原告からの電話---その2--- | 【実録】ネコ裁判  「ネコが訴えられました。」

原告からの電話---その2---

で、原告からの電話の続きである。


話を戻そう。

訴状の内容は読者の方々とりあえず心に留めて置いていただきたい。

まぁ。ワタシにしてみたらそんな程度の訴状なのである。


電話に出たのは母のヨシコだった。


ヨシコ     「川畑さんて方。例の裁判の人じゃないの?」

タロウ     「あぁ。替わるわ」


………。


タロウ     「もしもし替わりました。」

川畑      「あのー。今回訴訟を起こさせて頂きました『川畑』ですが」


起こさせて戴かなくても結構であった。


タロウ     「で、なにか?」


そっけなくアイサツ

いつもは万人に慈愛と奉仕の志を目指すワタシも、相手が訴訟相手となれば話は別だ。


川畑      「裁判所の方から、被告に指定したウメキチさんが死亡していて不在ということなので…。

          誰を被告として立てれば宜しいですか?」


そら来た。読み通りである。

しかし「不在」ではない。と言うか帰って来られたら困る。


タロウ     「それなら『山田 タロウ』でいいですよ。」

川畑      「で、どういう字を書かれるのですか?」


あまりの事務的対応に少しムカついたので、こう聞いてみた。

もちろん録音されているかもしれないので、口調は至って丁寧にだ。


タロウ     「あのー。ちょっとよろしいですか?」

川畑      「はい?なんでしょう。」

タロウ     「お宅様はいきなり裁判所に訴えて訴訟を起こされましたが、近隣住民にあって

          普通、2~3回ウチのほうに相談に来てもよろしかったのでは?」


ストレートではあるが率直に聞いてみた。


川畑      「ワタシも話し合いで解決が着けば、裁判という手段は取りたくは無かったのですが、

          金額が金額ですので、公の場に出したほうが良いと思いまして。」

タロウ     「そうは言っても、普通ならば

          『これこれこういう事情でネコで困ってますが、どうしたらいいでしょう』

           って相談に来るべきでしょう。

川畑      「それはそうかもしれませんが…。

          お宅もネコがワタシの車に乗っているのを黙認してますよね?

          それってなんらかの対策を採るべきではないのですか?

          それを採られないから裁判という形にしたんですよ。」


ふむ。そう来たか。

ぼちぼち理論武装が出来る相手ではある様子である。


そして畳み掛けるようにこう来た。


川畑      「お宅がネコの飼い主であるならば、そのネコの行動にも責任を持っていただかないと。

          そのネコがかけた損害もそちらにがあるのではないですか?」


それは仰るとおりである。

でも、外車のオープンカーを約2ヶ月の間、屋根無しの駐車場に、

なんの防御策も取らずに駐車していた自分には「」がないと…?

写真は撮ってもネコを追い払わなかったわけである。

…。と思ったけどここは反論せずに聞いておいた。


川畑      「で、お宅は示談のお気持ちがあるのですか?」


と来たから……110万の示談である。

すかさず


タロウ     「いや。ない


と言ってやった。


川畑      「では、裁判で争うと言う形でよろしいでね」

タロウ     「はいどうぞ。そちらがそういうおつもりなら。

          では、『山田タロウ』で同じ告訴状をお作りください。ウメキチは不在ですから


と言ってやった。


きっとここからが面白い…。

ワタシにはオチが読めるのであるが…。(なにせ当事者ですから)

それでも結末は裏切られるかもしれない…。(なにせ当事者ですから)


読者の皆様。期待して頂きたいのである。

                                     電話その2 イラスト: