竹谷とし子です。今日の東京は、冷えた昨日から一転、暖かい穏やかな一日でした。
雨に降られた東京桜も、まだまだ頑張って満開の花びらを残し、見る人の心を躍らせてくれています。
さて、国民が国に、”預けている”大事な税金の話です。
国民が大変な思いをして、国に預けてくださっている、大切な、大切な税金の使い方にムダがないか、常に見直し、よりよい使い方に変えていくことは、政府、そして、政府をチェックする役である国会議員の責務である、と私は、強く思っております。
今朝は、朝8時から、公明党財政金融部会に出席しました。
平成27年度決算について、財務省及び総務省、衆議院、参議院、裁判所から説明を受け、質問させていただきました。質問が尽きず、部会の終了時刻が来ても、次の会議ギリギリまで、続けさせていただきました。おつきあい下さった皆さまに、感謝いたします。
(朝8時からの公明党財政金融部会)
私は、7年前に初当選させていただいてからずっと、税金のムダ削減に取り組んできました。国債整理基金支払利息のムダ削減年間約700億円など実績をつくらせていただきましたが、ムダをなくす取り組みに、終わりはありません。地道にムダを見つける作業を続けています。
うまくいく時ばかりでなく、調べて調べて、空振りになることも少なくありません。(T_T) 深追いしても時間の割に、大きな削減効果がなさそうな場合には、いったんやめます。時間には限りがありますので、削減効果の大きいものに、優先して時間を使っています。
ムダを見つけるには、コツがあると思います。必要になるのは分りやすい帳簿です。
限られた家計をうまくやりくりするには、家計簿のように何にいくら使ったのかが分かるものが必要だと思います。幼い頃、私の母も家計簿をつけて一生懸命、家計をやりくりしていた後ろ姿をよく覚えています。
また、企業であれば、ムダをなくすというのは当たり前で、そのためお金の使い途を詳細に管理し分析しています。国会議員にならせていただく前の私の仕事は、コンピュータシステムを駆使して、企業経営のムダを見つけやすくすることしでした。
そうした経験から見てみますと、国や多くの地方自治体の予算・決算の情報は、悪い言い方ですが、どんぶり勘定です。
私が取り組んでいる、「財政の見える化」というのは、やりくり上手な人が使う家計簿や、民間企業の管理会計システムのように、財政を透明化してチェックできるようにすることです。民間では当たり前のことです。もちろん、お金があれば、国の財務会計システムを刷新したいところですが、そのためには、ものすごくお金がかかる事も知っています。
システム刷新の前に、その必要性をまずは示さなければなりません。
そのため、「財政の見える化」の試行として、今は、エクセル等を駆使して手作業で集計をしていただいています。まだまだ試行段階ではありますが、財務省主計局公会計室がリーダーシップをとり、各省の協力を得て、着実に前進させられるところまできました。
去年は24事業、今年は少し増やして41事業を対象に、人件費や減価償却費を含む国の行政サービスのフルコストを「見える化」しました。数千にものぼる国の事業の中でほんの一部ではありますが、たとえば、
国会の運営には、国民1人あたり843円のコスト
裁判所の運営には、国民1人あたり2419円のコスト
地震津波観測業務には、国民一人あたり26円のコスト
また、利用数が特定できるようなサービスでは、
国税局に電話相談をすると、1件あたり平均1272円のコスト
輸出入の通関手続きには、1件平均468円のコスト
入国者の検疫業務には、1人あたり64円のコスト
教科書無償配布には、1冊平均441円のコスト
など、国の行政サービスに、裏でいくらの税金を使ったかが分かるようになっています。
そうしますと、似たような業務と比較でき、どこにムダがありそうか、という分析ができるようになってきます。
その行政サービスがムダかどうか判断するのはとても難しい問題です。多くの人にとっては要らないサービスも、一部の誰かにとって必要だからやっているというものが、行政サービスには少なくないのです。
しかし、そのサービスを提供するための作業のどこかにムダなところはないか、ということを考えることはできます。
よくあるのは、今は手作業でやっていることを、コンピュータを使えば半分位の時間でできる、というような事です。あるいは、昔からやり続けているからという理由で、高いコストがかかる過剰なサービスを続けている場合があるかもしれません。利用者が少なくなったのに高い維持費をかけている公共施設などは、その例です。コストが分かれば、「そんなに税金がかかっているなら他のいい方法を考えよう」、ということにもなるでしょう。
民間では当たり前にやっている事ですが、行政には、必要性や手続きが法に縛られているという民間とは違う事情もあり、また、企業会計的な費用対効果だけでははかりきれない、人権、環境、地域社会、歴史、文化などの価値を守る必要もあり、民間のようには簡単にいきません。はたから見ればムダと思えるような業務も、複雑な要因によって残っています。それらを見つけ、分析し、国民に説明しやすくするための「見える化」です。
以前は私の説明が稚拙であるため、なかなか理解を得るのに時間がかかりましたが、数字で見えるようになって、「財政の見える化というのはこういうことです」と、お伝えしやすくなりました。
フルコスト情報を見た方々から、「財政の見える化」に対して、少なからぬ賛同をいただいています。o(〃^▽^〃)o
これからも理解・協力してくれる人を増やしながら、納税者のための、「財政の見える化」を粘り強く、いつかそれが当たり前になるまで、あきらめず、進めていきたいと思います。
国の個別事業のフルコスト情報は、今年はダイジェスト(簡易)版もでき、見やすくなりました。ご関心ある方は、ぜひご覧になってみて下さい。
平成27年度. 個別事業のフルコスト情報の開示. (ダイジェスト版)
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(挨拶する財務大臣政務官の杉ひさたけ参議院議員)
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