名古屋市内の里山を宅地化する開発計画を巡り、河村たかし市長が約半年にわたって開発に必要な許可を出さなかったのは違法で、借入金の利息負担や取引先との契約解除などで損害を受けたとして、開発許可を申請していた不動産会社「シィールズ」(名古屋市名東区)らが15日、市に計5億円の損害賠償を求めて名古屋地裁に提訴した。

 訴状などによると、問題の土地は、同市天白区平針の里山(約5ヘクタール)で、同社は土地を買収して昨年4月に開発許可を申請した。都市計画法は「基準に適合している場合は、開発許可をしなければならない」などと定めている。通常は申請から約1か月で許可されるが、河村市長は「COP10(生物多様性条約第10回締約国会議)を控えているので、市が買い取って保全したい」と許可を出さなかった。買い取り交渉は半年に及んだが価格が折り合わず不調に終わり、同市は同年12月になって開発許可を出した。

 業者側は、許可が引き延ばされた結果、損害を受けたと主張。同社代理人の松永辰男弁護士は「市長には開発許可を拒否する権限は無い。環境保全という希望は結構だが、一市民が犠牲になることはおかしい」と話している。

 河村市長の話 「業者とは、最終期限(昨年12月22日)まで交渉を続けるよう文書を交わしてやってきた。(引き延ばしたという)違法な認識はない」

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