フロー状態に入って逆転する | 究極の物理勉強法~たとえ話と微積分で高校物理が楽しくなる

究極の物理勉強法~たとえ話と微積分で高校物理が楽しくなる

物理の予備校講師で『微積で楽しく高校物理が分かる本』の著者の田原真人が、物理の学び方のコツを紹介。物理が分からない人は、公式を丸暗記するのを止めて、解法体系を学びましょう。必ず道が開けてきますよ。

田原です。こんにちは。

心理学者のミハイ・チクセントミハイのTED動画「フローについて」は、約250万回再生されています。



この動画の中に、僕が受験生から何回もされた質問に対する回答を見つけることができました。

その質問とは、

「今からでも、間に合いますか?」

というものです。

こういう質問を、12月頃にもらうことが多いです。

質問者の現在の学力にもよりますし、どのくらい努力するのかということにもよりますが、たいていの場合は、客観的に見れば、厳しい状況であることが多いです。

分別のつく大人であれば、

「ちょっと難しいんじゃないか」

と回答してしまいそうな状況です。

僕も思わず、そういってしまいそうになるのですが、そんなときに少数の例外が頭の中に浮かんできて、

「可能性がないわけじゃない」

と思ってしまいます。

これは、予備校講師としては、もしかしたら適切ではないことなのかもしれないのですが、そう思ってしまうので仕方がありません。


その例外とは、最後の1-2ヶ月で、すごい追い込みをかけて、ライバルを一気にごぼう抜きして、E判定を覆して合格する人たちのことです。

相談してきた人が、その「少数の例外」かもしれないと思ってしまうのです。

今日は、その「少数の例外」の人に、共通に見られる現象について、書きたいと思います。



■勉強自体が楽しくなって、のめり込む


短期間で爆発的に伸びる人の特徴。

それは、決して、歯を食いしばって努力しているというような感じではありません。

こういう努力をしている人は、勉強するのがつらいなーと感じていて、でも、やらなくてはならないからと自分に鞭打って、机にかじりついていると思います。

こういう場合は、たぶん、「爆発的な成長」は起こりません。

では、どういう場合に起こるかというと、


勉強しているうちに、勉強自体が楽しくなってしまう場合です。


「合格とか受験とか、どうでもよい。

 物理を勉強するのが楽しくてたまらない。」


このモードに入ると、常識では考えられないような爆発的なスピードで、物理をマスターしていくことになります。

合格体験記などを読んでいて、

「あーーー、この人は、あのモードに入ったな!」

と分かる場合があります。

ミハイ・チクセントミハイは、その状態のことを、

<フロー状態>

と呼んでいます。

フロー状態に入っていると思われる典型的な例を紹介しますね。


●京都大学工学部へ現役合格!禍具魂さん

ネットサーフィンをしているうちに、 この田原の物理Web講座にたどり着きました。

僕はもともと学校の物理の実力テストでは 校内では3番以内をとれていたので、自分は物理が得意なものだと思い込んでいました。

しかし、河合の京大オープンなどでの模試になると 物理の偏差値が50くらいで、 過去問に挑戦するも門前払いされてしまう感じで、京大レベルとなるとなかなか物理を得点源にすることはできませんでした。

やはり、京都大学の入試では、物理の本質がわかっていないとすぐに手が出せなくなります。

得意だったはずの物理が、 だんだんと足を引っ張る結果となっていき、またできないのでほったらかしになり冬休みが終わった時点ではてつかずのままでした。

そして、 もうすぐセンター試験というある日に、 田原の物理を見つけて、サンプル授業を受けて、これはすごい!と思い、親に頼んで受講することに。

最初は、講座の内容が 京大の問題とはタイプが違っていて、もしかしたらあんまり効果がないかも…とおもいながらも、 内容は当たり前のようなことなのに、 とにかく新鮮で、目からうろこが出るほど、PCの前で「なるほど!!」と、うなりながら受講していました。

いつのまにか、三度の飯よりもWeb講座のほうが楽しみになって、センター試験の直後、一瞬で物理応用講座を終えました。

そして名門の森という問題集が 講座と内容がよく似ていたので購入しました。
講座の成果も出て4日で2冊やり終えました。

また、田原流ではこうやるんだとか、 違うやり方でもアプローチしました。
この時点で 僕はまだ京大のような 誘導形式のあまりパターン化されていない形式の 京大の問題には手をつけていなく、 なんとなく不安はありました。

2次試験まであと2週間と迫っている時に過去問をはじめました。
すると、問題の表面的な形式は講座とは似ても似つかないようであるのにすらすらとできてしまうのです。

まったく歯が立たなかった物理がこんなに…と思っているうちにもどんどんできる。
結局06年度と05年度の過去問はともに9割くらい解けました。

そしてここからが奇跡の連続で、04年度から98年度の入試問題まではほとんどといっていいほど一問のケアレスミスで、9割5分を超えました。(これはホントのホントですよ!!)
その時はじっとしていられないほどテンションがあがりました。
僕は京大の物理ができた...と。

そう、京大の物理は、本質さえわかってしまえば、いとも簡単に解けてしまうのでした。
表面上は見たことないような題材を出しつつも、結局は基本的な考え方に帰着できるのです。

そして今年の本番では、大問1で、 田原の2体物体の授業で登場していた”換算質量”が、結構メインとして登場して、 難なく完答することができました。
はじめて出合った受験生はおそらく戸惑ったでしょう。

大問2では、 微分の考えがわかっていないと あまりできないテーマとなっており、微分をメインとする田原の講座の受講生としては 難しい問題ではありませんでした。

大問3でも微分方程式を使う問題がでるなど、 やはり物理の基本は微分積分なのだなとつくづく感じました。

自己採点では、 惜しくも9割は取れませんでしたが、 8割は確保することができ、 得点源とするには十分な点数となりました。

この講座との出会いはまさに合否とも結びつくほどの重要なものでした。
田原先生はPCレターの声しか聞いていませんが、僕の一番の恩師であるとおもっています。
ほんとにありがとうございました。

※PCレター=ThinkBoardの旧バージョン

------ ここまで -------

禍具魂さんが、どうして爆発的に伸びたのか・・・そのための重要なキーワードが、

「いつのまにか、三度の飯よりもWeb講座のほうが楽しみになって、」

という部分ですね。

このとき、禍具魂さんは、受験とか合格とかを、一度、脇へ置いておいて、目の前の講座を受けることに没頭したんだと思います。

そして、その結果、しばらくして自分の成長を感じて、

「その時はじっとしていられないほどテンションがあがりました。」

となるわけです。

こうなると、すべてが好循環に回り、爆発的な伸びが生まれます。


僕は、あなたにも、この現象が起こりえると思っています。

だから、あなたが難しい状況にあったとしても、「無理です」とは、決して言いません。

通常なら難しいですが、フロー状態に入れば、可能性があると思っているからです。

応援しています。