RTC勉強会というものに参加してきた。テーマは「『Web2.0』~ビジネスへのインパクト~」

http://ceonews.jp/archives/2005/11/rtcweb20_1.html


さまざまなバックグラウンドを持つ参加者がいるなかで、注目を集めていたのはフォークソノミーだった。フォークソノミーは、顧客の声を吸い上げて、それを分かりやすく分類・分析して、自社の強みを作り出す仕組みだ。一般の企業が日々業務として行っていることと変わりない。変わらないので、分かりやすい。だからビジネスとしてWeb2.0を語る時には、フォークソノミーが議論されることになる。勉強会のグループディスカッションで発表されたビジネスアイディアは、ほとんどがフォークソノミーと関わりをもったものだった。


フォークソノミーなビジネスをつくっていく際に重要なのは、以下の3点だと思われる。


1.データの囲い込み

2.ユーザーの囲い込み

3.システムの構築


マッシュアップしちゃうのが、Web2.0な世界だから、データを囲い込んでいる企業とユーザーを囲い込んでいる企業とシステムの会社が連携してフォークソノミーなビジネスを展開することも考えられる。ぐるなびのレストラン情報と、Woman Exciteのユーザーと、はてなのシステムをごっちゃ混ぜして女性向けのレストラン情報配信ビジネスとか作れるかもしれない。ぐるなびか、Exciteか、はてなか、どこの会社がサービス提供するのかは問題だけれども。この場合なら、Exciteが中心となってサービス提供するのが妥当だろうか。


とにかく、こうした連携をつくりあげることで、ぐるなびのレストラン情報はより多様な使われ方をするようになる。Woman Exciteはより有益な情報をユーザーに提供できるようになる。そして、はてなはプラットフォームになる。はてな as platform。はてブの仕組みを公開して、どこのサイトでも簡単にフォークソノミーなサービスを提供できるようにすれば。


1.データの囲い込み


データの囲い込みに関しては、3つくらいのパターンが考えられる。


① もともと持っている

② データを掘り起こす

③ システムの構築や、ユーザーの囲い込みを先に行ってしまう

④ 例外??


① もともと持っている


メーカーのように、囲い込むべきデータを自分たちで作ってしまっているパターン。自分たちで作っているのだから囲い込む必要性がそもそもない。ただ、インターネットの世界では、統合的なデータが求められる。1つの企業が発信する情報よりも、さまざまな企業が発信する情報があった方が良い。ここに、カカクコムのようなデータ卸売業っぽい人たちが入り込む余地がある。


② データを掘り起こす


くそ営業力でデータを掘り起こしていくパターン。リクルートや楽天なんかがこのパターンにあてはまる。まだ掘り起こされていないデータがある場合、そこを掘っていけば金脈にぶつかる。21世紀のゴールドラッシュ。


音楽情報では、インディーズの情報だったり、映画だったらミニシアター、自主制作など、商店だったらインターネットとまるで縁の無い商店、オタク関係だったら同人もの、のようなデータが例として挙げられる。もちろん、目玉情報みたいなものも必要になってくるが、こうした情報は、ロングテールをつかまえることが容易ではないだろうか。


③ システムの構築や、ユーザーの囲い込みを先に行う


データを集めるためのシステムを先に構築してしまう(Google Base)とか、ユーザーの囲い込みを先に済ませてしまってから、メーカーなどにデータを供給してもらうパターン(ipodでユーザーを囲い込んでから、音楽会社にデータを提供してもらう)


潜在的な顧客をつかんで、「データちょうだい」とねだってみたり、スーパーハカーがシステムを構築してデータを囲い込む、自社の強みを活かした戦略。さきほど挙げた1.データ 2.ユーザー 3.システムという3つのポイントは1→2→3と時系列に並んでいるわけではない。重要なのは、1・2・3を有機的に連動させて価値をつくりあげることだ。


④ 例外??


グーグルはものすごいハカー達がものすごいシステムを作り上げることで、Webにあるデータをすべて囲い込んでしまった。「世の中の情報を整理しつくす」グーグルの凄みはここにあるような気がする。

2.ユーザーを囲い込む


フォークソノミーなビジネスを展開するには、ユーザーを囲い込んで魅力的なコミュニティをつくることが大切になってくる。女性向けにフォークソノミーなビジネスを展開したいのに、ムサイ男どもが集まってくるコミュニティを作ってしまっては意味がない。ユーザーの囲い込みには、3つのパターンが考えられる。


① 囲い込みたいユーザーが必要としている情報を発信する。

② 場を提供して、ユーザーを囲い込む。

③ デバイスで囲い込む。


もちろん、ユーザーを囲い込むためには両方やらなくてはならないが、前者がプッシュ型であるのに対して、後者はプル型という違いがある。


① 囲い込みたいユーザーが必要としている情報を発信する


メルマガやWebサイトをつくって、情報を発信していく手段。囲い込みたいセグメントにマッチした情報を発信していく。マーケティングだ。アットコスメはもともとメールマガジンからはじまった。化粧品についての有益な情報を提供し、それによってユーザーを囲い込んでいった。


② 場を提供してユーザーを囲い込む


掲示板・ブログ・SNSのような場を提供してユーザーを囲い込む。この場合、情報を発信するのはユーザーになる。2ちゃんねるのように、網羅的にユーザーを集めて、掲示板の違いでユーザーの特性をつかんだり、SNSのように、リアルな関係をネットに持ち込んでもらって、自分たちでユーザーの特性を定義付けしてもらったりといったことが例としてあげられる。


ただ、どんなユーザーを囲い込むのか、企業側からコントロールすることが難しい。はてなは、このコントロールが上手い。コミュニティにはてなが主体的に関わっていくことで良質なコミュニティを構築した。逆に、この関わり方を誤ると、当初は意図しなかったユーザーが集まってきてしまうことになる。ランキング上位に賞金を与えるアメブロでは「アクセスアップ!!」みたいなブログが多い。読者機能など、すごく良い仕組みだと思うのだけれど、現状ではアクセスアップの手段として使われている。ライブドアブログはアダルト全開なので、アダルトが多い。


また、運営も難しい。常に「コミュニティが劣化した」という批判にさらされる。ネット上の評判をみると、2ちゃんねるなんかは年中劣化している。しかも5年間くらい。


③ デバイスで囲い込む


ユーザーに身近なところにあるもので囲い込む方法。ipodなんかはこのパターンの典型例ではないだろうか。勉強会では、「冷蔵庫にネットワーク機能をつけて主婦を囲い込む」という案が発表されていた。コンセントからインターネットにつなげたり、無線でホームネットワークを構築できるようになったら面白いビジネスだと思う。


3.システムを構築する


データを集め、ユーザーの声を聞くためのシステムには、3点のポイントを挙げることができる。


① インセンティブ

② 仕組み

③ ユーザーインターフェース


① インセンティブ


フォークソノミーなビジネスを構築するには、ユーザーに情報を提供してもらわなければならない。それなりの見返りがなければ、ユーザーは情報を提供してくれない。フォークソノミーではないが、アットコスメでは、口コミ情報を提供するたびに、検索精度が上がるシステムを作り上げた。はてなの人力検索では、質問に回答するとポイントがもらえる。金銭的にインセンティブを与えている。こうしたインセンティブが働かないと、ユーザーは情報を提供してくれない。


② 仕組み


ユーザーの情報を吸い上げるといっても、適切な仕組みが必要だ。どういった情報を吸い上げたいのかによって、仕組みが変わってくる。はてなアイディアはユーザーの要望を市場というカタチで吸い上げている。そして、はてなは割と有益な要望を得ている。もしも、掲示板で情報を吸い上げていたなら、もう少し無責任な要望が飛び交う場になっていただろう。市場という仕組みを取り入れることで、ユーザーは自分の要望を「市場でどう評価されるだろうか?」と客観的に見つめなおすことができるようになった。ポイントによるインセンティブも働いている。


また、基本的には、ユーザーが使えば使うほど価値を増していく仕組みを構築することが重要だ。


③ ユーザーインターフェース


どんなシステムであれ、使いやすくなければならない。Ajaxはこの分野で貢献している。この辺りは(も)よく分からない。




長くなりましたが、勉強会でぼやーと考えたことをまとめてみました。

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