。


認可は法律行為の”成立要件”となるため、


認可を受けずにした行為は、


原則として”無効”となります。







『許可』とは・・・


法令などによって一般的に禁止されている行為を

特定の場合に解除する行為

をいいます。

許可は、私人(会社等を含む)が本来なら自由にできる行為を

益上の目的などから禁止し、

特定の場合にその自由を回復させるのその趣旨です。

許可を受けずにした行為は”処罰の対象”にはなりますが、

原則として”有効(無効にはならない)”です。







『届出』とは・・・


すでに法律的な効果を生じた内容を報告的に届け出る

報告的届出(事後届出)と、

届出によって法律的効果を生じる

創造的届出(事前届出)

があります。

届出の場合、

創造的届出(事前届出)が報告的届出(事後届出)よりも重要で、

行政の関与度合いが大きくなります。






つまり、これら「認可」、「許可」、「届出」の

重要度や行政の関与度合い

をまとめると

以下のような関係になります。↓↓↓



「認可」>「許可」>「創造的届出(事前届出)」>「報告的届出(事後届出)」






以上、参考になれば嬉しいです♪ウインク



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2012-11-10 09:51:32

懲戒処分として賞与からの減給する際の注意点

テーマ:労務管理

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『広島のサービス残業トラブル解決ドクター』こと、



社会保険労務士&行政書士の高(タカ)です。にこにこ。







従業員が就業規則に違反した場合や、



会社に損害を与えた場合などは、


会社は就業規則の定めにもとづき


その従業員を懲戒処分に処すことができます。







懲戒処分には、最も軽いもので「けん責・戒告」から


最も重いもので「懲戒解雇」までがあり、


その中間あたりに『減給』という処分があります。






「減給」は、懲戒処分として特定の月の”給与”を減額する処分ですが、


この処分には労働基準法第91条でその限度額が定められていることは


ご存知ですよね?








労働基準法第91条で定められている減給の限度額は、


1減給事案に対する減給額は


その従業員の平均賃金の半額以内、


一給与支払期に複数の減給事案があったとしても、


その合計額はその月の給与総額の10分の1以内



でなければならないと定められています。







そこで、この条文は


賞与における減給の場合にも適用されるのでしょうか?







これについては、以下のような行政通達【昭63.3.14 基発150号】

示されています。↓↓

『賞与から減給する場合においても、

1回の事案については平均賃金の2分の1を超え、

また、総額については一賃金支払期における賃金、

すなわち賞与分の10分の1を超えてはならない。』



このような通達がありますので、


賞与で減給しようとする場合には、

本来の賞与支給額を減額分として減じる形をとって、

それが分かるように賞与明細書に記載されると、

労働基準法第91条に抵触していないか否か

が問題となります。

ですから、そのようなやり方はすべきではありません。




賞与から減給したい場合には、

本来の賞与支給額を減額分として減じる記載をするのではなく、

最初から賞与支給額を本来の賞与支給額よりも減じた額で

支給(表示)するという形をとるべきです。



なぜなら、具体的に賞与の支給額が決定されるまでは

”原則として”従業員に賞与請求権は発生しないからです。

だから、賞与支給額を決定する段階で

もともと支給しようと思っていた本来の額よりも

減給した額を賞与支給額としてしまえば良いというわけです。

そうすれば、労働基準法第91条違反を気にすることなく、


賞与で調整(減給)することができますよ。




なお、上に「原則として」と書いたのは、

賃金規程や賞与規程への記載の仕方いかんでは

賞与請求権が生じてくる場合もあるという意味です。

賃金規程や賞与規程において

賞与支給額が明確に算出できるような定め方をしている場合は

労働基準法第91条に抵触しないようにする必要がありますので

注意して下さいね。ウインク



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2012-11-09 09:34:19

出張中の休日についての取扱い

テーマ:実務

ご訪問ありがとうございます。



『広島のサービス残業トラブル解決ドクター』こと、


社会保険労務士&行政書士の高(タカ)です。にこにこ。






会社の業務で出張することとなり、


休日に出張先に移動したり、


出張期間中に休日が介在する


なんてことはよくありますよね。



こんなときの休日は


”休日労働”として扱わなければならない


と思いますか?








これについては、


以下のような行政通達(昭33.2.13基発90号)


が出されています。


『出張中の休日は、


その日に旅行する等の場合であっても、


旅行中における物品の監視等特段の指示がある場合のほかは


休日労働として取り扱わなくても差し支えない。』



つまり、休日に出張先に移動する場合でも、


移動手段(電車・新幹線・飛行機・船など)の中での


業務を命じられておらず、


自由に過ごせるのであれば


休日労働として扱う必要はないし、


同様に出張期間中に休日が介在する場合でも、


その休日に特段の業務等を命じられていなければ


休日労働として扱う必要はないというわけです。




考えてみれば当然ですよね。うんうん



特段の業務等を命じられていなければ、


移動時間中は寝ていようが本を読んでいようが


ゲームをしていようが、


何をしていても自由なのですから。





ただ、当然のことながら、


トラックやバスの運転手さんや、


客先に物品を納品する営業マンなどが


目的地まで行って帰る時間については、


これは明らかにその”移動行為自体が業務”ですから


話は別ですよ。



とはいえ、この行政通達の考え方からすれば、


運転手や納品業務に従事する営業マンなど以外の従業員であれば、


所定勤務時間外に出張先に移動したり、


出張先から帰って来る場合であっても、


”時間外勤務”として扱う必要はないと言えるでしょうね。



みなさんの会社では、


出張先との往復の移動時間も業務のために移動しているのだから


という理由で、


時間外勤務や休日勤務として扱わなければならないだとうと思い、


余計な残業手当や休日勤務手当を支払っていませんか?


(もちろん、移動中に特段の業務を命じていた場合には


支払う必要があります。)




結構この取扱いを誤解して


余計な残業手当や休日勤務手当を支払っている会社が


多いんですよ。^_^;



細かいことですが、


こんなところも人件費の削減につながりますよね。ウインク





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2012-11-08 08:34:11

会社が負担した資格取得費用等を返金させる契約は有効か?

テーマ:実務

ご訪問ありがとうございます。


広島のサービス残業トラブル解決ドクターこと、

社会保険労務士&行政書士の高(タカ)です。にこにこ。




”自己啓発”(←業務命令ではありません)として、

資格や免許を取得したいとの申し出があった従業員に対し、

会社がその勉強にかかる費用や受験料の全部または一部を

負担してあげているという会社も少なくありません。





しかし、この会社の援助を利用し、

めでたく資格や免許を取得することができた途端、

会社を退職する従業員がいることも事実です。




このような背信行為を抑制するため、

会社では、たとえば『試験合格後、1年間は退職いたしません。

万一、1年以内に退職する場合は、

会社に負担いただいた費用の全額を直ちに返済いたします。』

などという趣旨の”誓約書”を提出させる

という対策を講じたうえで

費用を負担してあげているという会社もあります。





しかし、このような契約を結ばせた場合、

労働基準法第16条(違約金・賠償予定の禁止)違反となり、

6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金(労働基準法第119条)

という刑事罰の対象となる可能性があるので要注意です!





労働基準法第16条違反で訴えられないようにするためには

発想の転換が必要です。



というのは、会社が負担した費用は、

負担した時点で経費として処理するのではなく、

その時点では従業員に対する「立替金」として処理すると共に、

「合格後○年間は退職いたしません」などのような

退職の自由を妨げる(=労働を強制する)誓約書ではなく、

「合格後○年間継続勤務した場合にはその返済は免除する」

という内容の誓約書にし、

退職は自由ですよという形にしておくということです。

そして、このことを事前に従業員にしっかりと説明して

理解させておきます。




こうしておけば、

会社が立て替えた金銭の返還を求めるのは当然であり、

一定期間以上勤務すればその債権は放棄する

という契約も有効であるので、

労働基準法第16条(違約金・賠償予定の禁止)には

抵触しないということになるのです。




 
実際、藤野金属工業事件(昭43.2.28大阪高裁判決)においても、

裁判所は、

『費用の計算が”合理的な実費”であり、

使用者の”立替金”であること、

短期間(1年)の就労であって労働者に対して

”雇用関係の継続を不当に強要するおそれがない”

と認められるときは、

労働基準法第16条に定める違約金または損害賠償額の予定とはいえない。


本件は、合理的な実費の範囲内で、訓練費用の立替金であり、

立替金を返済するときは、いつでも退職することを充分に説明しており、

短期間(1年)であることから、同条に違反しない。』



と判示し、

試験合否決定後1年以内に退職する場合には、

会社が負担した費用(3万円)を返済させる

という契約内容は有効である(労働基準法違反には当たらない)

として会社が勝訴しています。




ただし、”業務命令”による資格や免許の取得については、

その費用を会社が負担するのは当然のこと
ですから、

この対策は使えませんので

くれぐれも混同しないようにして下さいね。ウインク

(この対策は、あくまでも”自己啓発”により

自発的に申し出てきた資格や免許の取得に関する費用を

会社が負担してあげる場合の対策です。)



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2012-11-07 08:22:40

経営者に知っておいて欲しい『役員報酬』の知識

テーマ:経営
ご訪問ありがとうございます。


広島のサービス残業トラブル解決ドクターこと、

社会保険労務士&行政書士の高です。にこにこ。



仕事がら、経営者の方々と役員報酬について

お話させていただくことも多いのですが、

その中で感じることは、

役員報酬の改定時期等について

誤解しておられる経営者の方が多いということです。




役員報酬(正式には「役員給与」)の改定等については、

国税庁が平成20年に『役員給与に関するQ&A

というものを公開しており、

それは今年(平成24年)4月に改訂されています。




税務署から役員報酬の損金算入を否認され、

余計な法人税等を払わされることのないよう、

経営者の方々は、税理士さん任せにせず、

最新版の『役員給与に関するQ&A』にしっかりと目を通し、

基本的な知識は身につけておいて下さいね。(^^)


http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/hojin/qa.pdf




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2012-11-06 11:46:09

労務管理上の1日と1週間の起算点

テーマ:労務管理

ご訪問ありがとうございます。



広島のサービス残業トラブル解決ドクターこと、


社会保険労務士&行政書士の高(タカ)です。にこにこ。






労働時間管理をするうえでの「1日」や「1週間」は


いつから起算すれば良いのでしょうか?



これについては、


以下のような行政通達(昭63.1.1 基発1号)が


示されています。







▼▼▼ 昭63.1.1 基発1号 ▼▼▼



日曜日から土曜日までのいわゆる暦週をいう。

「1日」とは、午前0時から午後12時までの

いわゆる暦日をいうものであり、

継続勤務が2暦日にわたる場合は、

たとえ暦日を異にする場合でも

一勤務として取り扱い、

当該勤務は始業時刻の属する日の労働として、

当該日の「1日」の労働とする。


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲



ただ、これはあくまでも”行政通達”であって


”法律”ではありませんので


法的な拘束力はありません。


ですから


就業規則等で上記通達内容と異なる定めをしたとしても


当事者がそれに合意し異を唱えないのであれば


それはそれで有効といえますねウインク





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「1週間」とは、就業規則その他に別段の定めがない限り、
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2012-10-30 08:24:15

タイムカードの記録を利用した理不尽な残業代請求への対応方法

テーマ:賃金
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