2010-08-26 19:43:20

「下落合の家」現場レポート 土間の配筋検査を行いました。

テーマ:建築のしごと

8/1に着工した「下落合の家」 は、渡辺富工務店という新宿の工務店が施工を行っています。



この場所は、土地も関東ローム層の安定した敷地で、工務店も信頼できると思うとつい現場に行く回数が減りがち。先日「根切底検査」を行ったと思ったら、もう地中梁コンクリートの配筋が終了しています。


根切底検査は、予想通りの十分なローム層が確認され、その深さまで砂利を転厚して土台を作ります。これは根切をした8/10の写真です。



建築家 田口知子の日常をつづったブログ 茶色く見えるのが関東ローム層です。これが出れば十分な地耐力が期待できます。


今日は地中梁と土間の配筋検査を行いました。


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工務店の下請けの職人さんたちは、仕事がとても丁寧で確実なのには驚かされます。工務店によって、職人さんの質も大きく違うことがあるのです。


 この住宅は木造2階建てで、配筋は「布基礎」という地中梁方式の構造です。ぱっと見たところ「ベタ基礎」のように見えますが、梁が構造になっている場合は土間コンクリートがあっても「布基礎」になるそうです。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ 右側にあるのが地中梁で、構造部分です。

建築家 田口知子の日常をつづったブログ 今回も構造は梅沢構造事務所。担当の吉野さん。

 配筋検査では、梁の主筋の本数、定着長さ、周辺のかぶり厚さなどが図面通りできているか、チェックしていきます。


もち網のような鉄筋の上を歩くのは結構疲れるものです。


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とはいえ、鉄筋職人さんは炎天下の下、何10kgもの鉄筋を肩にかついで作業します。


女には絶対できない職業ってあるものだなあ、と鉄筋職人さんを見るといつも思います。

 


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2010-08-10 13:14:52

ブルーノ・ムナーリ展に行ってきました。

テーマ:日々のこと

先日の日曜日、友人と3人で横須賀美術館のブルーノ・ムナーリ展を見に行って来ました。



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ムナーリさんといえば、絵本を思う人、プロダクトデザインの神様、みたいなイメージを持つ人、いろいろですが、とにかく偉大な芸術家であり、教育者であり、デザイナーであった人です。そんな彼の作品展を、あの「横須賀美術館」で開催しているとあっては、何を置いても行かねばならぬ・・・、ということで、予定を圧縮して時間を作り、海のそばの馬堀海岸からバスで3Kmという小旅行、勇んで出かけてきました。


  ムナーリさんは、すばらしいデザイナーである、と同時に、子供の創造力を伸ばす教育に、深いコミットメントがあった人です。いわく「ある人がクリエイティブな人生を送ることができるかどうかは、その人の生得の能力によるものより、子供のころに触れたもの、経験することの量、遊びの質よって決まる。クリエイティビティーは人生でもっとも貴重な財産であ」、という信念のもと、たくさんの子供の遊びを考え出し、オモチャや絵本をつくった人です。その内容、文化的レベル、どれをとっても非凡さと斬新さにあふれています。

 彼はデザイナーとしても、シンプルで、美しいものをたくさんつくりました。模倣が可能な簡単な構造、軽さや楽しさ、アイデアの秀逸さなど、デザイナー、アーティストどちらの能力にも深い尊敬を覚えますが、もっともすばらしいと思うのは、彼の中にあるユーモアと遊びのセンスです。


 「役に立たない機械シリーズ」「手軽に持ち運びできる彫刻」「数字が動き回って時間がわからない時計」等・・・。見ていて噴き出してしまうお茶目なアイテムの数々。ムナーリさんの生きた時代は高度成長期真っ只中、経済性と効率を追求する「機械時代」の最盛期です。機械の持つ形態や機能は大好きなムナーリさんでしたが、一方で陥りがちな「効率追求の危険性」をごく早い時期に感じ取り、真剣にその常識を覆す、ユーモアあふれる作品を作り続けた、真の意味で芸術家であったということに、本当に深い尊敬を覚えます。


 作品を見終わって、「子供と芸術家は社会の財産である」ということを、あらためて感じました。


 横須賀美術館についても一言。建築家の山本理顕氏の作品ですが、やわらかい空間体験がきめ細かく表現されていて、これもまたすばらしかったです。

建築家 田口知子の日常をつづったブログ ガラスの箱の中に、鉄板の壁を作り、ランダムな穴をあけています。

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グラフィックデザイナー廣村正彰氏のサインも随所でデザインスパイスになっています。
建築家 田口知子の日常をつづったブログ 図書館のサイン(ガラスに印刷)


館内のイタリアンレストランもレベルが高く、美術鑑賞の後で海をながめながらゆっくりワインを飲みながら語り合うのはとても大切。

 一日ゆっくり楽しめる美術館です。ぜひ友人、ご家族で行ってみてください


建築家 田口知子の日常をつづったブログ ゆるやかな丘の上に建つ横須賀美術館

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2010-08-02 21:29:44

中山の家現場レポート~根切底の検査

テーマ:建築のしごと

先日、久々のどしゃぶり雨が降った日、中山の住宅の根切底検査に行ってきました。駅に着くと、前が見えないくらいのどしゃ降り!「うーん、本当にこんな日に検査できるんですか?」と苦渋の表情を浮かべる私。とはいえでも、構造家の梅沢氏に来ていただいているので、この機を逃すと後がないのでした。

少し雨が小ぶりになるのを待って出発。


現場は、本間建設の渡辺さんと、土工の親方が待っていてくれました。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ 根切をしている状態の土地

「根切り底検査」では、基礎の梁を定着させる地盤の状態を確認します。

掘った下の土の上を踏みしめ、どのくらいの固さならよいのか、構造家の梅沢先生がいつも直接確認してくれます。根切底が固まっていないと、上に建てる家が傾いたり沈んだりする一番の原因になります。一番大切な部分ですから、梅沢氏は有名な構造家で、ご高齢ですが、今でも必ず自分の体で確認されるそうです。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ 根切底に立って設計図を確認する梅沢氏とスタッフの吉野さん

 

ところで、このあたりは非常に強固な岩盤が出るので、掘る職人さんは大変苦労したようです。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ 右側の白っぽい面が岩盤です。

岩盤のほうは十分な強度があるのですが、擁壁際は盛り土で、ふわふわしています。このやわらかい土をどうするかが問題です。

 木造住宅ではありますが、沈下を防ぐために、1m以上深く土を掘り、底を十分転圧した上で、少しづつ砕石を埋め立てる方法を採用しました。砕石の厚みが1m近くなる部分もあります。


 


建築家 田口知子の日常をつづったブログ 土の固さを確認するスタッフの小引さん

雨のせいで、土がふわふわになっています。


「これじゃあだめだ。指定の力が出る機械で丁寧に転厚してくださいよ。機械の品番を教えてください。」と土工の親方に説明する梅沢氏。


 

スボンも靴も泥だらけになりながら、現場の体験、リアルな感覚が大切だなあと思いました。あらためて建築の仕事の根本を実感した日でした。

 



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