ほっと、ブレイク ~ 小説にトライ!編 ~-sowa1

クローバー けっこう多いなぁ、

 こりゃ少しアテがはずれたかな―――


 降りてくる人の波が途切れるのを待って、僕は急いで電車に乗り込み空席をさがしてみたが・・・ない。


 ふぅ、座りたかったなぁ―――


 夏の全国大会を控えた我がテニス部は もっか連日の猛特訓中なのである。

 とりわけ僕ら3年生は最後の試合とあってその練習量はハンパない。

 おまけに期末試験と重なって寝不足と練習疲れでもうヘトヘトなのだ。

 なんでも他のクラブの合宿中に事故があったらしく、先生たちはその対応に追われて大変だったらしい。

 その影響で試験が1週間遅れたのだ。言っちゃ悪いが迷惑な話だ。

 おかげでこっちは毎日クラブの練習と試験勉強というハードスケジュールをこなさなければならない羽目になってしまったのだから。


 手近な吊り革につかまり僕はキョロキョロとあたりを見回した。

 快速なら25分、各駅停車でも35分程の道のりだ。

 普段ならば満員の快速にキュッと押し込まれていくのだが、今朝は比較的空いている各駅停車に乗り込んだ。

 少し時間はかかっても、ゆっくり座って行きたかった。

 それほどに疲れていたのだ。


 僕の住んでいる尼崎から高校のある六甲道までは9駅。

 そのうち快速電車が停まる大きな駅は西宮・芦屋・住吉の3つだ。

 今は座れなくてもその3つの駅ではたくさんの人が降りるはずだから席が空くチャンスもきっと高い。

 僕はそのチャンスに賭けてみる事にした。

 だがしかし、当然すべての人がそこで降りるわけではない。

 せっかく席が空いてもその人の前に立っていなければ、すぐ別の誰かに座られてしまうだろう。

 肝心なのは誰が席を立つのか、その人を見極める事だ。

 ぼーっと突っ立っているわけにはいかないぞ。

 さぁ、早くこの車両で座っている人の中から途中下車しそうな人を探し出さなければ!クローバー


                                                        ―――つづく


  
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