ゴールデンウィークのチャック・スペザーの博士の来日セミナーのあと、私は休むことなく6日と7日も東京でハードスケジュールをこなしたのである。
で、疲れ切った体を癒すべく、
一人こっそり箱根で静養することとした。
はっきり言うが、ビクビクしながらの静養である。
嫁には「セミナーのあと、今後の展開を静かに考えたい」と凛々しくもシビアな表情で告げた。が、嫁の顔には
「温泉ね」と書いてあった。
事務所には、「霊性の開発のため、修行に出る」と申し伝えた。
が、事務所のスタッフ一同の顔には
「温泉ですか」と書いてあった。
なぜ、ビクビクしているのかというと、4月に鳴子温泉に行ったばかりだったからである。それもあり、今回は箱根に行くことにした。
当初は長野あたりで硫黄泉に入りたいと考えたのであるが、帰りに中央線に乗って名古屋まで出て、さらに新幹線に乗って帰ることを考えると、「これは、箱根あたりでゆっくりしたほうがいい」と、すでに行く前から開発されてしまった私の霊性が言うのである(だったら、行かなくてもいいんじゃね?)
さて、いちばんの問題はどこに泊まるかである。
この日は5月の8日だったのであるが、ゴールデンウィークの最終日で、どこのお宿もガラガラのようであった。
しかし、箱根といえば
“準司ランキング”で全国1位の温泉があるのである。
もちろん、このランキングは私が勝手につけたものであるからして、
一般に通用するとは思わないのであるが、
ともあれ、“神様温泉”と私が読んでいる
姥子温泉の『秀明館』が第1位の温泉である。
かつて、ここはゴールデンウィーク明けぐらいの時期にお湯が沸き始め、9月初旬あたりにはもう涸れてしまうという季節限定の温泉であった。
しかも、天候次第で熱かったり、ぬるかったりする。また、出過ぎたり、止まったりすることもあって、入るのがとてもたいへんな温泉だったのである。
私がいちばん最初にこの温泉を訪れたのは、やはりゴールデンウィーク明けのこの時期であった。
その年のゴールデンウィークは、ずうっと雨で、温泉は連休の最終日から湧き始めたとのことだった。そして、私がこの宿に行ったのはそれから3日後で、温泉はちょうどいい温度であった。
しかし、そのとき、もうすでに45℃ぐらいの泉温があり、熱い思いをしながら最高の入浴を果たしたのである。
1週間後、この話を原カウンセラーにしたところ、彼も東京出張の折に寄ってみたそうである。が、泉温はもう50℃近くになっており、だいぶ薄めないとは入れなかったと嘆いていた。
近年、この旅館は天山グループに買い取られ、素晴らしい療養旅館へと改装された。
日帰り専門の旅館で、食事の提供もなければ、泊まることもできない。
入浴希望者は午前10時以降に受付に行き、まずは部屋を借りねばならない。2,500円のお部屋と3,100円のお部屋があり、違いは広さにある。
浴衣とタオルセットをもらい、この部屋で浴衣に着替え、温泉に入りにいく。湯上がりはこの部屋で静養し、そして、また温泉に入り、部屋に戻って静養し、また温泉に入りにいく。
満室になると、だれかが帰り、部屋が空くまで入浴はできない。しかしながら、15時を過ぎると部屋を借りなくても、一般入浴だけで受け付けもらえる。その時間に行けばどなたさま入浴はできる。が、しかし、1,800円はいりますよ。
この温泉は目の温泉として有名で、pH3.3程度の酸性泉である。温泉に目をつけ、パチパチと洗えば、
お目々スッキリ、景色パッチシ、それはそれはよく効く温泉といわれているのである。
しかも、酸性泉なので、入った瞬間に体のバイ菌は死滅する。草津温泉なんかはpHが1.8とか強力なのであるが、3.3のここは同じ酸性泉でもお湯が柔らかく、そんなに肌を傷めない。
そして、自然湧出しているこの温泉は、単純泉なれどとても気持ちがよいのである。
この日はここ以外にも芦之湯あたりで2軒ほど硫黄泉をたっぷりと堪能し、今後の事業展開のプランと霊性の開発について、じっくり考えてみようかなーという気になった次第である。