2009年09月20日(日)

ついにここまできた不動産市況

テーマ:経済・社会

毎週、週末になると配達される新聞の朝刊にはさまれている折込みちらしの量が膨張し、新聞そのものの厚さよりもボリュームが勝っていることも少なくない。その主役となっているのがマンションや戸建ての不動産広告である。


2年ほど前には、その不動産広告の数たるや半端ではなかったが、不動産市場の崩壊とともに着工される住宅戸数も急激に減ったことからこの1年では広告も次第に減少していった。ところが、最近になってまた増えている。それは、不動産各社が手持ち物件の在庫圧縮のための値引き販売に走らざるをえなくなっており、「値下げしました、買いませんか」という広告が勢いを増しているからだ。


昨日、過激な広告を見た。


「目黒区八雲、永住の名品、八雲ハウス。新価格発表」

と銘打った広告で、「販売住宅5戸、先着順受付/現地内覧会実施」とあり、2008年2月に竣工した売れ残り物件が紹介されているのだ。


Btype(242.47㎡):39,800万円→19,950万円

Ctype(193.26㎡):28,300万円→14,150万円

とある。いきなり半額である。


もともとこの物件は上場不動産企業によって販売されていたのだが、倒産したためにさる日系証券会社の不動産部が再販売していると説明されている。


都内の新築マンション価格は不動産バブルの前は、70万円/㎡程度であったのが、あっと言う間に100万円/㎡となってしまい、それが最低レベルの価格になった。すなわち、70㎡のマンションでも7000万円(!)もするのである。ところが、この八雲のBtypeの旧価格での単価は164万円もの破格の値段である。たしかに麻布あたりの超高級住宅地域では、これくらいが普通なのだろうが、八雲はオフィス街から離れた世田谷の住宅地である。もちろん世田谷は一般的には不動産価格は高いのは知っているが、この物件の価格設定を見れば、いかに不動産が高騰し、強気の商売をしていたか、というのがよくわかる。


見かけ上は、ちょうど半値に価格改定されたこれらの物件は即完売するのだろうか? なお、裏面にも「伝統の別荘地ブランシャールの森」と題された、軽井沢の別荘用の住宅地が半値で売られており、

2012㎡:10,958万円→5,479万円

1639㎡:7,450万円→3,725万円

となっていた。暴落現象は都心だけではないらしい。


いったんこのような形で、売り手と買い手の立場が入れ替わる局面が出てこないと不動産市場の底入れは起こらない、というのが不動産業界の毎度のパターンである。


太田忠の縦横無尽 2009.9.20

「ついにここまできた不動産市況」

        **太田忠投資評価研究所のHPはこちら**

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