北海道恵庭市の下水道処理施設では、下水に、生ゴミと、し尿を混合してメタンガスを増量生産しています。そのガスをボイラーとコージェネレーション発電に使い、施設内で電気も熱も活用しています。



夏は暖房が不要となるため、2基の発電機をフル稼働しても余るくらい豊富なメタンガスが発生。



メタンガスが余ると温室効果ガスを減らすため燃焼させなければなりません。メタンガスをエネルギー資源と捉えると、これはもったいない状況。今後は、有効活用のため、発電機増設も視野に。


生ゴミの受け入れ施設には、下水処理施設からの蒸気(バイオガスによる蒸気ボイラ)を送っています。




これを利用した床暖房設備。



このおかげで冬期でも凍結しないため、水を使って床もきれいに清掃され、常に衛生が保たれています。温かさを確認するために触ってみました。



そして、作業効率の向上と転倒防止がはかられています。



収集車両が着くとセンサーで自動開閉する、生ごみ受け入れ施設。



周辺環境への配慮です。



北海道らしいスズラン柄のマンホールのフタ。



下水単独よりも、生ゴミを混ぜる方がメタンガス発生量が増えて効率が上がりますが、全国でもまだ数例しかありません。恵庭市ではなぜ進んだのでしょうか。

これには、ゴミ焼却炉の建設が進まなかったことが、大きく関係していました。

現在、ゴミ焼却施設がないため、埋め立て処理していますが、徐々に容量がいっぱいになってきます。ゴミの約3割を占める生ゴミを減量することが求められていました。

そこで、平成19年、公募市民、関係団体、事業者で構成される「恵庭市ごみへらし市民会議」が、市民提案としてとりまとめた提言の中で、生ごみをすべて資源として有効活用すべきと提案されたのだそうです。

分別率が高く(家庭ゴミ90%)、ほぼ計画通りに収集されていますが、分かりやすいビデオを製作し、市民説明会を115回も実施してきたことが背景にありました。最終的に汚泥も肥料やセメント材料として活用されています。

今後、ゴミ焼却炉も、こちらの下水・生ゴミ・し尿処理施設と隣接させることで、ゴミ焼却炉の廃熱利用や敷地内でのエネルギー共有でさらに効率的に管理することも検討されているようです。

職員の方々のお話を伺うと、もはや下水や廃棄物を「資源」と考えて、利用しなければもったいない、有効活用するのが当然という理念が随所に感じられました。


恵庭市の「生ごみの取り組み」は数々の表彰を受けています。
○国土交通大臣賞「循環のみちで下水道賞」資源のみち部門(平成25年9月)
「恵庭下水終末処理場におけるバイオマス利活用(発電等)の取り組み」
○リデュース・リユース・リサイクル推進協議会会長賞(平成25年10月)
「市民が主役の生ゴミの分別 高い分別率で生ごみをエネルギーに!」



知恵を絞り、課題を乗り越えて、ゴミ問題というピンチをエネルギーの地産地消というチャンスに変え、循環型まちづくりに市民ぐるみで取り組まれる恵庭市の皆さまに敬意を表します。

サプライズでご同席下さいました原田裕市長、分かりやすい資料を使ってご説明下さいました職員の皆さま、そして、つないで下さった公明党の高橋通子市議会議員に感謝申し上げます。ありがとうございました。課題を乗り越えて、うまく運用・稼働している事例は、後に続く自治体にとって大きな希望となると思います。


メリットまとめ
・省エネ(消化ガス利用による重油使用量の削減)
・省エネ(施設内で自家発電) 
・温室効果ガス削減 約33%減
・生ゴミ減量による埋め立て地延命
・生ゴミ減量による一般廃棄物焼却施設の建設コスト削減
・生ゴミ減量による一般廃棄物焼却施設の燃料費削減
・処理施設統合による維持管理費の削減
・肥料・セメント材料への利用

さらに、化石燃料輸入を抑えて、ガスタービンなど設備機器製造、建設工事など国内産業・雇用を生み出す経済効果も大きく、貿易収支改善、国民所得増加、税収増加にプラスです。


全国にある2200箇所ある下水処理施設のうち、消化ガス利用は約300箇所、発電は約40箇所にとどまっています。全国の下水処理施設で使う電気は全国の電気需要の約0.7%も占め、影響は大きいです。

国も、下水(国交省)、廃棄物(環境省)、発電(経産省)という縦割りを廃して、自治体を後押しするワンストップ推進体制をつくり、知恵を絞って下水混合バイオマスエネルギーを今以上に積極的に進めるべきだと確信いたしました。



隣接の北広島市(こちらも下水と生ごみ・し尿の混合バイオマスを先行して実施)

市役所前で、木村真千子市議会議員と3人で。



日中も、マイナス4℃くらいでした。


⇒結果

国土交通省
下水汚泥エネルギー化技術ガイドライン-改訂版-平成27 年3月
エネルギー化技術導入事例として記載されました。

木村真千子市議会議員とご一緒に視察させていただきました。

下水道処理施設でメタンガス生産しているのは全国で300/2200箇所くらいありますが、北広島市は、下水に生ゴミ、し尿・浄化槽汚泥を混合させて一緒に処理している珍しい事例です。(国土交通省によると全国で5例くらいのようです)

生ゴミなどを混合すると、下水単独よりもメタンガス発生量が増加して、効率が上がります。


メリット
・省エネ(消化ガス利用による重油使用量の削減)
・温室効果ガス削減
・生ゴミ減量による一般廃棄物焼却施設の建設コスト削減・燃料費削減
・処理施設統合による維持管理費の削減
・肥料の生産

ざっくり計算して、費用対効果がプラスです。そして、輸入に頼る重油の使用が減り、その分は設備や機器の工事代に置き換わるので、日本国内の産業・雇用にも大きくプラスになります。



貝や卵の殻は配管を著しく損傷してしまい修繕費がかかるため、混入しないように家庭にお願いするとともに、どうしても混ざってくる分を分けるためのプロセスを最初から組み込んいます。コストを抑えて、安定した運営を行うためには、市民のご協力が欠かせません。



メタンガスのタンク。追加設置予定ということでした。



視察が多く、展示も常設されていました。
家庭生ゴミは黄色の袋で回収されます。




最終的に汚泥の乾燥まで施設内で行い産廃コストを削減して、さらに肥料とし市内の農家に安く頒布しています。

「あしる」とは、アイヌ語で、新しい、始まり、という意味で市民からの公募による愛称だそうです。




こちらは、もともとあった下水処理と消化ガス施設はそのまま利用し、そこに生ゴミとし尿・浄化槽汚泥を混合する設備を追加で設置しています。下水処理施設を丸ごと取り替えたわけではありません。

これは、他の処理施設でも普及させやすい点だと思いました。

しかし、下水は国土交通省、家庭ゴミは環境省と、手続きが分かれており、自治体側の大きな負担となっています。また、これによってできた肥料の扱いは、農水省と環境省と二重に規制が存在して、煩雑になり、推進の邪魔をしています。

下水や廃棄物エネルギーを加速化させるには、下水や廃棄物を「資源」として扱い、それにふさわしい法改正と、窓口を一本化するなどの国側の体制整備が必要だ、と感じました。

規制が厳しいために煩雑で時間がかかってしまう手続きを乗り越え、さらに、下水に異物を混入すると微生物処理過程で予期せぬ事が起きる、という難しい技術的課題も解決して、大変なご努力で道を切り開き、問題を越え、そして尚、真摯に改善のお取り組みを続けていらっしゃる北広島市下水処理センター(愛称「あしる」)の職員の皆さまに心から敬意を表します。

貴重な視察の機会をつくってくださった職員の皆さま、そして、つないでくださった公明党木村真千子市議会議員、ありがとうございました。

再エネ・省エネ加速政策に、活かしてまいります。

山梨県富士河口湖町で大雪のため孤立していたホテル宿泊者100名以上の方が、昨日15時過ぎにホテル前の除雪ができて帰宅の途につかれたとのご連絡をいただきました。無事で本当によかったです。

まだ続いている孤立地域と道路渋滞の解消のために、今なお、昼夜を分かたず除雪作業にあたってくださっている皆さまに心から感謝いたします。

一昨日、孤立状態にあったホテル関係の方からご連絡があり、富士河口湖町の佐藤安子町議会議員に状況確認のためお電話させていただきました。佐藤議員は、すでに町にも要請を重ねてくださっており、大雪災害で不安をもつ地域の方々に安心して頂くため、懸命に動いていらっしゃるところでした。

実は、現場対応で忙しい最中の佐藤議員にお電話することは気持ちがはばかられたのたのですが、孤立して不安を感じてい らっしゃった方々に安心していただくため、やむをえず連携をとらせていただきました。佐藤議員はご多忙にもかかわらず誠実に的確にご対応くださいまし た。

公明党の地方議員さんには、災害時に、全国から安否や状況確認など連絡が殺到することがあります。しかし、限界まで丁寧に対応されている姿にいつも頭が下がるばかりです。公明党のネットワークには本当に助けられています。

ホテル関係者の方には、「孤立解消に向けて全力で除雪を進めている」という最新の情報をお知らせし、いざという時には連絡を受ける態勢をとることで、少し安心していただけたようでした。

孤立解消後、「危機的状況では、物も大切ですが、寄り添う心が現場に勇気を与えます」という主旨の、御礼の言葉が届けられました。

災害6日目、予断を許さない状況が続いています。

今なお孤立している世帯と被災地域のため最優先で取り組みます。