2009年04月29日(水)

ピンチとチャンスは表裏一体でやって来る

テーマ:経済・社会

雇用情勢は4月以降、さらに厳しさを増している。派遣社員の雇い止め問題は3月いっぱいで終わったわけではない。雇用は常に実体経済に遅れて動いているので、これから年末に向かってどんどん悪くなっていくだろうと私は考えている。正規・非正規を問わずである。2月時点での日本の失業率は4.4%であるが、これが10%程度にまで悪化する可能性は十分ありうると本気で考えている。ちなみに米国は8.1%、EU諸国は7.9%(スペインは17%!)であるが、3月、4月、5月と加速的に悪化していくことは間違いない。


私は金融の世界に身を置いているが、この業界の雇用情勢も「唖然」とするほど悪くなっている。私の身の回りも職を失う人々が日増しに増え、人生の転機に直面するケースが急増している。


そこで今一度認識をしなければならないのが「ピンチとチャンス」の話である。野球では「ピンチの後にチャンスあり」「チャンスの後にピンチあり」という格言がよく使われる。なるほど野球のように攻撃と守りの順番が規則正しく入れ替わってやってくるのならば、この格言は的を射ているが、人生は攻守の順番を交互に繰り返すほど単純なものではない。


「ピンチとチャンスは隣り合わせ」というのも「そうかな」とは思うが、隣り合わせでは本人からは両方見えているようなニュアンスがあり、私的には今ひとつ真実を突いた表現として迫ってこない。本人には両方見えていないはずなのだ。


私もすでに人生の半ばに差し掛かり、個人的な体験や身の回りや社会で起こった現象を観察してピンチとチャンスの関係を述べるとすれば、「ピンチとチャンスは表裏一体でやって来る」というのが一番ピッタリくる。表裏一体というのは、ちょうどコインの裏表の関係であり、片面だけが表の顔となってやって来るのだ。


すなわち、ピンチの時はピンチの面だけが表になってピンチの顔をしてやって来るのである。本人は慌てているものだから、ピンチの顔ばかりに気を取られて裏面のチャンスの顔を全く見ていないのである。必ずチャンスがくっついているのに、100%ピンチとしか思わないため、前向きな考え方や行動ができなくなってしまうのだ。


反対に、チャンスのときはチャンスの顔をしてやって来るものだから、チャンスの顔だけを見て、裏面のピンチを人は全く見ようとしないのである。これまで20年超にわたって延べ何人の経営者に会ったかわからないが、これは断言できる。経営者がチャンスだと思って大バカなことをやらかすのはいつも有頂天でピンチの顔を見なかった時である。


ということで、ピンチとチャンスは心がとらわれていると、絶対片面しか見ておらず、両面を見る心の余裕がなければ足元をすくわれることになる。


太田忠の縦横無尽 2009.4.29

「ピンチとチャンスは表裏一体でやって来る」

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