浦野さんに報告 | 【実録】ネコ裁判  「ネコが訴えられました。」

浦野さんに報告

翌日(9月18日)

浦野さんに昨日の結審の報告の電話をする。



浦野さん   「……で……どうでしたか?」

タロウ     「ええ……裁判官がキレていました。」


と第三回の様子を説明する。


浦野さん   「はぁ……それはそれは……とりあえずお疲れ様でした……。」

タロウ     「いえいえ。とってもお世話になりまして……。」

浦野さん   「で……判決はいつですか?」

タロウ     「29日です。ちょうど2週間。」

浦野さん   「そうですか…わかりました。……まぁ後は結果を待つだけですのでね……」

タロウ     「そうですね。」


と、ここで改めて聞いてみた。


タロウ     「この後なんですが……。」

浦野さん   「はい。」

タロウ     「まぁ……どのような判決が出るかによって多少変わってくるとは思いますが……

         100%でワタシが勝った場合ですね……。」

浦野さん   「はい。」

タロウ     「今まで裁判に出廷したりアレコレ動いたり……店の営業的損失部分……

         ワタシの代わりにバイトを入れたりですとか……こっちが負担した分の費用の請求って……」

浦野さん   「訴訟って事ですか?」

タロウ     「そうなりますね。」

浦野さん   「う~~~ん。」


悩む。


浦野さん   「前にも話をしましたが……そういうのを懲罰訴訟って言いまして……。」

タロウ     「はい……。」

浦野さん   「今回のようなトンチンカンな裁判だとしてもですね……。」

タロウ     「はい……。」


粛々と聞く。


浦野さん   「ワタシはオススメしません。」

タロウ     「はぁ……。」

浦野さん   「まぁ……こういう話になるかとは思っていましたが……

         もし山田さんが提訴すると言うのであれば……。」

タロウ     「はい。」

浦野さん   「ワタシは弁護士の倫理上……お手伝いする事は出来ません。」


「お手伝い出来ない」……ある程度、この反応も読んではいたのであるが……

実際に言われると少々ショックである。

タロウ     「と言うことは……『相談も乗れない』って事ですかね?」
浦野さん   「そう言う事になりますね。」


「弁護士の倫理」……ワタシは弁護士ではないので、この事をイチイチ問う事は出来ない……

「出来ない」がである。


裁判を起された被告にとって、裁判所への出廷は義務付けられている。

例えワケの分からないトンチンカンな裁判であってもだ。


出廷しなければ原告の主張が通ってしまう場合が多々ある。

被告の財産と名誉を守る為にも、普通は出廷するだろう。


その出廷した為の費用の弁済には協力出来ないと……。

シロウトのワタシは「訴えられ損じゃん」と率直に思った。


懲罰訴訟が「倫理上」良くない裁判だとして……誰も懲罰訴訟を起こさなかったら……


ここまで言うと極論になってしまうかもしれないが


例えば町内の人が裏で結託して「気に入らない人」に対して次々に、ある事無い事で断続的に

裁判を起し……実質その人を「虐める」と言う事が出来てしまわないか…?


可能性はある。


タロウ     「そうですか……。」

浦野さん   「その場合は、ご自身でやっていただくか……受けて頂ける弁護士を探すかしてください。」

タロウ     「わかりました……。」


ちょっとブルゥでちょっとショックである。


そんなコチラの雰囲気を感じ取ってか……。


浦野さん   「まぁ判決が25日……。そこから特別送達で判決文が送られてきます。」

タロウ     「はい。」

浦野さん   「それを受け取った日から数えて2週間が控訴期限ですから……

         だいたい10月12日ですか。何もなければ……完全に落ち着くのは……。」


「それまではジッとしてなさい」と言う意味であろう。

精一杯のアドバイスの様だ。


タロウ     「イロイロありがとうございました。」

浦野さん   「いえいえ……こちらこそ……。あっ!判決の結果はご報告くださいね。」

タロウ     「もちろんです。……では……。」




電話を切って落ち着いて改めて考えてみる。


確かに浦野さんの言う事もわかる。



……ワタシの思うところ……?

                              浦野さん イラスト:

以下次号。