2010年05月19日(水)

追悼 ハンク・ジョーンズ

テーマ:音楽

5月16日にジャズピアニストの名手であるハンク・ジョーンズが亡くなった。


ハンク・ジョーンズは1918年生まれだから没91歳。世界中で演奏しており、毎年のように日本にやって来る。今年も2月に来日して元気な演奏を聴かせたらしいが、4月に急に体調を崩したのが災いした。私が彼の演奏を最後に聴いたのは2009年2月28日のホテル・オークラでおこなわれたピアノトリオだった。公演のプログラムに加えてアンコールを4曲(!)もやり2時間近くもの演奏中その集中力は途切れず、公演終了後も1時間にわたってサイン会をおこなうという超人的な姿がそこにあった。

その時のブログ:90歳ピアニストの「やるもんだ!」


ジャズが芸術として偉大なプレーヤーを育みながらその歴史が始まったのはちょうど彼が生まれた頃にあたる。デューク・エリントン(1899年生まれ)やルイ・アームストロング(1901年生まれ)といった人たちが原始人の世代である。ジャズを知らない人でもおそらく彼らの名前は聞いたことがあるだろう。ハンク・ジョーンズより二まわり上の人たちだ。


そして1905年前後から1920年にかけて誕生したハンク・ジョーンズと同年代の人たちを列挙するとカウント・ベイシー、ベニー・グッドマン、テディ・ウィルソン、アート・テイタム、チャーリー・パーカーなどのジャズメンであり、もうとっくに伝説として多くの人たちの記憶の中に仕舞い込まれている。アート・テイタムやチャーリー・パーカーが亡くなってからすでに55年の年月が経過し、ベニー・グッドマンやテディ・ウィルソンですらすでに25年も昔のことだ。だから、91歳まで現役プレーヤーであったのはあまりにもすごすぎる。もし、彼らがハンク・ジョーンズのことを知ったら卒倒するに違いない。


「150歳まで生きてもっとピアノが巧くなりたい」とハンク・ジョーンズは言っていたが、残念ながらその願いはかなえられなかった。彼の元気な姿から100歳までは大丈夫だと私は確信していたが、その予想も外れてしまった。悲しいことだがしかたあるまい。今年の来日の際に2月24日に東京のスタジオでレコーディングされたCDが7月に『ラスト・レコーディング』というタイトルで発売されるそうだ。


さて、もう一つジャズに関する残念な話題がある。それはスイングジャーナル誌がこの7月号をもって休刊となることである。63年も続いた老舗のジャズ雑誌であるが、広告収入の落ち込みにより休刊に追い込まれた。


時代が確実に変化していることを感じさせられる。


太田忠の縦横無尽 2010.5.19

「追悼 ハンク・ジョーンズ」

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