将棋と韓国語と少女時代

オヤジが好き勝手なことを書いているブログです


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 つい先ほどまで電王戦の佐藤天彦名人・叡王vsPonanzaの対局を見ていた。終局以降のインタビューなどは、我が家のパソコンの通信状態が悪くて全部を見きれていないので、タイムシフトで後ほど見ようと思っている。結果はPonanzaの勝利。

 ポイントの一つは天彦名人がどの程度、練習段階で勝てる可能性のある局面に導けていたかだと思うが、Ponanzaの初手は▲3八金。奇手のように見えたが、Ponanzaの初手はランダムで22通りの中の一手を選ぶということだったので、それだけでも局面の誘導が事実上不可能だったということが良く分かった。ただし天彦名人は第二局に向けて勝算は有ると言っていたので、Ponanzaの初手、2手目などの組み合わせでは、やりやすい序中盤の形が有るものと期待したい。5月20日の第二戦は先手だし。

 将棋はだんだん、曲芸になりつつあるし、本来がそういう性質のゲームだと言うことがはっきりしてきたのではないだろうか。よく羽生さんが過去の棋士で戦ってみたいのは升田名人と言っているが、升田名人が現在にいきなり現れて将棋を指したら序盤だけですぐに敗勢になって力を出せないとも言っている。昨年大晦日の「3本の矢」対決でもそうだったが、がっぷり組んでから力比べが始まるべき相撲を平均台の上でやっている感じで、相手とぶつかる前によろめいたらそのまま突かれて落下する感じか。今日の天彦vsPonanza戦で言えば、綱渡りのような細いロープの上を人間は落ちないように歩いて前に進むのが精いっぱいなのに対し、コンピューターは軽業師のように苦も無く膨大な量かつ正確な計算と判断で(しかも過去の蓄積に基づき)自由に飛び跳ねて襲いかかってくる感じだ。

 ここ数年の間で、コンピュータソフトに対する棋士の発言で最も基本的かつ根源的な命題の提示は橋本八段による、コンピューターソフトに勝てないプロ棋士の存在意義はなんなのか?に尽きると思う。今回の電王戦で振り駒役として参加されたプロ囲碁棋士のイ・セドルさんも、α碁との対戦以降、プロ棋士の神秘性が失われたと言っていた。将棋の世界では長い間、様々な局面で神様扱いされることの多かった羽生さんがようやく(偉大さは不変としても)人間に戻れたと言えるのかもしれない。昔の将棋観では、例えば大山名人や花村九段は人間は必ず間違える生き物であり、少なくとも将棋においては必ず間違えるという信念があり、相手が間違えることと裏腹に勝機が訪れるという戦略を持っていたとされる。今でも同じことかもしれないし、その非情さがどんどん鋭敏になって、場合によっては将棋がつまらないゲームになるのかもしれないが、それは一声100年先の話だと思っている。それにアマチュアにはアマチュアレベルで楽しめる世界も有って駆逐はされない。プロ棋士にとっては、食べていける職業かというのは切実な問題だとは思う。しかし、それは長い目で見れば例えばサッカーなどでも30年前は日本にはプロが無かったのだし、今でもオリンピック競技出場者でも裕福な暮らしが出来る人は限られた種目のトップレベルの人だけではなかろうか?将棋指しもお金欲しさにやっている訳ではあるまい。ただ継続的なスポンサー維持とか適正な棋士の人数とか大波小波は有ると思うけれど、それはどんな世界でも同じこと。

 Ponanzaについて言えば、次のコンピューター選手権に出場するバージョンはディープラーニングの技法?も取り入れ、さらに強くなっているという。対戦という意味では、これ以上強くなる意味が有るのかどうか分からないが、山本さんが情熱を持ち続けられる環境が続く限り、その進歩の先は見てみたい。と言っても、見えるのは前バージョンのPonanzaに対する勝率くらいで、その強さを実感することは相当な棋力がないと難しいことなのかもしれないけれど。

 今や、大方の人はコンピューターソフトの方がプロ棋士より強く、それを当然の成り行きとして受け止めることが出来ていると思う。その結果、人間の最高峰としてのプロ棋士への畏敬の念は変わらなかったと思っている。また現在だけでなく未来の名人は、将棋と出会った時から将棋のような無限とも思える変化手順のあるゲームにおいてコンピューターが強いのは当たり前であるという認識を持ち、またコンピューターの力をうまく活用することで、現時点では想像もつかないほどの棋力を備えたスーパースターが誕生するかもしれないという期待も持てる。

 コンピューターなんかに将棋をやらせたらダメだよ、いずれ人は勝てなくなるから、という主旨の話をされたという大山名人の千里眼にはまったくもって驚かされる。コンピューター将棋という概念以外にはほぼ何も判断材料が無かっただろう時代だったのに。それとはまた別に、羽生さんが闘う頭脳の中で「『将棋の全容を少しでも解明したい』という静かな気持ちはあります。あえて言えば、これが棋士を続けるモチベーションになっているのかも知れません」と書かれている。将棋の全容を解明していくその速度を上げるには、コンピューターの力を利用することが(どのように利用できるかという問題は有るとしても)必須であることがここ数年を経て明確になったきた今、米長元会長の言われた共存共栄の姿をポジティブなものとして将棋連盟のビジョンの中に取り入れられることを一ファンとしては切に願う。

 

(この一年ほどの間、ずっと思い考え続けてきたことをほぼなぐり書きに近い形で文章にしたので、脈絡もなく正確性に欠ける面もあるとは思うけれど、ご容赦願いたいと思います。ただし、万が一、失礼な記述が有ったとしたらお詫びするとともに適切に修正します。)

 

 

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