最近Web系のニュースでディープラーニングの話題が良く出てくるので、ちょっとだけまじめに勉強しようと思って購入。
ディープラーニングが現実になったらこんな素晴らしい時代が広がるって内容の本とか記事は多いのだけど、実際に「ディープラーニングって何よ?」って答えてくれる本が非常に少なかったのでとりあえず買ってみた。

ニューラルネットワークの「冬の時代」の後の、バックプロパゲーションが流行った頃にちょっとだけ係わっていたけど当時はビジネスにならなく自然消滅させてしまったので、気持ちを入れ替えてざっと斜め読みしてみた。

私感としては、学術的世界の現状は世の中の期待とはちょっと違うような...
この本をサクッと読んで、参照文献をいくらか勉強して、何か凄いサービスができるかというとそれは無理っぽい。もちろん5~10年ぐらい研究したら、何かできるのかもしれないけど。

結局ずっと期待されていた多層ネットワークを事前学習で対応させるぐらい(その方法はいろいろある)のアルゴリズムで、ネットが発達してきたから、CPUパワーと数多くのデータ(画像とか)があるということで、ちょっとだけ結果が出てきたような感じかな。
まだまだ、対象の問題に手探りでやっている感が大きくって、世間で言っているような、人間の仕事がAIに奪われるとか、人類が滅ぼされるかとか、全然無理だと思う。

強いて言うなら、カエルが動く虫を見てペロッと舌を出して捕獲する程度のマシンぐらいなら今の技術で出来そうだけど、そんなマシンを10,000個作っても決して思考マシンにはならないって事かな。

なんだか世間は、最近のコンピュータ将棋プログラムとかGoogleの猫認識プログラムとかSiriに代表される音声認識プログラムを適当にまぜこぜにして、将来の期待(不安)をあおっている感が多い。

若者達がそういう情報で、ワクワク感を持って自らの研究や開発モチベーションを上げてくれるのはいいけど、知ったかぶり感で、「それはディープラーニングで解決できるはずですよ...」って軽々しく結論出してしまうのはどうしたものかと思うけど。

ただ、最近はディープラーニング系のオープンソースやサービスも出てきているみたいなので、学術系以外のアプローチもちょっと見ておいた方がいいかもしれない。

まぁ、やはりこの手の研究は当面は人間の脳が手本なので、それに向かって落ち着いて進めていくべきでしょうだし、結構応援しています。

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