Dｒ．パルナサスの鏡

監督・脚本　テリー・ギリアム
脚本　チャールズ・マッケオン
音楽　マイケル･ダナ、ジェフ・ダナ

出演　クリストファー･プラマー、ヒース･レジャー、リリー･コール、
アンドリュー･ガーフィールド、ヴァーン・トロイヤー、トム・ウェイツ、
ジョニー･デップ、ジュード・ロウ、コリン･ファレル

（あらすじ－ほぼネタバレ）

パルナサス博士（クリストファー）は、
娘のヴァレンティナ（リリー）、アントン（アンドリュー）、
パーシー（ヴァーン）を率いて旅一座をしている。
舞台には
心の中の欲望を向こう側の世界に作り出す鏡
「イマジナリウム」がある。
だが、妖し過ぎて客は寄って来ない。

首を吊っていた男（ヒース）を助けた一行。
彼は記憶喪失だったが、実は彼・トニーは詐欺師だった。

トニーの魅力で女性客の目を引くようになり、
ヴァレンティナは彼に惹かれ、
彼女に思いを寄せるアントンは面白くない。

実はパルナサスには秘密があった。
彼はニック（トム）という悪魔と
不死と若さを引き換えにする契約をし、
ヴァレンティナの母と結ばれた。
彼女は娘を出産するとすぐに亡くなった。
そして、ヴァレンティナが１６歳になった日に、
彼女をニックに差し出すことになっていたのだ。

ニックはパルナサスに、誕生日までの２日間で
どちらかが先に５つの魂を手に入れたら　ヴァレンティナを渡さなくていい、という
競争を持ちかける。

トニーは一行の舞台を洗練させ、
女たちから次々と魂と金品を手に入れるが、
彼に騙された男たちに見つかってしまい、
４人分しか手に入れられなかった。

いきさつを知ったヴァレンティナは取り乱すが、
トニーに促されて鏡の中へ。

だが、アントンによってトニーの真の姿を知り、
パルナサスも泥酔状態で、
失望した彼女は、ニックに魂を売ってしまった。

ニックからの提案で、トニーが死なない理由を
調べればヴァレンティナを自由にすると言われたパルナサスは、
彼が首を吊っても死なないトリックを見破り、
チャリティーの裏で臓器売買をしていた悪人・トニーは、
ついに本当に死んでしまった。

自由になったヴァレンティナの姿は
パルナサスがいくら探しても見つからなかったが、
ある時、彼女がアントンと幸福な家庭を築いている姿を見つけ、
安堵して、ふたたびパーシーと大道芸を始めるのだった。

（感想）

ギリアム監督の映画では
ブラザーズ･グリム　が印象的。
（ヒースに注目した最初の作品だった。）

この作品も、彼らしい
毒とメルヘンが融合した世界観で、自分は好き。

この映画はヒースの遺作。
撮影途中で急逝してしまったため、
鏡の向こう側の世界の彼を
デップ、ロウ、ファレルが演じて完成させた。
特に違和感もない、優れた機転だった。

ヒースはやっぱり魅力的な役者だったことを再認識した。
早い死が本当に惜しまれる。

自分は戦中派の両親に育てられたので、
男が泣くことに抵抗を覚えるのだが、
スタンド･バイ･ミーのリバー･フェニックスと、
シャッター･アイランドのディカプリオと、
ブロークバック･マウンテンでのヒースの泣きの演技には
胸が痛くなった。
彼らは母性本能をくすぐるタイプに違いない、と思う。
ちなみに、
思い出にかわるまで　の石田純一の号泣シーンにはイライラした。

プラマーの存在感が印象的。
（彼は　
カールじいさんの空飛ぶ家
http://ameblo.jp/t1r2m3/entry-10537811899.html
９　ナイン　９番目の奇妙な人形
http://ameblo.jp/t1r2m3/entry-10584544126.html
で声優をしている）
酔いどれ詩人・トム・ウェイツの役者姿が観れたのも嬉しいし、
オースティン･パワーズのミニ・ミー、ヴァーンの
登場も楽しかった。

リリーの小動物的な顔もキュートに見えたし、
アンドリューもこれから注目されると思う。

ヒースの冥福を祈る意味でも、是非観て欲しい作品。

オフィシャル･サイト
http://www.parnassus.jp/index.html




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