第三回口頭弁論---その4---司法委員 | 【実録】ネコ裁判  「ネコが訴えられました。」

第三回口頭弁論---その4---司法委員

入廷する。


傍聴席にまだ人は入って来ない。

多分、入廷前の「生・川畑」を見るためであろう。


法廷内にはワタシと司法委員のおじさん。


ワタシと2mほどのところに座っている。



司法委員   「ふぅーーー。」


一通りの机の上の整理ができた様子である。

メンバーが揃うのを待っている。


話しかけてみた。


タロウ     「あのー。」

司法委員   「はい。」

タロウ     「司法委員の先生って……いつも2人とは限らないんですか?」

司法委員   「ああ……。」


笑いながら答えてくれる。

本当に愛想のいい人である。


司法委員   「司法委員は裁判官の依頼で出席するんです。1人か2人かも自由です。」

タロウ     「そうなんですか……。」

司法委員   「一回目の時はもう一人いましたよね……。」

タロウ     「ええ……。二回目の時は……その方、傍聴席にいました。」


にっこりしながら


司法委員   「あの時は、研修も兼ねて司法委員席に座っていたんですよ。あの方。」

タロウ     「あ…なるほど。」

司法委員   「新人なんです。」

タロウ     「なるほど……。」

司法委員   「司法委員っていうのはですね……まぁ……何かの仕事を持っている人とか…

         退職した後にやったりとかですね……。」


なるほど……。

ある程度の知識と良識を持った人が抜擢される様子である。


タロウ     「で……どういう役割なんですか?」

司法委員   「……そうですね……裁判官のアドバイザーってところですかね……。」

タロウ     「ほぅ……。」

司法委員   「裁判官から意見を求められた時に、お話をするというか……相談に乗るというか……。」

タロウ     「ほぅ……。」


確かに裁判官が一人で全てを背負うのもツラい。

そういう場合の裁判があるであろう。

「心の保険」の意味もある様子だ。


司法委員   「もちろん司法委員が自ら進んで口を挟む事はありません。

         あくまでも裁判官に意見を求められた場合です。」

タロウ     「なるほど。」


船頭はあくまでも裁判官であるという事だ。

あまりいろいろな人に権限があると船は山を登ってしまう。


司法委員   「示談になった場合とかですね……そういう時に活躍しますね。」

タロウ     「わかりました……。」


もう一個聞いてみた。


タロウ     「判決には関わるんですか?」

司法委員   「いや……判決は裁判官の決定事項ですから。」

タロウ     「ほぅ……。」

司法委員   「まぁ……事前に相談があれば話をします。」


了解である。




……………。




書記官さんが入ってくる。

マイクの調子を確かめる。


司法委員の先生とのお話も途中でストップである。


続いて生・川畑が入ってくる。


あ……この場合、「生」は不要であるか……。


川畑、机の上に書類を広げ準備の様子。

ワタシは既に準備完了。迎撃体制万端である。



傍聴席にも1~2人……入ってくる。

やっぱり生・川畑チェックがしたかった様子である。



その後もワラワラと傍聴席に人が入ってくる。

数えてみると10人弱の傍聴人……。

多分全て読者さんであろう。




……………。




裁判官入廷。


一瞬傍聴席に目をやると……その人数にちょっぴり驚いた様子。




書記官    「一同起立して下さい。」


原告も被告も傍聴者も一同起立……軽く会釈程度の礼をする。


書記官    「では平成17年(ハ)1345号損害賠償請求の第三回目口頭弁論を始めます。」


いよいよ最終章に突入である。


きちんとまとめた裁判ファイルを開ける。


タロウ     「う………っ!」
                               第三回その4 イラスト:

以下次号。




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追記:「タロウと雑談」 に新たに雑談用を作りました。

    本文と別で盛り上がりそうな場合は、コメントはそちらに……

    移動しない様子でしたら、気づいた方が促していただけると幸いです。