2010年11月17日(水)

大卒内定率過去最低vsバブルで浮かれた頃

テーマ:経済・社会

大卒内定率は過去最低の57% ―。


11月16日に発表された来春卒業予定の大学生の就職希望者に占める内定率の数字だ。10月1日時点の数字だが、約1ヵ月半を経過した現在もさほど状況は変わっていないだろう。57%の内訳は男子59%、女子55%、また文系57%、理系58%となっており、いずれのカテゴリーにおいても厳しいことがわかる。現在の方法で調査が開始された1996年度以降、就職氷河期と言われたインターネットバブル崩壊後の03年度に60%というレベルまで落ち込んだが、今回はそれよりも水準が下がり過去最低だ。


「80社近く受けたが、全く内定が出ない」

「何社回っても就職が決まらない」

「どうしたら内定がもらえるのか教えてほしい」

切実な声が聞こえてくる。


大学を卒業したからといって、簡単に就職できる社会ではなくなった。これは何もリーマンショックの影響だけではない。人手という「数」に頼らない経営をどこの会社でも重要課題として取り組んでいること、社員を「一から育てる」という余裕がなくなっていること、グローバル化によって外国人を採用するケースが急増していること、中途採用や派遣社員を積極的に活用していること、などの複合的要因によりどの企業においてもかつてほど新入社員を採用する重要性が確実に下がった。


最近では大学3年生の春から就活(シューカツはとてもダサい言葉、「就職活動」と言ってもらいたい。婚活も同じ。初めて聞いたとき「トンカツ」と間違った。しかし、「結婚活動」というのは私にははなはだ奇妙な活動に見えるのだが…、なぜそんなに焦ってコンカツに逸るのだ?)をしているらしい。いや、大変だね。


ところで、私が社会人になった昭和63年(1988年)はちょうどバブルのピーク時だった。景気が絶好調だったため、どの企業も人が欲しくて仕方が無い(人手増加=業績増加の時代だった)。したがって、一人で5社や6社から内定をもらうなどというケースが続出した。辞退されるのを避けるため、企業は研修旅行と称して長期間学生をあっちこっちに連れまわしたり(確か、10月1日が解禁日で正式に内定を出せる日だった気がする)、派手な懇親会などが連日あちこちで開催されていた。


それと今では考えられないのが、上場企業がファイナンスをして立派な社員寮を建設するのがブームとなったことである。シャンデリア付きの娯楽ルームなども出現した。通常、会社の社員寮は2人1部屋であるが、それじゃ学生に来てもらえないということで1人1部屋にするために新たな寮が必要だったのだ。お手軽に株式市場から資金調達できた時代が1987年~1989年頃だった。バカげているが懐かしいねぇ。その後バブルの崩壊で社員寮は二束三文にて叩き売られてしまったが。


私のような文学部フランス文学科出身というおよそ一般企業が採用したくないような学生にすらホイホイ内定を出す時代はどう考えても「普通」ではなかった。今の時代のほうが普通だと思う。


就職活動の学生よ、頑張れ!

ただし、企業に就職するだけが社会人になることではない、と言っておこう。この意味、わかる?


太田忠の縦横無尽 2010.11.18

『大卒内定率過去最低vsバブルで浮かれた頃』

        **太田忠投資評価研究所のHPはこちら**


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