夫婦煙突

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僕の住んでる町の工場には

とっても大きな二本の煙突が建っている

何だか夫婦みたいに見えるので

勝手に夫婦煙突と名前を付けた


それは僕が高校生のころから同じ姿で建っている

晴れた日も、雨の日も、雪の日も、風の日も

同じ姿で凛と建っている

昔は黒くて大きな煙をもくもくとたてていた


今は環境のこともあるのか

白い煙がちょろちょろ出ているだけだ

いいこと何だろうけどちょっぴり寂しい気もする


夕方に工場が終わったら、門から人の波が

波のようにどんどん出てくる

家族の待つ家路を急ぐ人

仲間たちと飲みに行く人びと

孤独に一人で一杯飲みに行く人


きっとさまざまな人生が工場の門から溢れ出してる

時代は変わっても二本の煙突は同じ場所に凛と建ち

そんな人たちを見続けけてきたんだろう

二本の煙突はとても近い距離に建っている

近づきすぎもせず、遠ざかりもせず‥

赤と白のペンキが少しはげかけている

幾つ年をとっても仲のいい夫婦ってもしかしたら

あの二本の煙突のようなものかもしれない
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