「人生も旅も楽しむ」ジャパンハーツ飯塚真奈美のブログ

外国人観光客マーケティング・観光ジャーナリストの仕事の周辺


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和歌山には 鯨にまつわる伝説がありますが

アイルランドには アザラシにまつわる伝説があって

その伝説をもとに制作されたのが

アニメ映画 ソング・オブ・ザ・シー 海のうた です。

 

 

海ではアザラシ 陸では人間の女性の姿をとる妖精セルキーと

人間の父親の間に生まれた 幼い兄妹。

妹のシアーシャが生まれた日 大好きだった母親が海へ姿を消し

(映画ブルックリンで書きましたが 自由という意味の

アイルランド語シアーシャが 妹の名前ですね)

兄のベンは それを妹のせいだと思い込み 妹に意地悪ですが

妹の6歳の誕生日に 兄妹は 父親と暮らす島の家から

町のおばあちゃんの家に連れて行かれ

妹は フクロウ魔女のマカの手下に連れ去られ

兄は 妹を救うため 魔法の世界へ旅立って・・・という物語で

アザラシの妖精セルキーの伝説の他にも

石にされた妖精とか 語り部の精霊とか

母親が教えてくれた話や歌 海のうたが聞こえる貝の笛

妖精セルキーが歌うと妖精が家に戻れるハロウィーンの夜・・・と

とてもアイルランド的な要素が詰まっていて

キャラクターデザインがシンプルで やさしい色づかいで

幻想的なのに グラフトンストリートのモリー・マローンが登場したり

極上の絵本をめくっているようでもあり

アイルランドを歩いているようでもあり

穏やかで 温もりのある 美しい作品です。

 

 

監督のトム・ムーアは 北アイルランド出身ですが

日本のアニメのファンで

黒澤明や小津安二郎の影響も受けていて

本作は となりのトトロ を目指したそうですが

むしろ 千と千尋の神隠し的 かぐや姫の物語的で

宮崎駿監督と高畑勲監督へのオマージュ

ともいえる作品になっています。

 

 

 

 

ちなみに アイルランドでは かつて

アザラシは 海で亡くなった人の魂ともいわれていて

神聖なものでもありました。

 

 

余談ですが 英国BBC放送の 21世紀の偉大な映画の4位に

宮崎駿監督の 千と千尋の神隠し が選ばれましたね。

1位 マルホランド・ドライブ

2位 花様年華

3位 ゼア・ウィル・ビー・ブラッド

4位 千と千尋の神隠し

5位 6才のボクが、大人になるまで。

 

 

 

 

 

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2016年度認定の日本遺産のいくつかも 興味深いです。

 

 

鯨とともに生きる というのは もちろん 和歌山県の

新宮市 那智勝浦町 太地町 串本町のことですが

捕鯨が この地域の一大産業に発展したのは

江戸時代以降のことで

古来 浜辺に打ち上げられた鯨を

富をもたらす神えびすとして崇め 感謝して

食料とし 道具の素材とし 肥料とし 余すところなく頂いて

祭りや伝統芸能にもなって 伝承されてきました。

 

 

熊野灘沿岸は 黒潮が 南から北に流れ

背後には 急峻な熊野の山々を擁しているから

高台から 沖を見渡せ 鯨をいち早く発見できて

捕鯨には最適な地理的条件がそろっていて

あちらこちらに 鯨山見跡も残っていますが

とりわけ 奇岩怪石のリアス式海岸が美しく

熊野古道を歩くなら 中辺路街道もいいですが

海沿いの大辺路街道もいいですね。

 

 

たとえば 幅500メートルの一枚岩が聳え

2センチの世界最小トンボが棲む古座川の

河口沖に浮かぶ 漁業の守り神が祀られている聖なる島

九龍島(くろしま)とか (かつては 熊野水軍の根城でした)。

 

 

海岸から海に向かって 850メートルにわたって

40余りの岩柱がそそり立ち

弘法大師が一夜で造った という伝説の

橋杭岩(はしくいいわ)とか (10月にライトアップされます)。

 

 

写真:和歌山県観光連盟

 

 

で なんといっても わくわくするのが 本州最南端の潮岬です。

冬には 太陽が海から昇って 海に沈むのが見られるんです。

本州最南端訪問証明書は 潮岬観光タワーで発行しています。

 

 

串本の海は 黒潮が南から暖かい海水を運んでくるので

南の海と同じように暖かく サンゴ群落が形成されて
世界最北のサンゴの海でもあります。

 

 

串本駅あるいは古座駅には 新大阪から

JR特急くろしお(オーシャンアロー)で 約3時間30分。

東京からは 南紀白浜空港まで 飛行機で

白浜からJR特急くろしおが 便利です。

ちなみに 特急くろしおのオーシャンアロー車両は

今年で 20周年を迎え
12月31日まで 20周年記念期間です。

 

 

 

 

 

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アイルランドを舞台にした映画は 少し前まで

貧しくて 暗くて というのが 多かったですが

ケルティック・タイガー(1995年~2008年の経済成長)を

経験したからでしょうか 貧しいけれど 明るくなりました。

 

 

ジョン・カーニー監督の自伝的映画 シング・ストリート も

副題が 未来へのうた とあるように

お前には未来がある 未来を選べ

というメッセージが込められていて

明るくて 面白いです。

 

 

舞台は 1985年の大不況下のダブリン。

14歳のコナー(フェルディア・ウォルシュ・ピーロ)は

父親が失業したため 公立の学校に転校して

いじめられるし 校長先生に意地悪されるし

憲法で離婚が禁じられているから 不仲の両親は喧嘩ばかりで

兄ブレンダン(ジャック・レイナー)と一緒に テレビで

ロンドンのMVを見ている時だけがハッピーな日々です。

 

 

ある日 コナーは 学校の向かいに住む

ラフィーナ(ルーシー・ボイントン)に一目惚れして

僕のバンドのPVに出ない? と声をかけるのだけど

もちろん 僕のバンドがあるはずもなく

そこから バンドを組み

バンド名は シング・ストリート で

ロンドンの音楽シーンを驚愕させるPVを撮る と決めて

猛練習を始めるんですね。

 

 

ウサギを可愛がっている ギターのエイモン(マーク・マッケンナ)とか

個性的すぎるでしょう というメンバーたちだから

練習風景ですら 面白い。

なかでも 一途にロンドンに憧れ 一途にラフィーナに恋をしている

コナーのまっすぐさは 愛おしいほどです。

 

 

オリジナル曲も作って だんだん上手になって

コナーは 小さなボートに ラフィーナを乗せて

ロンドンを目指します。

風も強くて 波も荒くて 大型フェリーでも欠航するような

アイリッシュ海なので ハラハラしたけれど

エンディングで 笑い声が聞こえてきて

ロンドンに着いて うまくいっていることが 暗示されて

よかったねと 心底思います。

 

 

バンドのオリジナル曲も 味がありますが

デュラン・デュラン ザ・キュアー ザ・ジャム

ホール&オーツ A-ha ザ・クラッシュ といった

80年代のUKロックが流れ

グリースのオリビア・ニュートン・ジョンや

ピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアのファッションが再現され

ヘアスプレー ウェストサイド物語 カッコーの巣の上で といった

ミュージカルへのオマージュもあって

80年代カルチャー大好きな人には たまらないでしょうね。

 

 

ロケは ダブリン市内とその周辺で行っていて

80年代のくすんだ灰色の街並みも 映し出しています。

 

 

何にでもなれる。

どこにでも行ける。

14歳の少年の物語は

かつて14歳だった大人の物語でもありました。

 

 

余談ですが フラワーショウ! は

アイルランドの田舎娘が ガーデニング世界大会に挑む

という 実話に基づく映画ですが 期待外れでした。

冒頭のアイルランドの風景だけが 美しかったです。

意外にも シング・ストリート の方が 数倍面白いです。

 

 

 

 

 

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