柑橘スローライフ

柑橘系果樹・山野草・ハーブ類・花卉類を庭で栽培しています。


テーマ:
「もう一人のロックの創始者」といえば、
誰あろうLittle Richard/リトル・リチャード。

彼の代表曲のひとつが、ビートルズのカヴァーでもお馴染み、
「Long Tall Sally/のっぽのサリー」(1956)



前回のチャック・ベリーの「Rock And Roll Music」と比べて、
リトル・リチャードのほうは、ムンムンとしたR&Bやソウル色が強く、
ヴォーカルもパワフルなため、音楽的にはより肉厚な印象を受ける。
チャック・ベリーとは対照的ともいえる。

しかし、リトル・リチャードは、チャック・ベリーと比べると、
「ロックの創始者」としての知名度は低いかもしれない。

その理由のひとつが、55年にメジャーデビューして、
大きな人気を博したにもかかわらず、すぐの57年に突然の引退。
そして5年間の潜伏のあと、62年のビートルズのデビュー年に再登場という、
紆余曲折とした初期の行動が大きいのではと思う。

もし、リトル・リチャードが、62年のビートルズのデビュー時まで、
怒涛のような活動をそのまま続けていたら、
彼の現在の位置づけはもっと違ったものだったと思う。
歴史にIFはないけれど、もしかすると、
チャック・ベリーとの立場は逆になっていたかもしれない。

しかし何故、彼は潜伏したのか?
私は彼の伝記や発言をあまり知らないので、不用意な事は言えないが、
容易にひとつのことだけは想像がつく。

それは、当時のアメリカの「普遍的な黒人差別」である。
当時はラジオ放送ですら、白人と黒人は別の局やプログラムで放送されていたし、
飲食店では、座席や区画は分けられていた。
黒人差別撤廃を訴えた、あのキング牧師の演説までには、まだ5年の歳月が必要だった。

そして、自分たちがブルースやR&Bから創り上げたロックンロールを
さも白人達が作ったかのようにラジオなどでも喧伝される。
(もちろん、白人起源の流れもあるのだが)
この曲の発表された56年には、プレスリーやパット・ブーンにより
この曲はカヴァーされたが、これは白人ラジオ放送用のためという見方もできる。

そうしたことの積み重ねが、彼にロックンロールを白人に不当に
奪取されたような感覚にさせただろうことは想像に難くない。
潜伏にいたる直接的なトリガーではなかったかもしれないが、
こうしたことが、潜伏の根底的な要因として蓄積していたのではないかと思う。

リトル・リチャードのヴォーカルを聴くにつけ、
自分たちへとのしかかってくる、何か大きなアングロサクソン的なベクトルに対し、
抗おうとするパワーを感じる。まさに魂の叫びである。

しかし後年、海の向こうのイギリスのビートルズは、
チャック・ベリー同様、自分達の愛したリトル・リチャードへの敬意を表するごとく、
この「Long Tall Sally」を1964年にカヴァーする。
このカヴァーの意味合いは、プレスリーやパット・ブーンのそれとは違う。
純粋なレスぺクトである。



四半世紀くらい前、何かのロック雑誌のCMで、
このポール版ロング・トール・サリーが流れていて印象的だった。
「ロックとは何か」の一番端的な答えが、
このポール版ロング・トール・サリーと言ってもいい。
前回の「Rock And Roll Music」のビートルズのカヴァーにおける
ジョン・レノンのヴォーカルを絶賛したが、
このポールのヴォーカルも素晴らしいの一言。まさにポール大爆発だ!

さて、一応この「Long Tall Sally」の楽曲構造もさらりとみてみました。
和声的には、やはり典型的なブルース進行。
冒頭のサビ、ヴァ―ス全て、基本的にⅠ→Ⅳ→Ⅰ→Ⅴ→Ⅰ(1・4・1・5・1)。

リトル・リチャードが「F」キー。ビートルズのほうは「A」キーとしているものが、
WEB上などでも何故か多く見かけられますが、実際は長2度上の「G」キーです。
また、ビートルズのほうが、経過コードをいくつか入れ込んだり、
Ⅰに帰結したら、再度ドミナント(Ⅴ)を入れ直したり、若干細かく、
この楽曲の構造をよりブラッシュアップさせているようです。

また、ビートルズ版の演奏面では、
タムとフロアタムを激しく組み込んだ後半のリンゴのドラミングは見事の一言。

この曲は和声的には典型的なブルース進行そのものですが、
パワフルなメロディーとノリのいいリズムの流れが、
当時としては、おそらく、最先端の音楽というふうに感じられたはずです。
これこそまさに、リトル・リチャードの「発明に近い発見」だと思います。


第44回「Heartbreak Hotel」(1956)/Elvis Presley



ロック名曲百選/過去記事一覧

第1回「Sexy Sadie」(1968)/The Beatles
第2回「Ask Me Why」(1963)/The Beatles
第3回「Epitaph」(1969)/King Crimson
第4回「Speak To Me~Breath」(1973)/Pink Floyd
第5回「You Never Give Me Your Money」(1969)/The Beatles
第6回「Achilles Last Stand」(1976)/Led Zeppelin
第7回「Babylon Sisters」(1980)/Steely Dan
第8回「What A Fool Believes」(1978)/The Doobie Brothers
第9回「New Kid In Town」(1976)/Eagles
第10回「Your Mother Should Know」(1967)/The Beatles
第11回「Take It Away」(1982)/Paul McCartney
第12回「Pretty Maids All In A Row」(1976)/Eagles
第13回「I'm Not In Love」(1975)/10CC
第14回「A Whiter Shade Of Pale」(1967)/Procol Harum
第15回「Give Me Strength」(1974)/Eric Clapton
第16回「We Are The Champions」(1977)/Queen
第17回「Honky Tonk Women」(1969)/The Rolling Stones
第18回「Miss You」(1978)/The Rolling Stones
第19回「My Ever Changing Moods」(1984)/The Style Council
第20回「Hey Bulldog」(1968)/The Beatles
第21回「Here Today」(1982)/Paul McCartney
第22回「Alone Again(Naturally)」(1972)/Gilbert O'Sullivant
第23回「Good Night」(1968)/The Beatles
第24回「The Nightfly」(1982)/Donald Fagen
第25回「It's Too Late」(1971)/Carole King
第26回「Happy Xmas」(1971)/John Lennon
第27回「Better Make It Through Today」(1975)/Eric Clapton
第28回「Tell Her About It」(1983)/Billy Joel
第29回「Don't Look Back」(1978)/Boston
第30回「Don't Stop The Dance」(1985)/Bryan Ferry
第31回「Eggplant」(1975)/Michael Franks
第32回「Words」(1982)/Bobby Caldwell
第33回「Everybody Needs Love」(1978)/Stephen Bishop
第34回「Born To Be Wild」(1968)/Steppenwolf
第35回「I Keep Forgettin'」(1982)/Michael McDonald
第36回「Come On Eileen(1982)/Dexys Midnight Runners
第37回「Alive Again」(1978)/Chicago
第38回「Roxanne」(1978)/The Police
第39回「How Deep Is Your Love」(1977)/Bee Gees
第40回「Rock Around The Clock」(1954)/Bill Haley & His Comets
第41回「Johnny B Goode」(1958)/Chuck Berry
第42回「Rock And Roll Music」(1957)/Chuck Berry




にほんブログ村 ライフスタイルブログ 緑の暮らしへ
にほんブログ村
AD
いいね!した人  |  コメント(2)  |  リブログ(0)

橘 酢さんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。