日曜日、お昼12時。
地下のパーキングから地上へ出る。滅多に昼間には来ない京都木屋町界隈はどこか違和感がある表情。そんな高瀬川の風情に戸惑う間もなくまたすぐに地下への階段を降りる。
昨年の再演である、齊藤さっこ、オイワカモリのツーマンを観にモダンタイムスへやって来ました。
場所も出演者も昨年と同じだけど、少し違うのは、今回、活動の足跡を全国に残し精力的に歌う齊藤さっこさんが、メジャーレーベルであるキングレコードよりアルバムをリリースされ、そのレコ発のツアーでもあったこと。
オイワカモリ
ザンネンズがこの界隈中心に有名になり過ぎて(笑)
でもオイワカモリでは全く別物の味わい。
元々オイワカモリの楽器隊2人がフルートもリベの昔からある持ち歌を演奏し出したのが「ザンネンズ」で、汗だくで目を食いしばってわかぼんがホースくわえてベースを弾いているザンネンズの印象は微塵もなくとてもシュッとしているのだ。
しかしながら若狭氏のフレットレスベースの演奏力は素晴らしいな。
ともかく、この日10年目(11年目?)のオイワカモリを聴き、今まででも凄いな…と思っていたが、空気でキャッチボールが出来、どんな変化球も何事もなかったように瞬時に理解対応できるようなそんなバンドになっていて、、とうとう円熟の域に達したと感じた。
そしてそれは奇しくもザンネンズでの活動がもたらしたものであろう事も。
オイワさんの持つ柔らかく温かいアプローチで、現代を憂い平和を望み、そして今の想いを愛を持って歌う楽曲たちが最高に楽しめる域になって来ている。ぜひどこかで皆さんも。
齊藤さっこ
何度目かのLIVE観戦。昨年太子ホールにも出演してもらっている齊藤さん。
彼女の音楽は目を閉じて聴くに限る。
演奏力のある流れるようなピアノに乗せてどの言葉も全てが身体に入ってくる。
音楽とは、生きるとは、
相当に言葉を選び、表現を磨いているのだろうな。小説を読みふけるような、あるいは音楽劇を観ているような気持ちになる音楽。
表現は次の瞬間には消え去り、伝える事や語り継ぐ事の虚しさや難しさを感じるが、それらの行為は決して無駄なものではなく、表現する事により、目の前の人の心にうっすらとしかし着実に降り積もっていくのだろう。
この一枚は、私にとっての音楽とは、あるいは生きて様々経験を積む意味とは…を振り返らざるを得なくなる。背筋の伸びるそんな名盤です。
自分のところでもこういうLIVEをやり続け、人の心にうっすらとでも音楽を降り積もらせたい。
素敵な時間をありがとうございました。