2010年11月07日(日)

ズービン・メータ指揮、イスラエル・フィルを聴く

テーマ:音楽

11月6日(土)に東京文化会館でのズービン・メータ指揮、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団を聴きに出かけた。


5月の下旬から一斉前売り販売が開始されたのだが、張り切って初日に予約を取り、ようやく半年が経過してコンサートの日を迎えたという熱の入れようである。


ズービン・メータは私がクラシック音楽を聴き始めた頃から最も注目している指揮者の一人であり、今年が「イスラエル・フィルとの競演50周年」というのを聞くと、さすがに歴史を感じる。25歳にしてイスラエル・フィル(IPO)の指揮を取って以来すでに50年ということは、ズービン・メータも今年で75歳というもう決して若くはない年齢になったことを意味する。


今回の日本公演は12度目であり、3年前の2007年、およびその前の2003年にもいずれも出かけている。


イスラエル・フィルはご存知の通り、弦楽器の艶やかさに定評のある楽団だが、私自身は世界三大オーケストラ(ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、シカゴ響)に決して引けを取らないと考えている。メータという個性の強い指揮者が本領を発揮した時は、それこそ世界一のパワーを発揮するオーケストラになる。


クラシックコンサートは我が家にとっても「非日常」のイベントであり、しかもそれが普段は日本で聴くことのできない海外のオーケストラの場合は、できる限り聴きに行くことにしている(妻も大好きである)。


イスラエル・フィルで嬉しいのは何もその実力ばかりではない。実はお値段がリーズナブルなのだ。例えば、世界三大オーケストラの場合、S席は安くて35000円、高い場合だと45000円という、まるでオペラのチケットのようなプレミアム価格になるのだが、イスラエル・フィルの場合はぐっとお安くなり、今回のS席は22000円なのだ。まあ、それでも2時間ばかりのイベントの1人当たりの料金としてはベラボーだと思うが、あの魅力的なサウンドがわざわざテル・アヴィブまで行かなくとも東京でこの価格ならば安い、と言ってよいだろう。しかも、今回は初日に予約したことが功を奏したのか1階の9列の8番、9番という絶好の位置だった。


ズービン・メータはもう品のいいおじさん(おじいちゃん、というのはちょっと失礼)であるが、私が最もすごいと思っているのは1963年にロスアンジェルス・フィルの常任指揮者となり、まだ無名だったロス・フィルを大躍進させた時代である。実は、メータのレコードで最も私が持っているのはこのロス・フィル時代の録音であり、これはもう「すさまじい」の一言に尽きる。「熱き心」「燃える情熱」「どこまでも高みを目指す克己心」がまざまざと感じられて、ずいぶんと大学生時代は感化されたものである。


さて、今回の曲目だが、まずストラビンスキーの「春の祭典」が登場。初めて聴いたときに、「何だ!これは!」という衝撃を受けた曲であり、「理解不能、かつ、わけのわからないという曲も立派に存在するものだ」と不思議な体験をした私にとっては存在感のひときわ大きい曲である。


そして、お次がマーラーの交響曲第1番「巨人」。マーラーの交響曲は非常に好きであるが、この1番はとりわけ「みずみずしさ」が魅力的である。


実際の演奏は実にすばらしかった。弦楽器は言うに及ばず、いつもは若干金管セクションに少し不満があるのだが、そういう点もすべて払拭され、シャープかつクールだった。このすばらしさは、聴いていただかなければわからない。


そして、最後にアンコール(大作をやった後もアンコールをするのがメータのポリシーである)として、「ウィーン気質」が演奏された。もうニューイヤーコンサートの雰囲気である。


ということで、妻と私はとても満足して上野を後にした。

やはり、一流を体験するのはとても大事なことである。


太田忠の縦横無尽 2010.11.7

『ズービン・メータ指揮、イスラエル・フィルを聴く』

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