第一回口頭弁論---その4---証書確認 | 【実録】ネコ裁判  「ネコが訴えられました。」

第一回口頭弁論---その4---証書確認

裁判官      「原告…。こちらの訴状、甲号証に間違いはありませんか?」

川畑       「はい。」

裁判官      「この写真は…。ネコが写っていますが、このネコが被告の答弁書内『該当ネコ』

           であると言う認識でよろしいですか?」

川畑       「はい。」

裁判官      「この写真は…。車の一部のようですが…。これがネコが付けた傷の写真ですか?」

川畑       「はい。」

裁判官      「どのあたりが?ワタシにはボンネットのようにしかみえませんが・・・。」

川畑       「……。えっとですね…。この薄っすらと足跡がありますよね…。

           この前後に傷があるんです…。」

裁判官      「この写真では確認できませんが…。」

川畑       「……。実際にあるんです。車を見ていただければわかります。」

裁判官      「証拠として出して頂かないと…。それにこの傷がネコが付けたものだと証明できますか?」

川畑       「……。足跡の前後にあるので、そうなりませんか?」

裁判官      「では、そういう認識でよろしいですね?」

川畑       「……。では…。もっと拡大した写真を提出すればいいでしょうか?……」

裁判官     「…。裁判所としては、あくまで中立の立場ですので…。

          どの写真を出してくれとは言えません。訴状内容の立証責任は原告側にありますので…」

川畑       「……。どういう意味ですか?」


もうちょっと勉強して来い。心底そう思った…。

時間の無駄である…。


裁判官     「……。つまり、原告が『これこれこう言う事情で損害を受けた』と言うのであれば、

          それを証明するものは原告側で揃えていただかないといけない。」

川畑      「……。はぁ。」

裁判官     「原告が『このネコが被告の飼い猫である』と言う証明ももちろんの事、

          この傷が被告の猫が付けた傷であると言う証拠も提出して頂かないと」

川畑      「ですから…。このネコが車の上に乗っている写真と、被告宅に上がっている写真と、

          ネコの乗っていた場所の傷の写真なのですが…。」

裁判官     「……。これが証拠になると言うのであれば…。裁判所はこれで判断をします。

          それだけの話です。……。これが有力かどうかは別の話になります。」

川畑      「これでは証拠になりませんか?」

裁判官     「………。なるならないかは…裁判所が判決の際に判断するだけです。

          この場で言うことは出来ません。あくまで中立ですから…。」


当たり前である。そんな事は事前に弁護士にでも相談しろ…。こう言いたい。

…。だが一つわかった。

川畑はかなり単独で裁判に来ている。

傍聴席に関係者がいないのもそうであるが…。知恵がなさ過ぎる。

知識のある人に相談もしていないのであろう…。

まぁ・・・。知識のある人に相談していれば…。こんな馬鹿げた裁判を起こす筈もないのだが…。


川畑      「では…。次回までに、この傷の拡大写真を持って来ればいいですか?」

裁判官     「それで判断の材料になると思うのであればどうぞ。」

川畑      「わかりました。」


裁判官もかわいそうである。


………。しかし思うのであるが……。

このネコが車の上に乗っている写真と被告宅に上がっている写真とネコの乗っていた場所の傷の写真。

同一のネコが写っているだけで傷を付けた証拠になると言うのであれば…。


まぁ…。これは極論ではあるが…。


A宅に訪問販売に来たB                        =     BはAの友人又は同居人

Bがバス停で座ったら横に盗品のバックが捨ててあった     =     Bの盗んだバック

盗まれたバックの盗難届け                       =     Bは主犯Aは共犯者


と言う図式が成り立たなくもない…。

世の中ってそんなものか?

写真から証拠を導き出すのであれば…。


被告が該当ネコに餌を与えている瞬間の写真。

該当ネコが車を引掻いている時の写真。

傷の写真。(ネコが付けたと証明出来るほどパンチの効いたヤツ)

が必要だと思う。


裁判官もその事が言いたくて仕方ない。

そんな感じに受け止めた。


なにしろ歯痒い。解かってない。大人が裁判を起したのであるから…。もう少ししっかりしてもらわないと…。

訴えられたワタシも付き合うのに疲れてくる。

                                第一回その4 イラスト:
以下次号。